皆さん、ご自分の健康診断を受けられていますか?

 お勤めの方は、会社で年齢によって簡単な検査から細かい検査まで、オプションで検査を受けることができたり、そうでない方も市からある年齢になると簡単な検査の補助が出たりする ため、検査の機会があったり、又お若い方は全くなかったりするかもしれません。
 何を隠そう、私は全く検査を行っていません。けれど、悲しいかな((+_+)??)市から補助が出る年になってきたので、もうそろそろ検査してみようかしらと思っています。

 人間ドッグを受けられたことがある方や、受けようかなとお手元に資料がある方は、目を通しながら読んで頂くとわかりやすいのですが、だいたいミニ健診として、問診・身体計測・血圧・視力・聴力・尿検査・糞便検査・血液検査(生化学・一般)・心電図・胸部レントゲンなどの項目が入り、ここからオプションとして・・・まぁ(+o+)あるわ!あるわ!。 いろんな検査項目があります。

 どこまでの検査を、どのくらいの間隔で行っているかは、年齢や体調などによって違うと思います。

 では、おうちの動物さんはどうされていますか?(ワンちゃん、猫さんに的を絞らせていただきます。)

  「うちの子は定期的に検査をしているわ(*^。^*)」という方はどのくらいいらっしゃるでしょう。
定期的と言う所があやふやですが、人間の1年で動物さんたちはどのくらい年をとるのかというと、ほぼ4年です。(※年齢換算表参照)

 年1回検査ということは、人間では4年に1度の検査に当たります。

 うちに来ていただいている動物さんたちは、約6割の子が年1回は定期血液検査を行っており、そのうちのほぼ8割がフィラリア検査の採血のついでに行い、猫さんは秋季腎臓キャンペーンで行っています。飼い主さんたちの意識の高さに、感謝(^O^) 感激(^<^)ですが、欲を言えば8歳以上(人での50歳以上)の子たちは、年2回(人での2年に1度)は検査を受けていただきたいです。

 では、検査と一言で言っても、どんな検査をされていますか?

 先ほどの人間ドッグのような検査(色々ありすぎますが)をすべてされていますか?
 ここからが難しいところなのですが・・・・。
 動物さんたちは大事な家族です。では、できるだけの検査をするべきでしょうか?
 ここで、人間との違いが出てきます。と、いうのは、人間と違って動物さんたちはじっとしていることができません。超音波検査では長時間じっとする必要があります。
 肝臓などを見るためには、ちょっと腹部を圧迫することもあり、場合によっては痛みを感じるかもしれません。採血ひとつでも、体重比で相当量血液を取らなくては多くのオプションの検査はできません。CT検査、内視鏡検査などでは、麻酔までかけなくてないけません。
 ですので、動物さんの性格、年齢、状態を考慮し、その子にあった検査を行うと良いです。

   理想モデルとして、7,8歳以下の子は年1回の血液検査(一般検査、生化学検査)、それ以上では血液検査に内分泌検査をオプションで入れて年2回、さらに心電図など循環器もチェックできるような検査や、腹腔臓器の確認もしていけると安心です。
ちなみにうちのメルモは癌なので(Drりえのお話 No.3 うちの子が癌になりました 参照)、3カ月に1度、血液検査のみならずCT検査も行っています。あとの子たちは元気なため、若者たち(7歳以下)は1年に1回の血液検査、長老たちは3カ月に一度の血液検査を、状態によって心電図、超音波、レントゲン検査などを行っています。
  では、「こんなに元気なのに、検査なんて必要なの〜(-.-)?」とお考えの方々!。
そうですね(+_+)。実際必要かどうかなんてわかりません。私たちも健診をするときに、何かあるかどうかわからないから検査をしますよね。結果、何も悪いところがなかったら、「良かった」と思うのか、「検査代がもったいなかった」と思うのか・・・。
さらに動物さんはお話ができません。
 常々、外来診察でかなり進行してしまっている病状でも、飼い主さんは「これでも昨日までご飯を食べていたんです。」という場合があります。大好きな飼い主さんの前では頑張ってしまい、元気に見せようとしたり、猫さんは調子の悪さを隠そうとする習性もあるのです。
また、犬種、猫種別の特異性や、個体差があるため(人でもしかり)、調子が悪くなった時点で検査を行っても、はたしてその値が(明らかな異常がない場合)病状と関係する値なのか?、元々の値なのか?、はたまたいつからその値なのか?、などが全くわかりません。

 例えば、1歳の明らかに元気な頃から血液検査をしっかりと行っていて、その頃から赤血球数が少なめで、2歳、3歳とずっと少なめな場合、その子は赤血球数が少ない子だということがわかっているため、いざ調子が悪く血液検査をした場合でも、赤血球数が少ないことは無視し治療が出来ます。また、4月にフィラリア検査と同時に血液検査をしている場合で、その時に全く問題がなく、6月頃調子を壊して検査をしてみたら肝酵素が高かった、となると、4月以降6月までに何かがあったということも分かり、治療に非常に役に立ちます。
 そんなこんなで、小さい頃から定期的に検査をするということは、非常に有意義なことなのです。

 お金もかかることなので、私たちは日々、必要以上にお勧めすることはありません。
  「先生からそんなこと勧められたこともない(;一_一)」とおしかりを受けるかもしれませんが、ぜひ今回のDrりえを読まれた飼い主さんで、動物さんの定期健診をされていない方、検査をしてみてください。
 大事な動物さんが1日でも元気で、長生きできるように、お手伝いができればと願っています(*^^)v

 検査とは話がそれますが、動物さんは生後3カ月ぐらいで人間でいう5歳ほどになります。ということはペットショップやブリーダーさんから新しいおうちに来る頃は、人での 「ピッカピッカの1年生(*^^)v」の頃に当たります。それさえ知っていれば、3、4ヶ月の ワンちゃんに赤ちゃん用の粉ミルクなんて与えないですよね〜(-_-メ)。

 

マリア動物病院