不妊手術は、繁殖を防ぐための手術だと思われている方も多いと思いますが、実は、手術には病気を予防する効果があります。動物さんを生殖機能のある状態で、生殖行為を行えない環境に置くと「性的ストレス」が病気を引き起こすことがあるからです。
その性的ストレスを取り除くための不妊手術は、動物さんをたいせつな家族の一員として迎え入れるために必要なことだと、私は考えています。「不妊手術なんてかわいそう」と思わないでください。動物さんをペットとして人間の生活に迎え入れる際には、むしろ「性的ストレス、衝動からの解放」「性ホルモンに起因する病気の予防」を考えてあげていただきたいと思います。
不妊手術をすることで防ぐことができる「性ホルモンに起因する病気」には、女の子では、支給蓄膿症、子宮内膜症、卵巣嚢腫、乳腺炎、子宮・卵巣・乳腺の腫瘍があります。男の子では、睾丸・副睾丸の炎症や腫瘍、肛門周囲腺腫、前立腺の炎症や膿瘍・癌、会陰ヘルニアなどがあります。
ただ、不妊手術は難しい手術ではないといっても、手術には麻酔を使用し、身体にメスを入れます。また、手術後のデメリットとしては、太りやすくなることもあります。(食事管理をきちんと行っていればまったく問題はありません)
病気を治すための手術ではありませんから、以上のことをふまえ、最終的には飼い主様がご判断ください。大切な家族の一員である動物さんのこと、よく考えてご決断ください。