皮膚病
皮膚の病気は、ワンちゃんやネコちゃんが最もかかりやすい病気のひとつです。
例えばワンちゃんの場合、皮膚の厚さが、人の3分の1程度の厚さしかないため、刺激に弱く傾向があります。また、皮膚は毛に包まれているので、ほこりや汚れが付きやすいといった弱点があります。
また、動物はお風呂に入らないので、かゆい場合は自分で咬んだり引っ掻いたりして皮膚をさらに傷付けてしまいます。
近年では、アトピー性皮膚炎に悩むワンちゃんやネコちゃんが増えています。
皮膚病にかかっているワンちゃんやネコちゃんは、かなりの確率で二次感染を発症しています。このため、本当の原因がわかりにくいケースもあります。
いずれにしろ、ワンちゃんやネコちゃんの皮膚の調子がおかしかったら、すぐに連れてきてください。適切な診察や治療を行います。
完治には時間がかかるケースが多いため、じっくり治療することが大切です。
シャンプー療法を力入れています

皮膚病の治療で、何よりも大切なのは「清潔な状態を保つこと」。それには、シャンプーがもっとも効果的です。
当院では、シャンプーを使った皮膚の治療法である「シャンプー療法」に力をいれています。
かゆみのある・ないから分類し、少しずつ細分化して、適した治療法をチョイスします。
当院が使用している治療用シャンプー剤は、
- 抗菌シャンプー
- 抗真菌シャンプー
- 抗脂漏シャンプー
- 鎮痒シャンプー
- 保湿性シャンプー
の5種類があり、症状に応じて使い分けています。
また、すべてのシャンプーの使用後の保湿に、高品質なコンディショナーを使用しています。治療用の泥パックや、ご自宅でのシャンプー療法も指導しています。
アレルギー診療の進め方
ワンちゃんのアレルギー診療の進め方
1.アトピー性皮膚炎を疑う
どのような症状がどこに出ているか。臨床症状をチェックし、まずアトピー性皮膚炎であるかどうかの診断を行います。
アトピー性皮膚炎の4つの特徴(すべて満たすとき、アトピー性皮膚炎を疑います)。
- 痛みを伴う
- 部が腫れたり盛り上がったり赤くなったり固くなったりしている
- 性あるいは再発性である
- 3歳以下で発症している
犬のアトピー性皮膚炎は、人と同じく、眼や口の周り、外耳、両手足の先や根元、胸部や腋、曲げ伸ばしをする部位などによくみられるので、発症部位も診断の材料となります。
アトピー性皮膚炎はアレルギーの一種であり、花粉やダニ、ノミ、カビなどのアレルゲンに免疫機能が過剰反応して起こる皮膚炎です。
特に柴犬、シーズー、ゴールデンレトリーバーなどの犬種にアトピー性皮膚炎になりやすい傾向があります。
2.食物アレルギーを疑う
次に、食物アレルギーを疑い、以下の症状の有無を確認します。その結果次第で、次に行う検査が決まります。
食物アレルギーの4つの特徴
- 顔や背中、肛門の周り、指の間に症状が出る
- 1歳未満で発症している
- 症状や発症に季節性がない
- 1日の排便回数が3回以上である
上記いずれもない場合
上記のいずれかがある場合
食物アレルギーを疑います。食物アレルギー単独あるいは犬アトピー性皮膚炎との合併を疑い、リンパ球反応検査とアレルゲン特異的IgE定量検査の両方を実施します。
注)リンパ球反応検査はステロイド剤やシクロスポリンの影響を受けるため、治療開始前に実施します。
※オプション検査
ステロイド製剤を使うかどうかを決めるために、アレルギー強度を調べるオプション検査を行うことがあります。この検査で異常値が見られた場合は皮膚炎が重症化しやすい体質であるため、ステロイド剤を使用したほうがいいと判断されます。
3.アレルゲンを特定できたら治療を開始
犬アトピー性皮膚炎のとき
ダニのアレルギーは、減感作療法
生活環境の改善
食物アレルギーのとき
ネコちゃんのアレルギー診療の進め方
そのため現状では、寄生虫症や感染症、腫瘍などの除外診断をまず実施し、それでもアレルギーが疑わしい場合には、環境中のアレルゲンを特定するアレルゲン特異的IgE検査を実施する流れとなります。
1.アトピー性皮膚炎を疑う
どのような症状がどこに出ているか。臨床症状をチェックし、まずアトピー性皮膚炎であるかどうかの診断を行います。
症状のチェック
こんな症状が見られたらアレルギー性皮膚炎の検査をしましょう!
- 体をかゆがる
- 毛が抜ける
- 皮膚に赤い発疹ができる
- 皮膚が赤くただれる
- フケが多い
- 皮膚が赤くなる
- 皮膚が乾燥している
- 皮膚が硬くなる
- 皮膚がベタついている
- 皮膚にしこりがある
食物アレルギーのチェック
- 顔や背中、肛門の周り、指の間に症状が出る
- 1歳未満で発症している
- 症状や発症に季節性がない
- 1日の排便回数が3回以上である
原因アレルゲンの除去
環境
食事
治療を始めるときは、症状をコントロールするために薬物療法も併用することがあります。
スキンケア
薬物療法
減感作療法 ※ワンちゃん
血液検査でアレルギーの原因を特定した後、アレルゲンのエキスを少しずつ、量を増やしながら定期的に注射で投与していきます。
減感作療法は、いま起きている皮膚症状を抑えるだけでなく、ステロイド製剤などほかのお薬の量を減らすことにつながる効果も期待できる治療法です。
インタードッグ(体質改善薬) ※ワンちゃん
インターフェロンは数種類あり、なかでも体の免疫機構を調節する働きが高いことで知られるインターフェロンγ(ガンマ)の働きによって、バランスの崩れた免疫機構を正常に戻し、かゆみ等の症状を改善していきます。
ステロイド剤や免疫抑制剤のように炎症を直接抑える薬ではないため、効果が現れるまでは時間がかかりますが、副作用はこれらの薬剤に比べると少ないといわれています。
かゆみを抑える
動物はかゆいと体を掻きむしります。掻くことによってさらにかゆみが強くなるため、あっという間に悪化してしまいます。かゆみをともなう皮膚の病気の治療には、まずはお薬でかゆみを止めてあげることが大切です。
ステロイド製剤(経口・外用)
ステロイド製剤は、アトピー性皮膚炎などの強いかゆみを止めるためによく使われる効果の高いお薬です。
ステロイドはもともと副腎という腎臓の上にある臓器からつくられるホルモンで、このホルモンの抗炎症作用・免疫抑制作用を薬として応用したものがステロイド製剤です。
内服薬と外用薬があり、いずれも最初は少し強めの用量で使い、症状が安定してきたら徐々に用量を少なくしていきます。
ステロイド製剤は副作用ばかりが注目されがちですが、獣医師の処方により適切な使用量と使用期間を守れば、早くよく効くよいお薬です。
シクロスポリン製剤
シクロスポリン製剤は、ステロイド製剤の服用が長期化してしまっている難治性アトピー性皮膚炎の症例に用いられる免疫抑制剤です。
アレルギーはアレルゲンに対して免疫が過剰反応することによって起こります。その免疫の働きを抑えることで、アレルギー症状を改善するのが免疫抑制剤です。
単独で効果が弱い場合は、少量のステロイドと併用することもあります。副作用は少なく高価ですが、ジェネリックの薬剤も販売されています。
アポキル錠 ※ワンちゃん
アポキル錠は、ワンちゃんのアトピー性皮膚炎とアレルギー性皮膚炎のかゆみを緩和する治療薬です。
ステロイド剤や免疫抑制剤とは異なるメカニズムで効く新しく開発されたお薬で、これまでワンちゃんのかゆみを止めるのによく使われてきた経口ステロイド剤のプレドニゾロンと同じくらいの早さでよく効きます。副作用が少なく、1年以内の長期使用が可能なのも大きな特長です。
サイトポイント注射 ※ワンちゃん
サイトポイントは、犬アトピー性皮膚炎のかゆみをやわらげる注射薬です。1回の注射で約1カ月間と効果が長く続くお薬です。
かゆみを誘発する物質のみにアプローチし、かゆみのサイクルを断ち切ります。
副作用が少なく、ほかのお薬との併用制限もないので、ほかの病気でお薬を飲んでいるワンちゃんも安心して使えます。









