母校・名東高校 30周年記念誌への寄稿文
母校 名東高校の30周年記念誌への執筆の機会を頂きました。
私事ですが、目を通していただければ嬉しいです。
『人生二度なし!好きな道へ邁進の勧め』
【鯉沼先生とポワロちゃん】 【高校時代 愛犬あいちゃんと】
とにかく私は幼い頃から動物が大好き!
近所のワンちゃんに咬まれても、ノラ猫さんに引っ掻かれても、ただ動物を触りたかった幼い頃の気持ちそのままで今動物病院の院長として日々動物さんと接しています。
そんな私は名東の3回生、私の代で3学年が漸く揃う年に入学しました。
当然、歴史はなく学校としての様々なレベルや大学の進学率も定かでない高校でしたが、そんな事よりも校舎は新しい、制服はかわいい(当時、セーラー服や蝶ネクタイと紺ブレザーというノーマルな制服が高校生らしい制服と思われていた時代。そんな時代にネクタイ!しかもスカートはチェック)
お洒落さんだった私には名東を選ばない理由はありませんでした。
そんな不純(?)な理由から選んだ高校ですが、自由な校風は私の性格にぴったりで『お洒落(遊び)』と『勉強』のメリハリをはっきりと付け、今思い返してもやり残したことはない楽しい高校生活を送りました。
こう書くと遊んでばかりに思われそうですが勉強も頑張りました。
私は理系、今流行の『リケジョ』で、好きな科目は数学、物理、化学、生物、嫌いな科目は社会。高校を制服で選んだ経緯からお分かりのように、あまり『まじめ』な性格でないため、好きなことはとことんやりますが嫌いなことは一切しません。当然成績も理数系は高得点、社会はトホホな状態でした。特に数学が大好きで、雑誌や問題集で途轍もなく難しい問題を探してきては、当時数学の先生だった鯉沼先生に解答を見てもらったり、解き方を教えてもらったり・・・。
日々の成績には関係なくてもそれがとても楽しかった事を覚えています。
そんな高校生活を経て、大好きな動物と関わる仕事として獣医師を目指し岐阜大学獣医学科に入学しました。
就職の際には(月給20万以上の安定している公務員や会社員と比べ)当時月給13万という不安定な臨床医を選び、さらに女一人で開業するなどという危ない橋を渡り、今現在に至っています。
好きな事にはどんな犠牲を払っても全力を注げる私の性格には、開業獣医師という仕事は最適な仕事です。そんな道を開けてくれたのは名東高校の自由な校風だったのではないかと感謝しています。
まじめに苦手な事をコツコツ成し遂げる努力は当然必要なことですが、理屈や打算なしにひたすら好きな事に邁進する勢いは、若い頃しかないものです。
後輩の皆様。進路に迷ったり、先が見えなくて苦しんだり、信じた道が間違っているように思えたり、今後様々な事が待ち構えていると思いますが、悩んだ時には一度すべてを無にして命の洗濯をし、自分が一番したい事、好きな事は何か、そのためには何をすべきか等を見つめ直してみる事が暗闇から脱する一番なのではないかしらと思います。私なんて洗濯し過ぎて色褪せていますが(笑い)私にしか出せない、良い色を醸し出せているのではないかとも思います。
また私事ですが、前述の鯉沼先生(現北高校長先生)が3年前に愛犬ポワロちゃんの主治医として私を選んでくださり、遠くから(当院は尾張旭、先生のご自宅は豊田)来院して下さっています。本当に嬉しくて、頑張って仕事をしていて良かったと心から思う出来事のひとつです。
人生や進路には『これが正解』という答えはありませんし、いつ軌道修正しても遅過ぎることはありません。自分に嘘をつかずに信じる道を進み、好きな事に力を注げる生き方をして下さい。また、何をするにも健康でないと出来ません。食事、日々の生活等にも気を配り、皆様の人生が輝かしいものになりますよう、陰ながら応援させていただきます。(2014年2月)