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フィラリア健診始まりました。
『フィラリア健診』の勧め
当院では、フィラリア投薬の前の「フィラリア寄生確認検査」(投薬の前に必ず必要)の際に、【春のフィラリア健診】として、全体的な血液検査をお勧めしています。(¥6,800~)(税抜き)
毎年「フィラリア寄生確認検査」をする約50%のワンちゃんが【フィラリア健診】を行って
いますが、全く異常値の認められないワンちゃんは全体の2割ぐらい。また、5、6頭のワンちゃんで、重大な疾患の早期発見ができています。
この機会にぜひ、若いワンちゃんも、シニア世代は特に、
血液検査を受けてみてください。http://www.maria-ah.com/prevention/
http://www.maria-ah.com/blog/cat82470/
2014.03.14
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免疫ミルク『ペットアイジージー』
免疫ミルク『ペットアイジージー』新発売のご案内
『母乳にどんな働きがあるか、皆さんはご存知ですか?』
お母さんのおなかから無防備のまま生まれた赤ちゃん。
赤ちゃんは生まれてから半年程(人間)は感染症にかかりにくいと言われています。
それは出産直後の母乳(初乳)には、栄養成分のほかにIgAやIgGなどの抗体成分やラクトフェリンやリゾチームなどの生理活性物質が含まれていて、赤ちゃんを病原菌から守ることができるようになっているのです。人用『免疫ミルク』は、そんな母乳の働きに着目したアメリカのスターリ研究所が長年にわたり研究を進め、乳のみにより、母牛の免疫力を伝達するという特質を活かし、牛乳をもとに、できる限り母乳を再現させたミルクとして、開発されました。
免疫ミルクには、カルシウム、タンパク質などのほかラクトフェリンやIgG抗体が含有されています。
免疫ミルクの効果は、このラクトフェリンの持っている免疫機能を高めることで知られていますが、IgG抗体は細菌侵入を防止する力を持っています。
身体を細菌から守ってくれるものは、皮膚や粘膜、マクロファージやリンパ細胞などです。特に食物と一緒に入ってくる細菌が腸壁から侵入しないようにするため、腸壁免疫力を高めることが重要だといわれています。
IgG抗体は、体内に侵入する悪玉菌と結合し、体外に排出してくれる効果を持っているため、腸内環境が改善され、便秘が解消されるといった効果もあります。
最近、高齢者の生体防御機能を高め、慢性関節リウマチの症状改善に効果があるといわれています。
アレルギーも免疫力の異常により引き起こされるものです。
アレルギー抗原が体内に侵入すると、タンパク質と結合します。それを異物と間違って判断してしまい、アレルギー抗原に対する抗体(IgE)を過剰に生産し、防衛する際に起こる反応がアレルギー反応です。免疫ミルクの成分には免疫力を調整する作用もあるので、過剰化した免疫を正常化し、アレルギー症状を緩和します。さらにコレステロール値を下げたり(悪玉コレステロールのみ低下)、血圧を正常化する効果も報告されています。免疫ミルクに含有される抗体は26種類で、大腸菌や食中毒や敗血症を引き起こすブドウ球菌、サルモネラ菌などのほかに膀胱炎や肺炎、腎盂炎を起こす菌などが抗原として接種され、免疫ミルクのなかで抗体となって効果を発揮します。
そして、このたび、動物専用の免疫ミルクが開発されました。
(獣医師 宮野のり子先生、橋本雄一郎先生監修)
人同様、皮膚病、下痢や便秘(消化機能)、仔犬の発育改善、老齢性疾患一般、関節の改善などに効果が認められています。(例:食欲が増えた、元気になった、発育・成長が良い、毛艶が良い、便通が改善、便秘が改善、便の匂いが減った、口腔内の匂いが減った、かゆみが改善など)また、何よりも嗜好性抜群。食べ終わってもお皿をぺろぺろするぐらい、喜びます。
ぜひ、一度お試しください。(乳製品に対するアレルギーを持っている動物さんには使えません)2014.03.03
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オゾン治療(療法)について
オゾンとは・・・・
自然界のオゾンは高度10 – 50km付近とされるオゾン層で生成され、私たちを取り巻く空気にも微量ながら含まれています。オゾンは、酸素分子にもう一個余分の酸素原子が付いた不安定な構造をしていて、自然に分解して酸素に戻る(O3→O2+O)際に放出される酸素原子がとても強い酸化力を持っており、大気を自浄する働き(消臭・除菌)や有害な紫外線を吸収する働きがあります。
オゾンには独特のにおいがあり、高原や日差しの強い海岸、森林などの空気に多く含まれていますが、過度に多いと有害でもあります。オゾンは大気を浄化した後時間と共に酸素にもどるため、極めて安全な物質です。オゾン治療とは・・・・
オゾン療法とは医療用のオゾンガスを用い、オゾンそのものの殺菌作用やオゾンと生体物質との反応生成物(オゾン誘導化学種)による作用を利用し、適度な酸化ストレス(※1)で生体内の抗酸化物質の量を増やし、体内の酸素化や免疫機能の向上、細胞の活性化などを期待する治療法です。主な効果に下記の作用があります。
なお、オゾンは空気より多少重い気体です。この性質を知っていれば、オゾンの過度の吸入を防ぐことができます。
(重篤な副作用は起こりません)(禁忌:甲状腺機能亢進症 G6PD欠損症)①血流改善、酸素供給量増加
②鎮痛消炎作用
③創傷治癒促進
④免疫細胞活性化作用
⑤抗がん作用 など※1動物たち(人も)が抱える90%以上の病気は活性酸素(=酸化ストレス)によって引き起こされます(体内に取り込まれた酸素の2%がエネルギー発生の際に活性化して活性酸素になるといわれています)。
さらに活性酸素は、化学薬品、食品添加物、紫外線、喫煙、ストレス、怒りなどの感情、乱れた食生活などでも発生するので、現代社会では体は日々活性酸素にさらされています。
しかしこの活性酸素、元々は体に必要で外部から入り込んできた異物(微生物)を退治したり、細胞内での情報伝達や代謝の調節、免疫など、さまざまな重要な働きがあります。
増加し過ぎ、体内の脂質と結びつき過酸化脂質(=酸化ストレス↑)となると体に悪影響を与えるため、この酸化ストレスと抗酸化作用のバランスが健康を守る鍵となります。
オゾン治療の効果オゾン療法は、(前述のように)様々な場合に効果がありますが、当院では腫瘍、腎不全、肝疾患などの難治性疾患、皮膚病、創傷、炎症、椎間板ヘルニア、加齢などによる体力・運動機能の改善・維持、QOLの改善、病中・術中・術後の疼痛緩和、アンチエイジング等で効果が出ています。
オゾン治療の方法
オゾン療法には、さまざまな投与方法があります。
当院で行う治療は主に次の7つです。① 注 腸 法(肛門から直腸の中に注入)
② 自家(多家)血療法
(採血した血液とオゾンガスを混和し、再び体内へ戻す)
A.大量自家血療法 B.少量自家血療法 C.大量他家血療法
③ 皮下注射法(少量ずつ皮下に局所注射で注入)
④ 腹腔内投与法(腹腔に針を刺して注入)
⑤ オゾン化オイルの使用(直接塗布する)
⑥ オゾン水の使用(洗浄する)1.注腸法
直腸の中にオゾンガスを注入します(所要時間2~3分)。慢性疾患、腫瘍の補助療法や神経系疾患等で行います。外来診察で処置可能です。2.自家(他家)血療法
採血した血液を自分の血管内にもどす方法(A)、採血し皮下注射する方法(B)、輸血の際の療法(C)があります。採血や血管確保が必要となるので手間はかかりますが、一番有効です。
とくに(A)は腫瘍の治療やすべての疾患の当初の療法として効果的です。(B)は非特異的免疫刺激療法と言って、アレルギーや免疫の活性化が期待できます。(B)は外来診察で処置可能です。3.皮下注射法
少量ずつ、皮下注射をします。疼痛の管理、関節や筋肉の疾患、椎間板ヘルニアなどで効果的です。外来診察で処置可能です。4.腹腔内投与法
お腹に細い針を刺して、ガスを腹腔内に注入します(所要時間5分)。注腸法と同様の効果があります。外来診察で処置可能です。5.オゾン化オイルの使用
潰瘍や外傷、皮膚に直接塗ります。創傷の治癒促進、抗炎症作用、酸素供給の改善等の効果があります。6.オゾン水の使用
皮膚、粘膜、創傷、口腔などを直接洗浄します。創傷の治癒促進、抗炎症作用、酸素供給の改善等の効果があります。
高濃度:皮膚の殺菌、難治性外耳炎・中耳炎の処置などに使用
低濃度:皮膚の除菌などに使用2014.02.10
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オゾン治療(療法)について
オゾンとは・・・・
自然界のオゾンは高度10 – 50km付近とされるオゾン層で生成され、私たちを取り巻く空気にも微量ながら含まれています。オゾンは、酸素分子にもう一個余分の酸素原子が付いた不安定な構造をしていて、自然に分解して酸素に戻る(O3→O2+O)際に放出される酸素原子がとても強い酸化力を持っており、大気を自浄する働き(消臭・除菌)や有害な紫外線を吸収する働きがあります。
オゾンには独特のにおいがあり、高原や日差しの強い海岸、森林などの空気に多く含まれていますが、過度に多いと有害でもあります。オゾンは大気を浄化した後時間と共に酸素にもどるため、極めて安全な物質です。オゾン治療とは・・・・
オゾン療法とは医療用のオゾンガスを用い、オゾンそのものの殺菌作用やオゾンと生体物質との反応生成物(オゾン誘導化学種)による作用を利用し、適度な酸化ストレス(※1)で生体内の抗酸化物質の量を増やし、体内の酸素化や免疫機能の向上、細胞の活性化などを期待する治療法です。主な効果に下記の作用があります。
なお、オゾンは空気より多少重い気体です。この性質を知っていれば、オゾンの過度の吸入を防ぐことができます。
(重篤な副作用は起こりません)(禁忌:甲状腺機能亢進症 G6PD欠損症)①血流改善、酸素供給量増加
②鎮痛消炎作用
③創傷治癒促進
④免疫細胞活性化作用
⑤抗がん作用 など※1動物たち(人も)が抱える90%以上の病気は活性酸素(=酸化ストレス)によって引き起こされます(体内に取り込まれた酸素の2%がエネルギー発生の際に活性化して活性酸素になるといわれています)。
さらに活性酸素は、化学薬品、食品添加物、紫外線、喫煙、ストレス、怒りなどの感情、乱れた食生活などでも発生するので、現代社会では体は日々活性酸素にさらされています。
しかしこの活性酸素、元々は体に必要で外部から入り込んできた異物(微生物)を退治したり、細胞内での情報伝達や代謝の調節、免疫など、さまざまな重要な働きがあります。
増加し過ぎ、体内の脂質と結びつき過酸化脂質(=酸化ストレス↑)となると体に悪影響を与えるため、この酸化ストレスと抗酸化作用のバランスが健康を守る鍵となります。オゾン治療の効果
オゾン療法は、(前述のように)様々な場合に効果がありますが、当院では腫瘍、腎不全、肝疾患などの難治性疾患、皮膚病、創傷、炎症、椎間板ヘルニア、加齢などによる体力・運動機能の改善・維持、QOLの改善、病中・術中・術後の疼痛緩和、アンチエイジング等で効果が出ています。
オゾン治療の方法
オゾン療法には、さまざまな投与方法があります。
当院で行う治療は主に次の7つです。① 注 腸 法(肛門から直腸の中に注入)
② 自家(多家)血療法
(採血した血液とオゾンガスを混和し、再び体内へ戻す)
A.大量自家血療法 B.少量自家血療法 C.大量他家血療法
③ 皮下注射法(少量ずつ皮下に局所注射で注入)
④ 腹腔内投与法(腹腔に針を刺して注入)
⑤ オゾン化オイルの使用(直接塗布する)
⑥ オゾン水の使用(洗浄する)1.注腸法
直腸の中にオゾンガスを注入します(所要時間2~3分)。慢性疾患、腫瘍の補助療法や神経系疾患等で行います。外来診察で処置可能です。2.自家(他家)血療法
採血した血液を自分の血管内にもどす方法(A)、採血し皮下注射する方法(B)、輸血の際の療法(C)があります。採血や血管確保が必要となるので手間はかかりますが、一番有効です。
とくに(A)は腫瘍の治療やすべての疾患の当初の療法として効果的です。(B)は非特異的免疫刺激療法と言って、アレルギーや免疫の活性化が期待できます。(B)は外来診察で処置可能です。3.皮下注射法
少量ずつ、皮下注射をします。疼痛の管理、関節や筋肉の疾患、椎間板ヘルニアなどで効果的です。外来診察で処置可能です。4.腹腔内投与法
お腹に細い針を刺して、ガスを腹腔内に注入します(所要時間5分)。注腸法と同様の効果があります。外来診察で処置可能です。5.オゾン化オイルの使用
潰瘍や外傷、皮膚に直接塗ります。創傷の治癒促進、抗炎症作用、酸素供給の改善等の効果があります。6.オゾン水の使用
皮膚、粘膜、創傷、口腔などを直接洗浄します。創傷の治癒促進、抗炎症作用、酸素供給の改善等の効果があります。
高濃度:皮膚の殺菌、難治性外耳炎・中耳炎の処置などに使用
低濃度:皮膚の除菌などに使用2014.02.10
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『癌(病気)と闘おうシリーズ2 リンパ球(免疫細胞療法)』 No.35 2014.1
前回のDr理恵(癌と闘おうシリーズ1・乳酸菌)の重複となりますので、しっかり理解された方はくどいな~と思われるかもしれませんが、しばし我慢してください”(-“”-)”。
また、今回のお話はそのリンパ球をどのような治療に使っていくかのお話なので、理解していただけると嬉しいです。前回、ガンの始まりは正常細胞の変異で、体の中の異常細胞処理システムが正常に働いてくれれば異常細胞を見つけて排除してくれ、癌を抑えることができるという話をしました。そしてそのシステムで重要な役割をするのが白血球で、リンパ球はその白血球の一つですという説明をしました。
リンパ球は免疫機能を持ち、自身が出す抗体(免疫グロブリン)などを使ってあらゆる異物に対して攻撃をします。同じリンパ球でも役割・機能が異なるナチュラルキラー(NK)細胞、B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)と3種類あります。ある種のT細胞はヘルパーT細胞として機能し、体液性免疫や抗体産生に携わっています。ガンと闘う「キラー細胞」には、主に「細胞傷害性Tリンパ球(CTL)」と「NK細胞」があります。キラー細胞は、普段はウイルス感染細胞や傷ついた細胞を殺し、クリーンアップする役割を担っていますが、このCTLとNKでは役割分担が異なります。
これらのリンパ球の力を利用して、ガン細胞をやっつけていこうとする治療が免疫細胞療法といい、様々な方法があり、それぞれに長所・短所があります。動物病院での免疫療法では主に活性化リンパ球(CAT)療法と樹状細胞+CAT療法が行われています。
CAT療法は動物さんから採血し、血液からリンパ球を回収し、特別な方法でリンパ球の活性化・増殖を行い、再度動物さんの体内(血液)に戻す方法で、後者はそれに加え、ガン細胞の情報を与え、ガンを特異的に攻撃させるための目印を持つ細胞とともに体内へ戻す方法です。
専用の装置・器具・技術が必要なため、どこの動物病院でもできる治療ではありません(当院は今後導入予定)し、1回治療して癌が消えるなどという魔法でもありませんので、何度か繰り返し治療が必要となります。(通常、2週ごとの治療を6回行うことを1クールとし、その後は臨機応変に決めていきます。)治療効果としては、(進行ガンの例として乳腺癌についてのデータ)QOLの向上に関しては『効いた』が4割程度、『長期不変』(進行ガンが不変ということは悪くなっていないということなので効いていると考える)を加えると7割弱に効果が認められています。
また、今現在効果が認められているガンの種類は限られていますが、今後研究が進み、もっと様々なガンに効果が発見される可能性も大ですし、今でもガンのみならず、慢性中耳炎、アトピー性皮膚炎にも効果が認められているので、ガンに限らず様々な病気に効果が期待される治療だと思っています。
そこそこの血液を採血し、それを再び血管から体内に戻すことを繰り返しする治療のため、個体によっては物理的に不可能な場合もありますし、時間的、金銭的、動物さんの精神的にも難しい問題も数多くあると思いますが、選択肢の一つとして、飼い主様、特に今現在動物さんと一緒にガンと闘っている飼い主様には理解してもらって害はない話だと思います。
人間だって、動物さんだって、いつかは亡くなってしまいます。でもその生きている間は、ガンやほかの病気で闘病中でも、できる限り元気に、おいしくご飯が食べたい(食べさせてあげたい)し、その時間が治療しないよりも、ほんの少しでも伸びてくれるといいなと思いますよね(^_-)-☆。
免疫細胞療法はそんな治療ではないかと私は思っています。自分の体において、こんなに(どんなに?)治療嫌いな私でも、この療法ならしてもいいなと感じているぐらいですから・・・(#^.^#)
前回のDr理恵(癌と闘おうシリーズ1・乳酸菌)の重複となりますので、しっかり理解された方はくどいな~と思われるかもしれませんが、しばし我慢してください”(-“”-)”。また、今回のお話はそのリンパ球をどのような治療に使っていくかのお話なので、理解していただけると嬉しいです。
前回、ガンの始まりは正常細胞の変異で、体の中の異常細胞処理システムが正常に働いてくれれば異常細胞を見つけて排除してくれ、癌を抑えることができるという話をしました。そしてそのシステムで重要な役割をするのが白血球で、リンパ球はその白血球の一つですという説明をしました。
リンパ球は免疫機能を持ち、自身が出す抗体(免疫グロブリン)などを使ってあらゆる異物に対して攻撃をします。同じリンパ球でも役割・機能が異なるナチュラルキラー(NK)細胞、B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)と3種類あります。ある種のT細胞はヘルパーT細胞として機能し、体液性免疫や抗体産生に携わっています。ガンと闘う「キラー細胞」には、主に「細胞傷害性Tリンパ球(CTL)」と「NK細胞」があります。キラー細胞は、普段はウイルス感染細胞や傷ついた細胞を殺し、クリーンアップする役割を担っていますが、このCTLとNKでは役割分担が異なります。
これらのリンパ球の力を利用して、ガン細胞をやっつけていこうとする治療が免疫細胞療法といい、様々な方法があり、それぞれに長所・短所があります。
動物病院での免疫療法では主に活性化リンパ球(CAT)療法と樹状細胞+CAT療法が行われています。
CAT療法は動物さんから採血し、血液からリンパ球を回収し、特別な方法でリンパ球の活性化・増殖を行い、再度動物さんの体内(血液)に戻す方法で、後者はそれに加え、ガン細胞の情報を与え、ガンを特異的に攻撃させるための目印を持つ細胞とともに体内へ戻す方法です。
専用の装置・器具・技術が必要なため、どこの動物病院でもできる治療ではありません(当院は今後導入予定)し、1回治療して癌が消えるなどという魔法でもありませんので、何度か繰り返し治療が必要となります。(通常、2週ごとの治療を6回行うことを1クールとし、その後は臨機応変に決めていきます。)
治療効果としては、(進行ガンの例として乳腺癌についてのデータ)QOLの向上に関しては『効いた』が4割程度、『長期不変』(進行ガンが不変ということは悪くなっていないということなので効いていると考える)を加えると7割弱に効果が認められています。
また、今現在効果が認められているガンの種類は限られていますが、今後研究が進み、もっと様々なガンに効果が発見される可能性も大ですし、今でもガンのみならず、慢性中耳炎、アトピー性皮膚炎にも効果が認められているので、ガンに限らず様々な病気に効果が期待される治療だと思っています。
そこそこの血液を採血し、それを再び血管から体内に戻すことを繰り返しする治療のため、個体によっては物理的に不可能な場合もありますし、時間的、金銭的、動物さんの精神的にも難しい問題も数多くあると思いますが、選択肢の一つとして、飼い主様、特に今現在動物さんと一緒にガンと闘っている飼い主様には理解してもらって害はない話だと思います。
人間だって、動物さんだって、いつかは亡くなってしまいます。でもその生きている間は、ガンやほかの病気で闘病中でも、できる限り元気に、おいしくご飯が食べたい(食べさせてあげたい)し、その時間が治療しないよりも、ほんの少しでも伸びてくれるといいなと思いますよね(^_-)-☆。免疫細胞療法はそんな治療ではないかと私は思っています。自分の体において、こんなに(どんなに?)治療嫌いな私でも、この療法ならしてもいいなと感じているぐらいですから・・・(#^.^#)
2014.01.21
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『癌(病気)と闘おうシリーズ2 リンパ球(免疫細胞療法)』 No.35 2014.1
前回のDr理恵(癌と闘おうシリーズ1・乳酸菌)の重複となりますので、しっかり理解された方はくどいな~と思われるかもしれませんが、しばし我慢してください”(-“”-)”。
また、今回のお話はそのリンパ球をどのような治療に使っていくかのお話なので、理解していただけると嬉しいです。前回、ガンの始まりは正常細胞の変異で、体の中の異常細胞処理システムが正常に働いてくれれば異常細胞を見つけて排除してくれ、癌を抑えることができるという話をしました。そしてそのシステムで重要な役割をするのが白血球で、リンパ球はその白血球の一つですという説明をしました。
リンパ球は免疫機能を持ち、自身が出す抗体(免疫グロブリン)などを使ってあらゆる異物に対して攻撃をします。同じリンパ球でも役割・機能が異なるナチュラルキラー(NK)細胞、B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)と3種類あります。ある種のT細胞はヘルパーT細胞として機能し、体液性免疫や抗体産生に携わっています。ガンと闘う「キラー細胞」には、主に「細胞傷害性Tリンパ球(CTL)」と「NK細胞」があります。キラー細胞は、普段はウイルス感染細胞や傷ついた細胞を殺し、クリーンアップする役割を担っていますが、このCTLとNKでは役割分担が異なります。
これらのリンパ球の力を利用して、ガン細胞をやっつけていこうとする治療が免疫細胞療法といい、様々な方法があり、それぞれに長所・短所があります。動物病院での免疫療法では主に活性化リンパ球(CAT)療法と樹状細胞+CAT療法が行われています。
CAT療法は動物さんから採血し、血液からリンパ球を回収し、特別な方法でリンパ球の活性化・増殖を行い、再度動物さんの体内(血液)に戻す方法で、後者はそれに加え、ガン細胞の情報を与え、ガンを特異的に攻撃させるための目印を持つ細胞とともに体内へ戻す方法です。
専用の装置・器具・技術が必要なため、どこの動物病院でもできる治療ではありません(当院は今後導入予定)し、1回治療して癌が消えるなどという魔法でもありませんので、何度か繰り返し治療が必要となります。(通常、2週ごとの治療を6回行うことを1クールとし、その後は臨機応変に決めていきます。)治療効果としては、(進行ガンの例として乳腺癌についてのデータ)QOLの向上に関しては『効いた』が4割程度、『長期不変』(進行ガンが不変ということは悪くなっていないということなので効いていると考える)を加えると7割弱に効果が認められています。
また、今現在効果が認められているガンの種類は限られていますが、今後研究が進み、もっと様々なガンに効果が発見される可能性も大ですし、今でもガンのみならず、慢性中耳炎、アトピー性皮膚炎にも効果が認められているので、ガンに限らず様々な病気に効果が期待される治療だと思っています。
そこそこの血液を採血し、それを再び血管から体内に戻すことを繰り返しする治療のため、個体によっては物理的に不可能な場合もありますし、時間的、金銭的、動物さんの精神的にも難しい問題も数多くあると思いますが、選択肢の一つとして、飼い主様、特に今現在動物さんと一緒にガンと闘っている飼い主様には理解してもらって害はない話だと思います。
人間だって、動物さんだって、いつかは亡くなってしまいます。でもその生きている間は、ガンやほかの病気で闘病中でも、できる限り元気に、おいしくご飯が食べたい(食べさせてあげたい)し、その時間が治療しないよりも、ほんの少しでも伸びてくれるといいなと思いますよね(^_-)-☆。
免疫細胞療法はそんな治療ではないかと私は思っています。自分の体において、こんなに(どんなに?)治療嫌いな私でも、この療法ならしてもいいなと感じているぐらいですから・・・(#^.^#)
前回のDr理恵(癌と闘おうシリーズ1・乳酸菌)の重複となりますので、しっかり理解された方はくどいな~と思われるかもしれませんが、しばし我慢してください”(-“”-)”。また、今回のお話はそのリンパ球をどのような治療に使っていくかのお話なので、理解していただけると嬉しいです。
前回、ガンの始まりは正常細胞の変異で、体の中の異常細胞処理システムが正常に働いてくれれば異常細胞を見つけて排除してくれ、癌を抑えることができるという話をしました。そしてそのシステムで重要な役割をするのが白血球で、リンパ球はその白血球の一つですという説明をしました。
リンパ球は免疫機能を持ち、自身が出す抗体(免疫グロブリン)などを使ってあらゆる異物に対して攻撃をします。同じリンパ球でも役割・機能が異なるナチュラルキラー(NK)細胞、B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)と3種類あります。ある種のT細胞はヘルパーT細胞として機能し、体液性免疫や抗体産生に携わっています。ガンと闘う「キラー細胞」には、主に「細胞傷害性Tリンパ球(CTL)」と「NK細胞」があります。キラー細胞は、普段はウイルス感染細胞や傷ついた細胞を殺し、クリーンアップする役割を担っていますが、このCTLとNKでは役割分担が異なります。
これらのリンパ球の力を利用して、ガン細胞をやっつけていこうとする治療が免疫細胞療法といい、様々な方法があり、それぞれに長所・短所があります。
動物病院での免疫療法では主に活性化リンパ球(CAT)療法と樹状細胞+CAT療法が行われています。
CAT療法は動物さんから採血し、血液からリンパ球を回収し、特別な方法でリンパ球の活性化・増殖を行い、再度動物さんの体内(血液)に戻す方法で、後者はそれに加え、ガン細胞の情報を与え、ガンを特異的に攻撃させるための目印を持つ細胞とともに体内へ戻す方法です。
専用の装置・器具・技術が必要なため、どこの動物病院でもできる治療ではありません(当院は今後導入予定)し、1回治療して癌が消えるなどという魔法でもありませんので、何度か繰り返し治療が必要となります。(通常、2週ごとの治療を6回行うことを1クールとし、その後は臨機応変に決めていきます。)
治療効果としては、(進行ガンの例として乳腺癌についてのデータ)QOLの向上に関しては『効いた』が4割程度、『長期不変』(進行ガンが不変ということは悪くなっていないということなので効いていると考える)を加えると7割弱に効果が認められています。
また、今現在効果が認められているガンの種類は限られていますが、今後研究が進み、もっと様々なガンに効果が発見される可能性も大ですし、今でもガンのみならず、慢性中耳炎、アトピー性皮膚炎にも効果が認められているので、ガンに限らず様々な病気に効果が期待される治療だと思っています。
そこそこの血液を採血し、それを再び血管から体内に戻すことを繰り返しする治療のため、個体によっては物理的に不可能な場合もありますし、時間的、金銭的、動物さんの精神的にも難しい問題も数多くあると思いますが、選択肢の一つとして、飼い主様、特に今現在動物さんと一緒にガンと闘っている飼い主様には理解してもらって害はない話だと思います。
人間だって、動物さんだって、いつかは亡くなってしまいます。でもその生きている間は、ガンやほかの病気で闘病中でも、できる限り元気に、おいしくご飯が食べたい(食べさせてあげたい)し、その時間が治療しないよりも、ほんの少しでも伸びてくれるといいなと思いますよね(^_-)-☆。免疫細胞療法はそんな治療ではないかと私は思っています。自分の体において、こんなに(どんなに?)治療嫌いな私でも、この療法ならしてもいいなと感じているぐらいですから・・・(#^.^#)
2014.01.21
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オーソモレキュラー療法:がん
オーソモレキュラー療法とは・・・。
栄養素=適切な食事やサプリメントなど(点滴含む)を用いて、身体を構成する細胞の働きを向上させて、様々な病気を治す治療法。足りない栄養を補うだけでなく、栄養を治療に使います。
薬は対処療法、栄養は根治治療です。オーソモレキュラー療法のがん治療へのアプローチ
オーソモレキュラー療法のがん治療では、良質なタンパク質などの栄養素を充分量投与し、適切な栄養評価と高濃度ビタミンC点滴等を併せて行います。
がんは慢性炎症性疾患で、イコールタンパク質消耗性疾患です。
がんは食事中のタンパクをとるのではなく、体内のタンパク質(体の筋肉を分解して血中にタンパク質を供給します)をとるのです。よって炎症が強いほど(=がんが悪いほど)体内のタンパク質を消耗します。タンパク質の約67%を占めるアルブミンは肝細胞で作られ血液中に存在し、体液濃度の調節などを行っています。そして赤血球の中のヘモグロビンの材料となる栄養素ですので、タンパクが低下すると、アルブミンも低下し、結果貧血を引き起こし、体が低酸素状態になります。低酸素状態では新生血管が増え、がんの増殖を手伝ってしまいます。
よって、がん治療のオーソモレキュラーとしては、アルブミン値を低下させないことが基本です。そのためには、食事から十分な動物性たんぱく質をとる(腸管からの吸収が悪いと意味がないため、乳酸菌※が重要)ことが重要です。しかし食事から摂取するたんぱく質だけでは追いつかないため、タンパク質を低分子化した製剤:プロテイン、アミノ酸製剤、グルタミン、BCAA※1等を補充します。
また、カロリーの不足があると、せっかく摂取したたんぱく質がカロリー源として使用されてしまうため、経口でしっかりとカロリーを取ることも重要です。そのために、なるべく高脂肪の食事が必要です。
ほか、がんは正常細胞の6倍以上の糖をエネルギーにします。そのため、糖はなるべく控えます。まとめると、がんと闘う基本食事は、高タンパク、高脂肪、低糖質。サプリメントとしてはタンパク質の補充として、プロテイン・アミノ酸・BCAA※1等、貧血改善のためのヘム鉄・亜鉛・銅等、その他、乳酸菌、核酸、ω3等の脂肪酸や抗酸化物質としてのセレニウム※2、ビタミンD等を含んだ総合ビタミン剤、免疫賦活剤などをしっかりと摂取します。
※1 BCAA=分岐鎖アミノ酸:筋肉で代謝されるアミノ酸です。アミノ酸には、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)と芳香族アミノ酸(チロシン、フェニルアラニン)があります。肝疾患になると肝臓で代謝される芳香族アミノ酸(AAA)が代謝されずに血中濃度が高くなります。逆に肝臓でほとんど代謝を受けない分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、アンモニア代謝などに利用されるため、血中濃度が低下します。このBCAA/AAAの比率が低下することで、肝臓の蛋白合成能が低下したり、肝性脳症が誘発されたりします。また、血清BCAA濃度上昇により、脳血管関門を通過する芳香族アミノ酸の量が競合的に減少し、肝性脳症の防止にもなります。また、BCAAの1つであるロイシンには肝臓でのタンパク合成を促進する効果もあります。
※2 セレニウム:強力な抗酸化作用があり、がんの発生や転移を抑えると考えられています。人では肺がん、大腸がんと前立腺がんには、特に有効との報告があります。
チェルノブイリでは、甲状腺の異常予防のためにセレンが使用され、効果を発揮したとされています。また、活性酸素を除去します。ビタミンEは、活性酸素が出来る前段階で、それを抑制しますが、セレニウムの場合は、既に出来てしまった余分な活性酸素を直接分解します。その為に、ビタミンEや亜鉛などと同時に摂取すると、抑制と分解が同時に行われるので、より効果的です。さらにデトックス(解毒)効果もあり、水俣病の原因となった有害物質の水銀を、無毒で安定した化合物に変化させるなど、有害ミネラルなどに対して、デトックス(解毒)の効果があります。2013.10.29
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オーソモレキュラー療法:がん
オーソモレキュラー療法とは・・・。
栄養素=適切な食事やサプリメントなど(点滴含む)を用いて、身体を構成する細胞の働きを向上させて、様々な病気を治す治療法。足りない栄養を補うだけでなく、栄養を治療に使います。
薬は対処療法、栄養は根治治療です。オーソモレキュラー療法のがん治療へのアプローチ
オーソモレキュラー療法のがん治療では、良質なタンパク質などの栄養素を充分量投与し、適切な栄養評価と高濃度ビタミンC点滴等を併せて行います。
がんは慢性炎症性疾患で、イコールタンパク質消耗性疾患です。
がんは食事中のタンパクをとるのではなく、体内のタンパク質(体の筋肉を分解して血中にタンパク質を供給します)をとるのです。よって炎症が強いほど(=がんが悪いほど)体内のタンパク質を消耗します。タンパク質の約67%を占めるアルブミンは肝細胞で作られ血液中に存在し、体液濃度の調節などを行っています。そして赤血球の中のヘモグロビンの材料となる栄養素ですので、タンパクが低下すると、アルブミンも低下し、結果貧血を引き起こし、体が低酸素状態になります。低酸素状態では新生血管が増え、がんの増殖を手伝ってしまいます。
よって、がん治療のオーソモレキュラーとしては、アルブミン値を低下させないことが基本です。そのためには、食事から十分な動物性たんぱく質をとる(腸管からの吸収が悪いと意味がないため、乳酸菌※が重要)ことが重要です。しかし食事から摂取するたんぱく質だけでは追いつかないため、タンパク質を低分子化した製剤:プロテイン、アミノ酸製剤、グルタミン、BCAA※1等を補充します。
また、カロリーの不足があると、せっかく摂取したたんぱく質がカロリー源として使用されてしまうため、経口でしっかりとカロリーを取ることも重要です。そのために、なるべく高脂肪の食事が必要です。
ほか、がんは正常細胞の6倍以上の糖をエネルギーにします。そのため、糖はなるべく控えます。まとめると、がんと闘う基本食事は、高タンパク、高脂肪、低糖質。サプリメントとしてはタンパク質の補充として、プロテイン・アミノ酸・BCAA※1等、貧血改善のためのヘム鉄・亜鉛・銅等、その他、乳酸菌、核酸、ω3等の脂肪酸や抗酸化物質としてのセレニウム※2、ビタミンD等を含んだ総合ビタミン剤、免疫賦活剤などをしっかりと摂取します。
※1 BCAA=分岐鎖アミノ酸:筋肉で代謝されるアミノ酸です。アミノ酸には、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)と芳香族アミノ酸(チロシン、フェニルアラニン)があります。肝疾患になると肝臓で代謝される芳香族アミノ酸(AAA)が代謝されずに血中濃度が高くなります。逆に肝臓でほとんど代謝を受けない分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、アンモニア代謝などに利用されるため、血中濃度が低下します。このBCAA/AAAの比率が低下することで、肝臓の蛋白合成能が低下したり、肝性脳症が誘発されたりします。また、血清BCAA濃度上昇により、脳血管関門を通過する芳香族アミノ酸の量が競合的に減少し、肝性脳症の防止にもなります。また、BCAAの1つであるロイシンには肝臓でのタンパク合成を促進する効果もあります。
※2 セレニウム:強力な抗酸化作用があり、がんの発生や転移を抑えると考えられています。人では肺がん、大腸がんと前立腺がんには、特に有効との報告があります。
チェルノブイリでは、甲状腺の異常予防のためにセレンが使用され、効果を発揮したとされています。また、活性酸素を除去します。ビタミンEは、活性酸素が出来る前段階で、それを抑制しますが、セレニウムの場合は、既に出来てしまった余分な活性酸素を直接分解します。その為に、ビタミンEや亜鉛などと同時に摂取すると、抑制と分解が同時に行われるので、より効果的です。さらにデトックス(解毒)効果もあり、水俣病の原因となった有害物質の水銀を、無毒で安定した化合物に変化させるなど、有害ミネラルなどに対して、デトックス(解毒)の効果があります。2013.10.29
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『癌とは?』
『癌とは?』
癌とは、体内の細胞が異常を起こした時に起こる病気全体の事を言います。
癌細胞は自分自身の増殖をコントロールできず、必要が無いのに分裂増殖し、大量の組織を作ります。この組織により作られたシコリが「腫瘍」と呼ばれます。
このうち、転移を起こさず、再発もせず、命が脅かされる心配のないものを良性腫瘍といいます。逆に、①浸潤(癌細胞が周りの組織や器官に浸透して発育し、破壊していくこと)②転移(癌細胞が血管やリンパ系に入り、体の他の部位に広がり、新しい腫瘍が出来る事)③再発(腫瘍を切除した後に再び癌が発現すること)の3つがあるものを悪性腫瘍=癌といいます。
ここ20年ぐらいで動物の癌が急増しています。寿命が延びたことと関係があるのでしょう。また、昔は治すことができなかった病気をコントロールすることが可能となり、寿命が延びるほど、治すことの難しい癌で命を落とす動物が増えたのだと思います。
2013.10.29
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『癌の診断』
『癌の診断』
下記、癌の診断は当然重要ですが、元気があるかないか、食欲はどうか?など一般状態の評価も非常に大切です。そのすべての総合判断で今後の治療方針を立てていきます。
Ⅰ.一般検査
【視診】腫瘍の形、大きさ、色、皮膚の状態、リンパ節の大きさなどを確認します。
【触診】腫瘍の硬さ、周囲組織との固着、リンパ節の固さなどを確認します。
【血液検査】腫瘍の発生した臓器の血液検査項目の異常を確認します。またリンパ腫、白血病など血液・リンパ系の癌では、血液検査により初めて癌の存在が明らかになることもあります。Ⅱ.画像検査
【レントゲン検査】腹腔、胸腔などの肉眼ではわからない部位の腫瘍の確認、形、大きさ、また骨の状態などを確認します。
【エコー検査】上記同様、肉眼ではわからない部位の腫瘍の確認や、周囲組織との関連性を確認します。
【高度画像診断】腫瘍の状態をより詳しく確認するためにCT検査やMRI検査などの高度画像診断が必要になる場合があります。Ⅲ.病理検査
【細胞診検査】
細い針を腫瘤に刺して細胞を採取し、どのような細胞で構成されているかを検査します。これにより、腫瘍なのか、腫瘍でないかを鑑別できることがあります。また、腫瘍であった場合、良性なのか癌なのかや、腫瘍の種類の鑑別ができることもあります。麻酔をかける必要もなく、動物への負担も少ないという利点がありますが、腫瘍の一部細胞しかとることができないため、確定診断がつかない場合もあります。【組織生検】
腫瘍組織の一部を切り取り検査をすることで、腫瘍の種類を確認することができます。細胞診検査に比べ、大きく組織が得られるため高い確率で有意な診断が得られます。ただし、取る組織が大きくなるため、全身麻酔が必要となる場合もあります。
また、手術により摘出した腫瘍は必ず病理検査に出します。そして確実に、①どんな種類の腫瘍か、②良性または悪性、③組織の切除範囲、④血管およびリンパ管への侵潤の有無などを調べます。手術後の回復具合や今後の治療方針を立てる上で欠かせない検査です。Ⅳ.リンパ節の検査
癌の転移は、血液を介していく血行性転移と、リンパを介していくリンパ行性転移に大きく分けられます。このうちリンパ行性転移では、まず原発巣の所属リンパ節に転移を起こします。体表のリンパ節については触診により、また、体内のリンパ節についてはレントゲン検査、超音波検査などにより硬さ、大きさなどを確認し、必要に応じて病理検査を行い、リンパ節への癌の浸潤の有無を確認します。癌の進行度を把握する上で重要です。2013.10.28