『様子が変!?かも!? 』 No.5 2007.12月
お腹が痛い!耳が痛い!体がだるい!気持ち悪い!などなど・・・。
人間も、動物さんも、生き物であればいつも元気という訳にはいかず、たまにはどこかが痛くなったり、お熱が出てしまったり、調子が悪く なることもあります。
そんな時、私たち人間(大人?)は自分の体調の悪さを自分以外の 第三者に言葉で説明する事が出来ます。又、嘘(仮病)もつけます。
でも動物さんたちは、悲しいかな言葉に出して説明する事が出来ません。
動物さんをよく観察されているお家の方は、ちょっとした体調の変化を察し、すぐに診察に来られますが、気にはなっても日々の生活で忙しく来院の時期が遅れてしまったり、来院する足がなかったり、そして一番残念な場合は、
動物さんの体調の変化に気づかず、気づいた頃には手遅れだったり・・・。
上記の 「気づいていたけど来院する時期が遅れてしまった」 場合。
当然様々な症状が出てきているのと プラスお家の方も動物さんの様子を観察を されているので、細かな問診を行い、その症状から必要と思われる検査をすれば、まず早期に原因が明らかになり、治療もスムーズに行うことができます。
次、 「気づいたときにはかなり悪化している」 場合。これが私たちには難しく、例えば、ちょっとした下痢を放置した結果の衰弱なのか?はたまた中毒や 他の疾患が隠されている下痢なのか?・・・。的を絞った検査が出来ず、
検査代が必要以上に掛かってしまう場合もあります。 (さらに、「何でここまでほっといたの?光線」が私の体の様々な所から出て、飼い主さんは非常に居心地の悪さを感じられるでしょう・・・(>_<)?)
今回お話したい事は上記、最初の例の 「動物さんの体調の悪さをいち早く感じ、すぐに来院される」 場合。例えば、(何度も例に出してますが)下痢をした などと 症状が出ていれば、当然症状が出たらすぐに来院していただくのが一番なのですが 「これといった症状(発熱、下痢、嘔吐など)も原因(ワクチン後など)もない、 食欲もある、お散歩も行く、でもなんか様子が変なのよ・・・。」と・・・。
こういう場合が一番難しい。
動物さんは人間と違って仮病はしません。けれど、演技はします。
仮病と演技の違いは?う~ん(>_<)同じですね・・・。
例えばうちの子は、私が忙しくしているとどこか元気がなく、「私は調子が悪いのよ!ほっといていいの?」という顔をします。例えば、いつもは必ず私と同じ部屋にいるのに、そのような時はわざと電気もついていない部屋に一人でいて、変な声を出して鳴いたり、 又、普段は呼ばなくても来るのに、そのときは呼んでも目だけこっち向けて無視をしたり・・・。
うちではこれを 仮病 でなくて 演技 と言っています。
また、若夫婦(とは限りませんが (^_^;) )で、赤ちゃんが産まれたりする場合、本当に 精神的ストレスから調子を壊す動物さんも多いけれど、最近は明らかに演技をしてるな~という子も多いような気がします。
話は反れましたが、その「様子が変!」の状態が、何かの病気の前触れなのか、演技なのか、飼い主さんの気のせいなのか・・・?こんなときが一番、動物さんと お話ができない事を悲しく思うのですが、病気なら治してあげたいし、何か文句があるなら 飼い主さんにお知らせしてあげたいし、飼い主さんの気のせいであれば、注射や採血などの痛い事はしたくないし・・・。
今では、体に何か炎症などが起こると上がってくる炎症マーカーを測定する事によって、ある程度検査はできるようになって来ています(ワンちゃんのC反応性タンパク CRP:当院で検査可能 や、猫さんのα1AG:外注検査機関に提出 採血が必要) ので、現代医学機器と獣医師の勘をフル活用 & 動物さんと会話をしながら & 飼い主さんの鋭い観察力 の三つ構えで、病気の早期発見をしていきたいと 思っています。
最後に。人間の生活は12月は何かと忙しく、動物さんに目が行き届かないことも ありがちです。また、お正月は私たちは知っ
てる人だけど、動物さんたちにはとっては 知らない人が家に来たり、食べた事のない物を食べてしまったり(食べさせられて?)、 精神的&肉体的なストレスが一番掛かる時期です。
何でもなければそれが一番なので、それが飼い主さんの勘違いであろうと、動物さんの演技であろうと、何であろうと、気になったのなら早めにご来院下さい。 三つ構えで戦い(?)ましょう。
また、年末年始は休診になる病院も多いため、動物さんの体調管理だけはしっかり 行ってくださいね。
そして、2007年体調を壊した子も元気だった子も、2008年は病気をせず、元気で健康な、良い年になるように心から願っています。
では、どうぞ良いお年をお迎え下さい。 Happy New Year(*^。^*)-☆