今、宮崎では牛の口蹄疫騒動で大変なことになっています。

 この口蹄疫。いったい何者なのか、ご存じですか?
 『ウィルスでしょ(^^)/』と、ご存知の方も多いと思いますが、ではウィルスって何?『菌でしょ(^^)/』 では、菌(細菌)とウィルスの違いは?(;_:)・・・・。

 詳しい説明は、おそらく読んでいただけないでしょうから省きますが、ウィルスは細菌よりも ずっとずっと小さく(50から100nm程度)、やっと電子顕微鏡で見える大きさです。また、 ウィルスは単独では生きていけず、絶えず生物の細胞内で増殖し、その後宿(生物)を替えて また増殖をします。生物からすれば、ウィルスに細胞を貸してやったのに病気を引き起こす という、ほんとにフトドキ物なのです。

 治療は細菌には抗生剤を使いますが、ウィルスによるものはほとんど根本的な治療がないため、 まずは罹らないようにワクチンを接種することが一番です。でも、もし罹ってしまったら 対症療法といって、ウィルスによって起きている症状を和らげ、細菌による二次感染を防ぎ、 ウィルスの力が弱まってくるまで、体が負けないような治療をします。

 話は口蹄疫に戻りますが、口蹄疫の原因ウィルスはピコルナウィルス科の仲間で、親戚にA型 肝炎ウィルスやポリオウィルスなどがあります。また、ニュースなどでノロウィルスや新型インフルエンザ、 口蹄疫は特別な病気で、そら恐ろしい病気のように流されますが、ワンちゃん、猫さんにも 日常的に移る、怖いウィルス疾患は非常にたくさんあります。

 ワンちゃんのパルボウィルス感染症や、ジステンパー、レプトスピラなどは、もし人間の病気であれば 発症者が出たら、即隔離、毎日トップニュースになるぐらいの大事件(死亡率高!)ですし、猫さんの 汎白血球減少症なんて、ウィルスの力が信じられないほど強く、お家の中にしかいない猫さんが 飼い主さんの靴裏にくっついてきたウィルスに感染して、発症して亡くなってしまうこともあるほどの 驚異的な強さなのです。人間だったら、えらいこっちゃ(>_<)です。

 何気なく接種されている混合ワクチンですが、これがあの子たちを守っているのです。

 『でもそんな病気、あんまりないんでしょう?』と、お考えの方、甘いですよ~<(`^´)>・・・。
 ワクチンを接種さえしていれば、防いであげられる病気で動物さんを亡くすことは、私たち病院側の 人間としては、非常に悔しいし、怒りさえ覚えてしまうこともあります。
 狂犬病の予防接種は、公園などで集合接種を行い、法的規制もあるため、『接種しなくては!』 という意識が強いですが、混合ワクチンにはそのような意識をお持ちでない方が一部いらっしゃる ことは、非常に残念です。

 また、トリミングやホテル、ドッグランなどを利用される場合、狂犬病やワクチン接種の証明書の提出が 必要不可欠ですが、もしなくしてしまった場合『いつ接種したか?』と根掘り葉掘り尋ねたり、 『接種されてないので利用出来ない』の一点張りの施設は、一見冷たく感じ悪~いようですが、 裏を返せば、接種していない子を受け入れないわけですので、施設内の子たちはみんな接種済み の子たちなので、絶対に伝染病ではないため安心です。反対に『接種証明書がなくても 大丈夫ですよ~』なんてところは、とても良心的な感じですが、どんな子でも受け入れている ということなので、伝染病を持っている子でも誰でも施設内に入れてしまうということなので、 非常に恐ろしいです。
 日常生活でも、うざったらしいことを言ってくれる人の方が、自分のためを思って言ってくれている のですから、ありがたく思うべきですよね(*_*)。

 ウィルス病だけでなく、今のこのご時世で、防いであげることができる病気・・・フィラリアだとか、 子宮蓄膿症や乳腺腫瘍や前立腺疾患(Drりえのお話 No.4参照)、ノミダニ媒介性疾患・・・など で動物さんを亡くすことは非常に残念です。また、話はそれますが、早期発見によって 完治できたり、寿命をかなり延ばせるような疾患を見過ごしてしまう場合も非常に残念です。

 うちの病院は常日頃、フィラリア予防をしっかりしろだとか、ノミダニ予防をちゃんとしろだとか、 健康診断をしっかりしてだとか、とにかくうざったらしい(+_+)。でも、最後に苦しむ姿を診る私たちは、 『私たちがしっかり話していれば防げたのではないか』という後悔に苛まれるのです。

 伝染病にしても、フィラリアにしても特別な病気ではありません。
 病気の予防と早期発見で、いつか大事な動物さんが亡くなる時、『ごめんねm(__)m』ではなくて、 『ありがとう(^。^)』と、お別れが出来るような関係を築けるお手伝いをしたいと思っています。
 これからも、う・ざ・い・(>_<)マリア動物病院でいきますよ~(^_-)-☆。付いて来てね(^。^)。

マリア動物病院