-
ノミ・ダニのお話【これが現実です】
【ノミ】
ノミは不潔にしているから付いてしまうと思っていませんか?
『うちの子はトリミングにも行っているし、きれいだから全然問題ないわ~』
お散歩に行かないから付くわけがないと思っていませんか?
『外に出ないのに付くわけないじゃない・・・』
気温が高い夏しか付かないと思っていませんか?
『まだ春だし(もう秋だし)、虫なんていないわよ!』
おお間違いです。
毎月トリミングをし、毎日ブラッシングをして、週に何回かお家でシャンプーをしていても、付くときは付きますし、お散歩に行かなくても、人間や他の動物が媒介したりお庭やベランダから侵入してくることもあります。
また、夏だけでなく、13度でノミは繁殖を始め、雌の成虫は1日に10〜50個の卵を一生に200〜1000個の卵を産みます。
卵は1〜2日で孵化し幼虫になり、1週間ほどで脱皮しその後繭を作りサナギになり、5〜10日間程度で成虫になります。そして、条件が良ければ成虫の寿命は3〜4週間で、この成虫→卵→幼虫→サナギ→成虫を繰り返してどんどん増えていきます。そしてこのノミは見た目が気持ちが悪いだけでなく、とても重大な弊害があります。
ノミが寄生すると、かゆみのためにひっかいたりして皮膚炎を起こしたり、大量に寄生すると、吸血されて貧血を起こすこともあります。
また、ノミの唾液に含まれる物質によってアレルギーを起こすことも多いです。
皮膚のトラブルだけでなく、条虫という内部寄生虫やその他、多くの病気を媒介します。
動物さんだけでなく人間を刺すこともあり、激しいかゆみや皮膚炎を起こしたり、ノミが病原体を持っていると、猫引っかき病という猫に引っかかれた人が発熱や疼痛、リンパ節の腫れなどを引き起こしてしまう病気に感染してしまうこともあります。【ダニ】
ダニも同様で草むらなどに潜み、わんちゃんの気配を感じるとすごい跳躍力で動物さんの体にくっついて皮膚を噛みつき、血を吸い始めます。
マダニはわずか1mm程度の大きさですが、血を吸って体積が200倍以上にもなり、体がぱんぱんにふくらんで黒いイボのように皮膚に噛みついています。口でがっちりと皮膚をとらえているので、無理に引きちぎると口の部分が皮膚に残って化膿してしまうこともあります。体に寄生すると激しいかゆみを伴なったり、ノミ同様に大量に寄生すると、吸血から貧血を起こすこともあります。
さらにやっかいなのは、マダニが「バベジア」という寄生虫(原虫)や細菌などを媒介することです。
特にバベジア症候群は犬の赤血球を破壊し、生命に危険を及ぼす危険性もあります。また、最近媒介が確認されて話題になったSFTSウイルスを持っているダニに人間が咬まれると、重症熱性血小板減少症候群という病気に罹ることもあり、嘔吐、下痢、頭痛などの症状を引き起こし、最悪の場合死に至ることもあります。人が感染する病気として他にもライム病、日本紅斑熱日本紅斑熱、 Q熱などがあり治療が遅れると死の転帰をとることがあります
ノミと同様、ダニもしっかりと駆除・予防対策を行う必要があります。
大切な動物さんと飼い主様の健康や病気予防の観点からも、ノミ、ダニは徹底的に駆除しましょう。
また、ノミダニががいない場合でも寄生を避けるために予防対策を行ってください。
【ノミ・ダニの駆除・予防方法】
ノミ・ダニの駆除で一つ気をつけなければならないのは、ノミやマダニを見つけてもつぶさないということです。
メスの成虫は体内に卵をもっていますので、つぶすと卵が飛び散ってしまいます。
また、卵やサナギが落ちている可能性もあるので、部屋や動物さんの寝床(一緒に寝ている場合はお布団なども)は念入りに掃除することも大切です。
ノミやマダニの駆除・予防策には、効果的な方法がいくつかあります。
駆除剤のタイプによって効果に違いがありますので、私たちと相談をして、その子に適した方法を選んでいきましょう。2015.03.05
-
動物さんの肥満(動画)
ぽっちゃりしているワンちゃん、猫ちゃんは見た目にはたしかに可愛い
。
でも、ぽっちゃりを通り越してしまって『肥満』になってしまっている子も・・・。
(理想体重よりも15%以上重くなってしまっている状態、または体脂肪で言うと犬種差が多少ありますが、40%を超えてしまっている状態を肥満と言います。)人間同様、肥満が原因となって様々な病気に罹ったり、病態が悪化したりします。
たとえば人間同様の生活習慣病や関節、靭帯などの疾患です。
また、逆に病気が原因で肥満になってしまっている場合もあります。
(クッシング症候群、インスリノーマ、甲状腺機能低下症など・・・。)
そんな病気の時は食欲が落ちないので見過ごされがちで、悪化して手の施しようがなくなってしまう場合もあります。まずは適正体型を把握しましょう
適正体型はボディコンディションスコア(BCS)などで判断することができます
(下図参照)。犬種や体格によって若干の違いはありますが、9段階評価の場合「BCS4~5」の理想的な体型を目指してコントロールしましょう。
でも、実は確実な体脂肪の値は人間同様、外見や体重だけでは判断できません。
本当に正しく肥満度を判定するためには、体脂肪率を測定することが必要なのです
(下の体脂肪計は犬専用)的確な検査から、ワンちゃん、猫ちゃんの適正体重・体型を私たち専門家が判断し、一緒にそのゴールに向かって頑張りましょう。
そのために一番重要な事は、病院での定期的な体重測定
です。
体重の測定は、日々少しずつ変化していく過程で見落としがちな変化を数値で把握することができるため、異変にすばやく対応することが可能です。
(自己流ダイエットによる、痩せすぎ等のトラブルも非常に多い)少しでも気になったり、おかしいと感じたら、すぐに診せてくださいね。
また、下記のリンクに詳しい病気の説明もありますので、ご覧下さい。
http://www.hills.co.jp/pd/special/petlife/story/rd_wd_md.shtml
http://www.royalcanin.co.jp/new/health_nutrition/health/obesity/dog.html2015.03.03
-
春の健診【フィラリア健診】始まりました。
2015.03.02
-
春の健診【フィラリア健診】始まりました。
2015.03.02
-
動物救急24時
一昔前では考えられませんでしたが、今や『動物病院24時
』的なTV番組やニュースが週一ぐらいで放映される時代になりました。
それだけ動物さんが大事にされているという事なので、獣医師としても、動物好きな一個人としても、いい時代だな~と嬉しく思っています。
また、今では人間の夜間救急病院と同様、しっかりと対応してくれる夜間病院(夜間動物救急診療所:名古屋市獣医師会http://www.nagoyavet.jp/hospital_yakan.htmlなど)もあり、個人動物病院としてはとてもありがたく思っています。
というのも、一昔前までは私たちのような個人病院が夜間救急の対応をしなくてはその子を救えないという状況に陥ることも多々あり、私も夜中に奮闘することもありました
。
でも、どう考えても、スタッフもいない、検査もままならないような状況で、本当の救急であればあるほど、救命率は格段下がります。
たまに『先生にちょっと診てもらえれば安心だから
・・・』とおっしゃる方もいらっしゃいますが、それは大・大・大間違い!獣医師たった一人で何でもできるわけではありません。確実な検査による確定診断と病状の判断、的確な治療、サブをしてくれるスタッフがいてこその救命です。(それは人間の病院でも同じことですが・・・。)
飼い主様の安心だけのためであれば、いくらだって夜起きて診察します
。
でも、現実は違いますよ~。
本当に朝(通常診察)まで待てないほどの救急であれば、確実な治療をせねば救命できません。
獣医師一人では、できる事の限界がほんのちょっとそこまでです。
手術にしても、一人より二人、三人と人が増えればより確実、安全にできます。ですから、私は時間外救急の場合、飼い主様から症状をよ~く聞き、今の状態が
『本当の救急』か、
『ちょっと心配だから私が診よう』か、
『今でなくてもまず大丈夫』かの判断をするようにしています。
そして、夜間動物救急なるものが存在している今、そのこにとってベストな判断をしているつもりです
。
でも、TVで未だにたま~に、動物版赤ひげ先生
みたいな人が出てきますね。
くどいですが、夜間に誰も診る人がいない場合は、たかが一個人獣医師でも、獣医師でない方よりはましです。先日、夜間救急でも他の24時間救急でも断られてしまったウサギさんの診察を早朝にしましたが、何時間かは延命でき、飼い主様にはありがとうと言って頂けました
。
でも、それでも、時間外でなければ!人手がもっとあれば!もっと何とかなったのではないか!と未だに悔やまれます。そうなのです
。
私は100%の力を出せない治療をすることが途轍もなく許せないのです
。
赤ひげ先生たちはそういう感情は持たない方なのか、それよりもなによりもおそらく自分が助けなくては!という自己犠牲的な気持ちが強い方なんだろうなと私は思います。
私はその真逆で自信のない治療はせず、私より格段治療技術が高い病院、先生を紹介します。
・・・そうだな~(*´ω`)、前にも書きましたが、自分にも人にも厳しい私はそもそもいろんなことにあまり自信がない。
普通の獣医さんができる治療、手術はできる自信はあるけれど、特別の人しかできないことは出来ない。そんな中で、私が唯一自信のある事は、その子と飼い主様に対する気持ち
と決して諦めない気持ち
。
最新の高度医療で、どうすることもできない所からが本領発揮です。
たまに私の方が飼い主さまより気持ちが先に行ってしまって、空回りしてしまったり悲しい思いをすることもあるのですけれど・・・。2015.02.20
-
メルモの三回忌法要
2015年1月18日。
メルモの三回忌法要 を終えました。メルモが亡くなり、初七日、ニ七、三七、四・・・、四十九日、百か日、月命日と少しでもあちらでメルモが気持ちよく過ごせるようにしてきた供養。
それもこれで一区切りつけ、後は命日だけの供養にしようと思っています。
メルモがいなくなったら生きていけないと思っていましたが、生きてしまっている私・・・。
こっちでの修業を終えたら真っ先にメルモに会いたいな2015.01.18
-
メルモの三回忌法要
2015年1月18日。
メルモの三回忌法要 を終えました。メルモが亡くなり、初七日、ニ七、三七、四・・・、四十九日、百か日、月命日と少しでもあちらでメルモが気持ちよく過ごせるようにしてきた供養。
それもこれで一区切りつけ、後は命日だけの供養にしようと思っています。
メルモがいなくなったら生きていけないと思っていましたが、生きてしまっている私・・・。
こっちでの修業を終えたら真っ先にメルモに会いたいな2015.01.18
-
増築、そして今思う事。
病院の増築工事
が始まりました。
2002年に開院してから今年で12年。
今回で5度目の増築、ついに最終形(の予定)です。当初、金銭的問題から(設計料までお金が回らない)設計の知識も何もない私が、設計の勉強も全くせず設計した病院ですが『何とかなるさ』的な感じで、あーしたいな
、こーしたいな
、をひとつずつ作り上げてきました。
こうしようという最終目標は全く持っていなかったわりにはいい感じにまとまるのではないか(できてみないとわからないけれど)と自負しております。また私事ではございますが、四十路過ぎに授かった娘
がこの11月に3歳になります。
それまでの40年、自分だけの為に好き放題生きてきた(旦那は当然ずーっとそっちのけです)私にとって、子育ては試練以外の何ものでもなく、この3年でこんなにも人間考え方が変わるのかと自分でも驚くほどの変化を遂げました。
と同時に、それまでの行動、言動を後悔することも多く、
『あのとき、どうしてあんなひどいことを言ってしまったのだろう』や
『相手の気持ちをくんであげればよかった』など、
それまでの人生、どれほど人に対する思いやりや自身の心の余裕がなかったのかを悔やむことが多々あります。自分に厳しく、人にも厳しかった私が、子育てを通じて、世の中には道理に合わないことや、流れに流されていい場合もあることなど『だって仕方ないでしょ
』ということがたくさんあり、それも認めて人と関わっていくんだという事を学ばせてもらいました。(もらっていますと現在進行形ですね
)
獣医師になり、臨床の仕事を選び20年、よく言う『がむしゃらに
』とか『突っ走ってきた
』とかではなく、ただひたすら好きな事を日々してきた20年ですが、この3年でその感覚がなんとなく変化し(『自分が好きな事をしている』と言う感覚から『好きな事をさせてもらっている』という感覚に変化)、日々の何気ない診察も全く変わって(患者さんから見れば全く変わってないかもしれませんが)来ている今日この頃です。
日々出来上がってくる建物
を前に、あと何年この好きな仕事を続けていけるかわかりませんが(あと20年はしていきたい願望はあるのですが・・・
)、これからも今まで通り、動物さんのため、飼い主様のため、ほんの少しでもお役に立てるように、日々勉強、努力をしていきたいと今更ながら決意を固めています。
まだしばらくの間、工事でご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします
。
2014.10.27
-
秋季健診始まりました。(9~1月中旬)
秋季わん・ねこちゃん血液検査のお知らせ
秋季キャンペーンのお知らせです。(9~1月中旬)
わんちゃん、ねこさんは1年で4歳年を取ります。春季健診では正常でも
この半年で異常が出たり、春季で異常があった場合は、正常に戻って
いるかの確認が必要です。
また秋季健診では、春季の項目よりさらに多い項目がオプションで検査
できます。
さあ採血で病気の早期発見、早期治療を行いましょう。
(血液検査以外の健診【ペットドッグ】も行っております。
合わせてご検討ください)
2014.10.06
-
秋季健診始まりました。
秋季わん・ねこちゃん血液検査のお知らせ
秋季キャンペーンのお知らせです。(9~1月中旬)
わんちゃん、ねこさんは1年で4歳年を取ります。春季健診では正常でも
この半年で異常が出たり、春季で異常があった場合は、正常に戻って
いるかの確認が必要です。
また秋季健診では、春季の項目よりさらに多い項目がオプションで検査
できます。
さあ採血で病気の早期発見、早期治療を行いましょう。
(血液検査以外の健診【ペットドッグ】も行っております。
合わせてご検討ください)
2014.10.06