『人間関係・動物関係』 No.27 2011.3月
人間関係とは不思議なもので、なぜか性格も何もかも違うのに仲良くなったり、反対に理由もなくいけ好かなかったり・・・。動物同士も、親子兄弟で流血喧嘩をする子もいれば、ある日突然やってきた子と仲良くなったりします。目に見えない『何か』があるのでしょうね。
それと同様に、お店や美容院、病院などでも合う、合わないがありますね。例えば「すごく良いよ」と紹介されて行った美容院が最悪だったり、患者さんでごった返しているけど(おそらく私以外は良い病院だと思っている)二度と行きたくない病院もあります。動物病院もおそらく同様で、こちら側にいるとわからないけれど患者さんには感じる何かがあるのでしょう(>_<)。
でもそこで病気を治すという最重要課題は絶対的条件で、それが出来なかったら来院して頂く価値もありません。ただ、メルモの癌のように(Drりえのお話 No.3参照)治すことが出来ない病気もありますし、治癒するまでに時間が掛かる病気もあります。また、治す前に診断に時間を要する場合だってありますし、費用がかかる場合もあります。そんな時、信頼関係が必要になります。動物さんが小さい時からや昔から来院していただいており、私たちを信頼して下さっている方の場合は、診察・検査等もスムーズに行き、確定診断までの時間が最短になり、結果治癒までの経過が短く、治って良かったと思って下さるのですが、少しでも不信感をもたれている方の場合は、まず検査で一悶着あり、すったもんだしている期間が時間のロスとなり確定診断が遅れ、治療方針でさらに二悶着も三悶着もあり治療が遅れたり、『マリアはダメだ!』と転院されてまた始めから検査等を行うことになり、もっともっと治療が遅れ、結局あの病院がいけなかった!と、濡れ衣を着せられる事になります。
なので、『マリアと肌が合わない!』と感じられる方は、動物さんの事を一番に考えるのであれば(悲しい話ですが(>_<)・・・)転院していただいた方が良いと思います。肌が合わない云々はどうしようもないですから・・・。でもそうでなくて『ちょっと不信感(-“-)』ぐらいの場合は、その気持ちを私にぶつけてみてはいかがでしょう。それでも納得がいかなければ早めに転院されることをお勧めします。(人間の都合で、動物さんたちを巻き添えにすることは避けて下さい。)人間関係、ぶつかり合って親密になることだってあるのですからね・・・(#^.^#)。
ホテルのお預かりもしかりで、うちは病院でありホテル屋さんでないため、だれでもかれでも預かるということはしていません。と言うのも、動物さんは『モノ』ではないため、どんなに大切に丁寧に扱っても『何か』があることはあります。精神的な食欲不振、下痢などの他、突発的な出来事もあるかもしれません。そんな時、いつも診察にも来ていただいている方は、私の診察方針・診察方法、スタッフ皆の動物さんの扱い方、病院全体としての動物さんへの思いやり方、などなどをよぉ~~く♥分かって下さっているので、こちらとしては『私たちが世話を怠ったと思われてしまうのではないか』などの変な気使い?もなく『治ってね(*_*)』と心からの治療が出来ますが、そうでない方の場合は、非常に難しい事になります。・・・本当に悲しいです。入院は当然ですが、お預かりの子たちもこんなに大事にしているのに・・・(:_;)。
リアルタイムに今、東日本大震災で避難所での生活を余儀なくされている方がたくさんいらっしゃいます。その中には、動物が嫌いな方もいらっしゃるでしょうし、病気で動物と接触できない方だっていらっしゃると思います。なので、避難所の中に動物さんを入れることは難しい状態になっているはずです。
間違いなく、いつか起こるであろう東海地震の際でもその状況は変わらないはずです。
うちの病院はぶっとい柱で建ててあるため、ちょっとやそっとの揺れでは倒れる心配はありませんが、何があるかわかりません。なので、いつかくるその際には、私は避難所には行かずに預かりの動物さんたちと一緒にいる覚悟でいます。守れるものなら身を挺してでも守ります。でもどうしようもない場合、死ぬ時は一緒です。それほどの覚悟を持って、大事な動物さんたちをお預かりしています。ただ、私も神ではないため、信頼して下さる方には命をささげれますが、そうでない方にはできません。そんな理由で、信頼関係がない方のホテルのお預かりは勘弁願いたいです。
人間関係から始まり話はかなりそれましたが、人間関係の始まりと言えば学校の先生ですよね。なんとなく合わない先生、合う先生っていますよね。私はまめなタイプではないため、ずっと連絡を取り合っている恩師はおりませんが、忘れられない先生はいます。高校時代、数学が大好きだった私はどこからともなく難しい問題を集めてきては説き、その説き方に問題はないかと先生に見てもらっていました。担任でもなんでもなかったのに、先生は毎日丁寧に教えて下さいました。その先生がなんと!!、病院に来て下さったのです(^O^)。ワンちゃんを飼われて患者さんとして。何十年(?)ぶりでしたが全く先生は変わられておらず、ワンちゃんはとても可愛らしく、私は本当にうれしかったです。この仕事をしていて、嬉しいことは日々たくさんありますが、違った意味で嬉しい出来事でした。
『マリアが良い♥』と思って来院して下さる方々に決して、決して恥じることのないように、日々勉強をしていこうと心に決めた開院記念日(3月20日)でした(*^_^*)(*^。^*)。