これも動物虐待ですよね
久々の更新になります。
先日、はらわたが煮えくり返る出来事がありました。
少し長い文になりますが、読んでいただいて、いろんな方のご意見を伺えたらと思います。
私をここまで怒らせた主人公は、高層マンションの屋上に住まいを設け、愛車はベンツの小型MIX犬の飼い主様(ご夫婦のメインは奥様)。
そもそもそのワンちゃんは、元は娘さんがアメリカで飼っていて、忙しいだか何だか知りませんが日本に置いてけぼりにされてしまい、しかたなく(だと思われるが・・・?)今回の主人公のご夫婦が飼われることになったようです。
皮膚疾患を患っていて治療が必要な子だったため、アレルギーの話から検査の話、病気の説明をクドクドとしたのですが、理解力が全くなく(なのか、聞く耳持たずなのか・・・?)、またペット保険に加入していたのにもかかわらず治療代はことごとくけちる!。
さらに、ご家庭でのメンテナンス(シャンプー、投薬、サプリメント、食事等)の説明をしても(私たちの生活から考えると、そのどれも大変な事では全くなく、普通の飼い主様なら何の問題もなくできるようなこと。というか、普通の飼い主様ならワンちゃんのためにもっと、もっといろんなことをするレベルの話です。)その奥さんは
『日々ワンちゃんの為に、普通そんないろんなことできないじゃな~い。病院へ連れていくのだって大変だしね~!(お仕事をされている様子もなく忙しい理由は私にはわからないし、当院とご自宅は歩いて5分程度の距離・・・。)』
と自分が言っていることがとてつもなく非常識な事であると全くわかっていないご様子。
ah~、物事の考え方の次元が違うってことはこういうことなんだな~と、妙に諦めてしまう私でした。
そこでほっとけばよいのですが、なんせそのワンちゃんは『君は人間かい?』と思うほど、言葉もわかるしとってもお利口さん(^_-)-☆。・・・私はほっておけませんでした。
そこで私が提案したのは
『週1回、ご自宅までお迎えに上がりますのでシャンプーをさせてください、当然送迎代はいただかないし、シャンプー料金もそこそこでします。』
ということ。週1回会せてもらえれば、ワンちゃんの様子も分かるし、どうしても必要ならお薬だって処方できる。
その方はその申し出を受け入れてくださり、治療が始まりました。
もともと、検査等をさせてもらっていないので、何のアレルギーなのかわからない治療が始まりましたが、いわゆるアトピーとしての治療とメンテナンスで、そこそこワンちゃんにとっては苦もない生活ができるようになりました。・・・が、このあたりでまたケチり始めました。
『シャンプーも治療もお金がかかるし手もかかる。そうもお金も手間もかけてあげることができないわ~』と。・・・。
くどいようですが、ご本人、高層マンションの最上階にお住まいで愛車はベンツ。娘さんはお一人はお医者様へ嫁がれ、もうお一人(ワンちゃんの元飼主)はアメリカで薬剤師、ご長男さまはお医者様(; ・`д・´)。また、私たちスタッフが送迎をしているので、ご本人様は全く病院に出向く必要はなし。朝お迎えの際は寝ていて出てこられないこともしばしば、なんて状態で何が手がかかるだ~(; ・`д・´)
てな感じで、せっかくいい感じで進んでいた治療はストップせざるを得ませんでした。
で、年単位の月日がたち、たま~にワンちゃんの事を思い出す程度になっていましたところ、奥さんから突然の☎。
『(私が)体調を壊しているので、ワンちゃんの世話がまったくできないから、もう保健所に連れていくしかないのよね~。でも前先生がこのこなら引き取ってもいいようなことを言ってましたよね~』てな感じで、私にもらってくれと頼むわけでなく言ってのける飼い主(; ・`д・´)。
私『うちにも犬が3匹いますし、猫も5匹もいます。簡単にそうですかと引き取るわけにはいきませんが、どうしてもそちらのご親族、お知り合い等で飼うことができないのであれば飼い主様をお探しするお手伝いは出来るかと思いますが・・・。』
飼い主(奥さん)『じゃあいいです!!ガチャン』
・・・有り得ない、有り得ない、有り得ない、有り得ない・・・・。
元飼い主のアメリカの娘はどうした~(; ・`д・´)。あの帰国するたびにうちに来て『今してらっしゃる治療内容を教えてくださる~?。皮膚の状態は良くなってないようだけど、お薬の効能と種類、薬用量も教えてくださいね~』とこれ見よがしにぐちゃぐちゃ文句垂れていくあの娘だよ( `ー´)ノ
そして、私はご主人はもう少し話がわかる方だと思っていたので、ご主人の方に連絡をとってみました。実はこのご主人、うちの父のお知り合いで、奥さんと比して常識人であると認識していた私。でも、話としては同様で保健所に連れていくしかない。また、プラス事項として、
『新しく飼い主を探すといっても、皮膚の治療費とか食費とうちが持つわけにはいかないから・・・。』
ah~最悪だ~末期だ~この飼い主ら!
私『もういいです。私が治療費等、今後の事は一切合切すべて面倒見ますから連れてきてください!』。
・・・人間の言葉がわかるあの子の前で、保健所だとか、面倒見れないとか言う言葉を聞かせたくなかった・・・。
台風で暴風警報が出る中、すぐに連れてきた飼い主たち。
しかも、いつもこの子を連れてくる高そ~でかわいいゲージでなくて、安くて汚らし~いゲージに入れて・・・。
すぐさまゲージからその子を出し、飼い主たちには早急にお引き取り願った。
久しぶりにワンちゃんの姿を見た私たちスタッフは涙が止まらなくなりました・・・。
元々4㎏ぐらいあった体重が1.7㎏に・・・。
あばらと背骨に皮が張り付いてしまっています。骨皮だけの体にはあちこち掻き傷ができ、それをかくすように真新しい包帯がぐるぐると巻かれ、ミイラのようになってしまっていました。でもお目目の可愛らしさは昔のまま・・・。
『さぁ~気を取り直して、治療しよ~(^_-)-☆』
各種検査をし(異常なし(‘ω’)ノ)、シャンプーカットもし、治療方針を立てました。
あんなわけわからん飼い主がつけた名前なんて汚らわしい!名前も改名!てなことで『もんち』(通称もんちゃん!元の名前と音は一緒なので、本人は呼べば来てくれます。)
来てまだ今日で4日目ですが、体重は2㎏まで増えました。皮膚の傷も治りました。カイカイは出ているけれど、メンテナンス等で治していく自信はあります。
そして、なんと!なんと!うちのスタッフが新しい飼い主様になってくれることになりました。ah~神だわ~(#^.^#)
人それぞれ、いろんな考え方があると思いますが、人として、人間として、この方々のように恥ずかしい生き方は絶対にしたくない。
お金はなくても、人としての徳は持ち続けたい。
この仕事を介して、到底私なんぞが真似できないような、それはそれは素晴らしい徳をお持ちの方もたくさん見てきましたが、ではそのような素晴らしい方が、幸せに生きていけるのかというとそうでもなく、また、今回のようにその逆の当然罰を受け、卑下されるべき人間が、何のお咎めもなくふつ~に、幸せに生きていくことも多々あるという現実にぶち当たり、ここ数日精神&体調が不安定です。
でも、難しい事を考えてもどうにもならぬ( `ー´)ノ。私にできる事は
1.獣医師としての技量を活かし、助けられる命は全力で助けること
2.日々、すべての事において後悔しない生き方をすること
この2点かな~(*´▽`*)
以上、様々なご意見、お考えがあると思いますが、あと半分ぐらいあるもんちゃんの人生(犬生?)に幸多かれ!と、全員一致で祈っていただきたいと思います。
長い文、お目通しいただきありがとうございました。
うちに来た初日のもんちゃん(1.7㎏)
今日のもんちゃん(1.9㎏)
以前のもんちゃん(3.8㎏)