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『癌(病気)と戦おうシリーズ1・乳酸菌』 No.34 2013.7
『乳酸菌は良い』と言うことは、ほとんどの方が知っていることだと思いますが、どうして良いのか?と聞かれるとどうですか?
『便秘や下痢を治してくれる』『腸の動きを良くする』・・・ふむふむ・・・そうですね。腸の動き(消化・吸収)がスムーズに行われないと、いくら口から栄養分を入れても活用されずに排泄されてしまいますよね。(栄養素を体が取り入れることが出来るような形に分解することを「消化」といい、消化器官から体へ取り込まれることを「吸収」と言います。)消化は腸内常在菌が体内の消化酵素と協力して行います。その常在菌には善玉菌(ビフィズス菌などの乳酸桿菌や球菌等)、悪玉菌(バクテロイデス、ユウバクテリウム、嫌気性連鎖球菌などの腐敗菌、病原性のあるウェルッシュ菌等)、日和見菌がいるのですが、悪玉菌が優位の環境では消化吸収はスムーズに行われません。
で、他の理由は・・・?今日はその乳酸菌について、病気・・・その中でも、大事なメルモの命を奪った『ガン』に関連づけてお話していきたいと思います。
『ペットのがん、アトピー、難病は腸から治す!』
この一文に目が釘付けになりました。というのも、20年近くこの仕事をしてきて、病気の動物さんを診たり、うちの動物達で感じたり、自分自身の体調から『健康の基本は腸である。』と感じていました。外来でも、私が『基本は腸ですからね』と言っているのを聞かれたこともあるかと思います。腸が丈夫な子は大丈夫(腸が弱い子がすべて弱いというわけではありませんが)。うちの18歳まで生きたあいちゃん(シェルティ)なんて、小さい頃から何を食べても下痢も嘔吐もしない、とても腸の丈夫な子でした。
腸とガン(病気)の関係を科学的にはっきり理解したい(?_?)。そんな理由から、乳酸菌の勉強を始めました。まず、言葉の説明から。
腸内フローラとは腸内常在菌の繁殖状態を意味します。その腸内フローラが良好(善玉菌優位)であれば、発育、栄養素合成、感染防御、免疫活性、ガン抑制、老化抑制、薬物・毒物代謝促進、生理活性向上など、健康状態を改善する方向に整い、逆に悪玉の勢力が高まると不健康・発病の方向に傾く事が研究されています。
次に加齢と腸内フローラとの関係を見てみると(人間での話になりますが)、誕生からしばらくの間、善玉菌優位の状態ですが、その後悪玉菌が優位になってきます。とは言っても、離乳期以降、成年期の前期頃までは、ビフィズス菌などの善玉菌もまだまだ元気に繁殖してくれています。しかし成年期後半からは善玉菌数が激減するのです。それと反比例してウェルッシュ菌のように病原性のある悪玉菌が急増します。
さらに老年期に入ると悪玉菌ばかりはびこるようになります。これらの事実から、腸内フローラに注目する限りでは、老化とは悪玉菌が増えることであり、善玉菌を優位に保ち続けることができれば、老化を遅らせることができるのです。また、老化とは外見が年寄りになることだけでなく、免疫力が低下することでもあります。
年をとると病気になりやすくなるのは、免疫力が落ちるからなのです。こうした点に注目するならば、腸内フローラの状態をできる限り良好に保つことができれば、病気や免疫力の低下予防になるのです。ちなみに免疫とは『疫(はやり病=病原菌)を免ずる作用』イコール『感染病を免れる作用』ですが、感染症だけでなく、体を病にさせない力、病から回復させる力すべてを免疫と考えるべきです。ガンの発症の引き金を引くのも『免疫力の低下』です。
ガンの始まりは正常細胞の変異です。正常な細胞が、発ガン物質の影響や突然変異などで変異し、変異した細胞が生き延び、細胞分裂を繰り返していくとガン組織へと成長するのです。一説によれば、私たちの体の中にはどんなに健康でも常に千単位のガン細胞が存在しているそうです。全身の細胞は60兆個もあるので、何千個ガン細胞があったとしても、そのまま増えずに細胞が死んでいってくれれば何の問題もありません。体の中にはそのような異常細胞を処理する免疫システムがあり、その免疫システムを統括している自律神経が働いています。それらが正常に働いていればたとえ異常な細胞が出現したとしても、修復・排除してくれるのです。
その修復・排除に重要な役割を担っているのが血液中の細胞、白血球です。白血球は多くの種類に分化していますが、大きく分けると『リンパ球』『マクロファージ(単球)』『顆粒球』に分かれます。
リンパ球は、ウィルスなどのような小さな異物とガン細胞を攻撃する主役ですが死んでいった細胞を片づけることはできません。これに対して、マクロファージと顆粒球は細菌や細胞の死骸や死にかけている細胞(ガン細胞含む)を片づけてくれます。要は、皮膚の表面の細胞が死んだら垢となって脱落していきますが、体内の垢を処理してくれるのです。その中でもマクロファージは処理した異物に対してサイトカインという物質を放出します(リンパ球もサイトカインを放出します、リンパ球の詳しい話は次項で((+_+)))。簡単に言うと、敵の情報分析をし、みんなに知らせ、臨戦態勢を整えさせるのです。よって、白血球が絶えず元気に働いていてくれればガンを抑えることができるのです。
そこで前述の乳酸菌との関係ですが、乳酸菌(どの乳酸菌でも良いというわけではないですが)の中に白血球を活性化し、サイトカインの一部、腫瘍壊死因子を産生する強い力があることがわかりました。また、腸(小腸)には免疫システムのスイッチ(免疫の司令塔)があるのですが、そのスイッチをオンにすることもできるので、免疫力がさらに高まります。そして一番最初にお話ししたように、腸の動き(消化・吸収)がスムーズに行われてこそ初めて、栄養分やサプリメントが体内に吸収されるため、乳酸菌を摂取することによって、サプリメント等のさらなる効果が出てくるのです。
難しいことを書き連ねてまいりましたが、ガンと闘うためにはまず体=腸内環境を整えることが必要なことはわかっていただけましたか?
また、今回ガンに的を絞ったようなお話の仕方をしてしまいましたが、そうではなく、すべて病気に話を置き換えることができます。例えば動脈硬化に置き換えてみると、過剰な脂質の蓄積が要因とされる病気ですが、過剰な脂質を片づける過程に白血球が元気に働いてくれれば、有害な脂質の代謝が速やかに行われ、病気の予防になります。こんな感じで、すべての病気において乳酸菌は有効なのです。
また、ちょっと意外ですが・・・お野菜、果物の中には、今まで述べてきた乳酸菌がたくさん含まれているのです。免疫落ちてきてるな~と感じたら、キャベツ、お茄子、大根、バナナ、スイカ、パイナップルなどをせっせと食べてみてください。白血球クンがしっかりと働いて、元気にしてくれるはずです(*^_^*)
ガンと闘おうシリーズ、第一弾として、乳酸菌についてお話ししました。
次は リンパ球についてお話したいと思います。ちょっと難しい話になりますが、ついて来てくださいね(*^_^*)。
2013.07.01
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メルモの癌治療闘病記 『Drりえのお話』より抜粋
Dr理恵のお話 No.3 2007年10月 『うちの子が癌になりました。』
私の命より大切なメルモ(ヨークシャテリア・7歳)が癌になりました。(2007年8月)組織検査の検査結果を見た瞬間、私の頭は真っ白になりました。「鼻腔腺癌」。メルモの病名です。
鼻の穴の奥の方にできる悪性の腫瘍で、進行すると顔面の変形や脳への浸潤が起こってくる、とても怖い腫瘍です。
無治療3~6ヶ月、放射線治療をしても1年ぐらい・・・。
「うちの子がどうして?何か悪い事したの」。
身内の者が病気になると、誰もが思う事なのでしょう。1週間ぐらいは現実を受け止められませんでした。ただただ、眠っているメルモを見ては、歩いているメルモを見ては、外出していてもメルモのことを考えては、涙なみだの毎日・・・。
でも、泣いていても癌は進行するばかりです。治療しなくては!
癌には色々な種類がありますが、メルモの罹っている鼻腔腺癌は放射線療法以外効果的な治療法はありません。やるしかない!!
しかし、放射線は人の場合と同様、正常な組織にも影響するため、副作用も起こります。それ以上に動物さんは人と違ってじっとしている事が出来ないため、放射線を当てる場合には全身麻酔が基本です。それも、週に3~5回(総回数は癌種によりけり)と当てる必要があるため(根治的治療の場合)、相当体に負担が掛かります。最悪の事が起こり得る可能性だってゼロではありません。
話は反れましたが、メルモの放射線治療(計44Gry、総回数11回)は無事終わりました。1~3日置きに三重の南動物病院まで通い、麻酔をかけ、放射線を当てと、1kgちょっとと小さな体で頑張ってくれました。
心配されていた副作用も、こんなに出ない子は珍しいとおっしゃっていただいたくらい出ませんでしたし、麻酔後の回復も信じられないくらい早く、家に着くや否や、ご飯、ご飯と・・・。
このように今回の放射線治療は無事すみましたが、メルモの癌は治ることはありません。いつか再発します。それが3ヶ月先なのか、3年先かはわかりませんが、メルモが生きてくれている間、後悔のない生活を送って行きたいと思っています。とは言っても仕事をしているため、四六時中一緒にいる事は不可能ですが、一緒に過ごせる時間を大切に過ごしたいです。
私たちのこの忙しい日常、誰が動物さんの鼻の皺一つ一つをじっと見たり、髭を一本一本観察したりなどする時間があるでしょうか?
でも病気というものは不思議なもので、健康な日常生活では考えられないような、ゆっくりと流れる穏やかで、幸せで、温かい、充実した時間も作り出してくれるものなのです。
いつかメルモがいなくなってしまった時、皺から髭からすべてを思い出せるように・・・。
ご自分のペットが癌になってしまったら・・・?。 まず、泣けるだけ泣いて、涙は涸れないことを悟り、次に相手(癌)を知りましょう。 倒せる相手なのか?倒せない相手なのか? そして、その動物さんにはどのような方法がベストなのか? ご家庭の事情、動物さんの状態、年齢など、一筋縄には行きませんが、 一緒に考えていきましょう。
最後に。
今回メルモの癌の診断、検査、治療などにおいて、獣医師を忘れてパニックを起こしている私に ご助言、ご協力してくださった先生方、手紙、メール、電話などで励まして応援してくれた友達、 2時間もかかる三重の動物病院まで、メルモを何度も連れて行ってくれた家族、本当にありがとう ございました。皆様の期待に答えるようメルモはまだ頑張ってくれるはずです。
本当に、本当に、ありがとうございました。
「私、10歳までは頑張るよ!まだまだお姉ちゃんと過ごしたいから・・・。 By メルモ」
Dr理恵のお話 No.11 2008.8月
P.S 先日うちのメルモが9歳のお誕生日を迎えることが出来ました。鼻腔腺癌の放射線治療から丸1年。 メルモは頑張ってくれています。信じられないぐらい元気で、 毎日生きてくれています。気にかけてくださる皆様、ありがとうございます。メルモはまだまだ頑張ります(*^^)v。
Dr理恵のお話 No.18 2009.9月
今年もおかげさまで、うちのメルモがお誕生日を迎えることができました。気にしていただいている方々、 本当にありがとうございます。
メルモはまだまだ頑張ります。『まだおいしい物をいっぱい食べたいからね(^^♪』Dr理恵のお話 No.26 2011.1月
P.S 昨年末、少し体調を壊していたうちのメルモ(No.3「うちの子が癌になりました」参照)も、おかげさまで無事年を越すことが出来ました。毎日の点滴、投薬にも頑張って耐え、鼻血は随時出ていますし、鼻で呼吸もできませんが、本人はけろっと楽しそうに生きてくれています。毎月放射線を当てて下さっている大学の先生、いつもメルモの状態を気にかけて下さっている方々、本当にありがとうございます。メルモはまだ頑張れそうです。今年もメルモの元気な顔を見てやって下さいね(*^_^*)。
Dr理恵のお話No.29 2011年10月 『奇跡の子、メルモ』
ウィキペディアによると、奇跡とは「人間の力や自然現象を超えたできごと」とあります。まさしく私の大切なメルモは何度もその奇跡を起こしてくれています。
メルモは2007年から鼻腔腺癌という癌と戦っています。対戦方法は放射線治療と民間療法(サプリメント中心)です。メルモの癌の進行状況からみると、癌細胞をすべてやっつけることはできないため、3カ月~2年ぐらい癌の進行を抑える事を目標に放射線治療を開始しました。放射線治療は(ご存知の方もいらっしゃると思いますが)限度なく照射できるものではありません。そもそも放射線とは癌細胞をやっつける治療ですが、その周辺の正常な細胞にもダメージが生じます。臓器ごとにある決められた量以上の放射線を当てると、正常組織も弱り放射線による害が出ます。また、正常細胞が受けた放射線の影響は何年経っても多少残りますので、同じ場所に再度放射線を照射することが出来ないことが多いのです。メルモの照射部位は鼻です。小さなメルモは鼻の長さが1cmぐらいしかありません。そしてその上には脳があり、眼があり、下には口があり、舌がありと、生きていくのに大切な正常組織がわんさかあります。当初の説明では、おそらく治療中に口腔内がただれ食事が取れなくなり、また、眼は見えなくなるのではないかという説明でしたが、最大照射量と言われている44Gry照射中は全く副作用が出ず、麻酔の影響も出ませんでした。
以後3カ月毎にCT検査を行って、癌の進行状況を観察していました。
そして1年と少し経った頃から、少しずつ癌細胞が活動し始めました。南動物病院の先生になんとか手はないのか相談しましたが、手は無いの一点張り・・・。そんな時、お友達から麻布大学の腫瘍科を紹介していただき、そこで放射線治療の圓尾先生に出会いました。圓尾先生は、私が獣医師であり、麻酔、放射線の副作用等に関しての理解があることなどの理由から、放射線量越えての照射をしてみましょうということになりました。以後、メルモの鼻つまりの症状から約1~3カ月毎の照射をしています。計算上メルモの放射線総量は120Gryになっており、麻布大学では「奇跡の子」と言われているそうです。(奇跡の症例として、雑誌で紹介される予定です。)
さらにメルモの奇跡は続きます。
実は7月中旬、アクシデントでメルモが心肺停止に陥りました。(ベットからの落下)すぐに1階の病院で蘇生処置を始めました。3分、4分・・・。時間だけが過ぎ、メルモは一向に戻ってきてくれない!!。メルモ、メルモ。私は叫び続けましたが戻ってきてくれない。
6、7分ぐらいたった頃でしょうか。瞳孔も開き、もうメルモをこの世に戻すことは無理だと2階の自宅にメルモを連れていき、主人に電話をしようとしていた時、「キュー」とメルモののどの音が・・・。えっ!。すぐ1階にメルモを連れていき、再度蘇生処置をすると、なんと、なんと、ずっと止まっていたメルモの呼吸が戻ってきたのです。その後、意識も戻り、冷たくなっていた体も温かくなり、外来始まる頃までには私を目で追うまでに回復してくれました。・・・奇跡・・・。12歳という年齢から、長期間の酸欠の後遺症は重いものであろうと覚悟はしていたのですが、2週間ぐらいでふらつきながらも立てるようになりました。ただ、落下の際舌を噛み切ってしまったようで、あのメルモの可愛い舌が半分以上無くなってしまいました。そのため、かたいフードやお水を飲んだりができなくなってしまったのですが、それも自分で克服し、お誕生日(8/2)までにはケーキも食べれるようになり、さらにお口の中にフードを入れてあげれば一生懸命にカリカリと食べたり、顔を半分以上つけてお水も飲めるようになりました(*^^)v。
ただ、そんなかんなしている間に鼻が詰まりはじめ、恒例の放射線照射が必要な時期になってきました。いままでの体の状態とは違うメルモに麻酔&放射線照射というリスクは大丈夫であろうか?。不安と闘いながらも癌の増殖も怖いため、8月24日に放射線治療を受ける事に決めました。
その選択が良かったのか、悪かったのか(>_<)・・・。
当日の放射線が非常に込み合っていた(水曜日が放射線照射日なのですが、前週がお盆休みだったため)ので少し粗雑に扱われてしまったことや、毎回メルモに麻酔をかけて下さる方がいらっしゃらなかったことなど、悪い条件が重なってしまったためか偶然か。麻酔からは無事覚醒したのですが麻酔後のメルモの状態は非常に悪く、さらに毎回持参している緊急治療セットを持参するのを忘れてしまっていたため、獣医師であるにもかかわらず、私はメルモに何もしてあげる事が出来ないまま、可哀想にメルモは大学からの帰路5~6時間、ずっ~~~と咳込み、最悪の呼吸状態のまま頑張ってくれました。
帰宅し、酸素吸入などの治療後少し容体は落ち着いたものの、次の日の午後まで咳は続き、小さな体に多大なストレスがかかっていました。
また、家の修繕工事なども重なり、メルモには耐え難いストレスだったのか、放射線の脳への影響なのか。(放射線総量を考えると、脳への影響が今まで出ていない方がおかしい)メルモの脳に異常を来してしまったのです。手、足、首は硬直状態、40度以上の発熱、異常な興奮状態・・・。いつもはおとなしいメルモが「ギャー、ギャー、ギャー、ギャー」と泣き続けます。昼も、夜もかまわず、無意識に眼をひんむいてひたすら泣き続ける・・・。抗てんかん薬を使おうが、何を使おうが、一向に治まらない・・・。本当はこんな時、麻酔をかけて眠らせるのですが、放射線治療の際に血管確保にミスがあったため、取れる血管がない・・・。私は獣医師なのに、どうしてもあげる事も出来ない・・・。
ずっ~と、ずっ~とメルモを抱き「頑張って、頑張って」からしだいに「苦しかったら楽になってもいいんだよ」と・・・。
そんな興奮状態が2日続きメルモとの徹夜が2日目になったころから、硬直は変わらないものの、少しだけ眠ることが出来るようになってきました。眠ってるときのメルモは穏やかで、次に目が覚めたら普通に戻ってくれているのではないかと期待をするのですが、起きると興奮状態・・・。私の寝不足もピークにさしかかってきた4日目頃から、寝る時間が増えいつしか昏迷状態(昏迷とは、繰り返し強く呼びかけると一瞬だけ反応がある意識障害で、一方昏睡はどんなに強い呼びかけを繰り返しても反応できない意識障害)に。興奮が始まった当初は、意思の疎通(感情表現の豊富なメルモの笑った顔や喜んだ表情を見る事が出来ない事)が出来ない事が悲しくてつらかったのですが、この頃になると、ぬいぐるみさんのように横たわっているだけでも、メルモが苦しくなければ肉体だけでもあってくれればいい、という感情に変わってきていました。
そして奇跡が。
あれから1ヵ月。今、メルモは目が合えば笑うし(^O^)、ふら付きながらも自力で立ったり歩くことだって出来ます。食欲も旺盛です(*^。^*)。
高齢だし、癌持ちさんなので、メルモの人生は確かに最終章には入ってきていると思います。でも、そんな中メルモが毎日楽しく暮らしてくれて、もうこの世で思い残すことはない!と思った時、私の元から旅立っていくでしょう。
人生にはどう考えても神の力が加わったとしか思えない出来事など、何度か奇跡があります。メルモの事に関しては、私を助けてくれているのか、メルモを助けてくれているのかわかりませんが、すべての出来事、周りの人々に感謝しつつ日々生きていきたいと思っています。
メルモの事を気にかけて下さっている皆さん、本当にありがとうございます(^_-)。
「みんなありがとう(*^_^*)。わたしこっちでもう少しおいしい物食べようと思ってま~す(#^.^#)。 byメルモ」2012年1月18日(水)PM8:15
大切な大切なメルモが私の元から旅立ちました。
まだ現実を受け止められないでいますが、落ち着いたらメルモの思い出話を聞いてください。今までメルモの病状を気にかけてく ださった皆さん、本当にありがとうございました。2012年2月6日(麻布大学圓尾先生からのお悔やみメール)
梅村様
お葉書、さきほど拝見させていただきました。
梅村様の強い意志により、治療不可能と思われていた再照射が始まり、それが功を奏して、長生きできたのだと思います。
梅村様、メルモちゃんのおかげで、再照射の効果を再認識し、他の動物たちにも実施するようになり、恩恵がありました。亡くなったことは悲しいですが、いろいろ教えていただきました。
また、他の放射線治療施設の方にも、再照射の意義を伝えることができます。
メルモちゃんの命は一つですが、メルモちゃんのおかげで少しでも放射線治療の恩恵を被ることができる動物が
たくさんいます。これからもです。
しばらくは、いつも思い出され、つらいかもしれませんが・・・。
学会で発表したスライドを添付いたします。(論文にするには、査読者の方に再照射を理解してもらわないと
いけませんので、いつになるかは分かりませんが・・・。)
スライド上、実際とはあわないこともあるかもしれませんが、お許しください。
圓尾拓也 拝2012年5月♡メルモのお礼♡
「生前病態を気にかけて下さった方々、亡くなった際お悔やみを下さった方々、その節は本当にありがとうございました。体の小さなメルモが虹の橋への階段をたった一人で登って行くために、最後の最後に私がメルモにしてあげれる事はお坊さんにお経をあげて頂く事だけなので、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、四十九日の供養を行い、先日(4月26日)ようやく百ヶ日のお経を終えました。あとは毎月、月命日(18日)の供養だけになってしまいますが、メルモも永い旅を終え、あちらで落ち着いた生活を始めていることと思います。メルモのいない毎日は酸素が無くなってしまったぐらい辛く苦しいですが、メルモは痛みも苦しみもない世界で楽しく暮らしてくれているはずなので、メルモと再び逢えるその日まで、メルモに恥じる事のない生き方をしていこうと思います。 気にかけて下さった皆さん、今まで本当にありがとうございました。
No.2012.7月
PS.メルモが水晶になって帰ってきました。
右が癌になる前(2004年)のメルモ、
左が闘病中(2011年)のメルモです。どちらも可愛いです。No.33 2013.1月
11月からご迷惑をおかけしていた病院外観の改修工事がようやく終わりました。玄関正面に、帰ってきましたよ~メルモちゃん(#^.^#)。1年ぶりに(1月18日が命日)硝子アートになって帰ってきました。虹の(http://www5.ocn.ne.jp/~select/Rainbow.html)を無事わたり、幸せそうなメルモがこれからずっと私やスタッフ、来院される動物さんと飼主さんを幸せに導いてくれると思います。来院された際にはぜひ正面のメルモちゃん、2階の茶々(ササ)ちゃん、猫さん、鳥さん、ハムスターさん、うさぎさんを見て下さい。特に、ライトアップ後が自慢です(#^.^#)。(ステンド硝子アート 岩田知子さま作 http://stg-art.com/)
2013.01.18
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2013年、硝子アートで開始です。 No.33 2013.1月
2013年も、はや1カ月過ぎました。『明けない夜はない』と同じく、明けない年もありません。昨年、辛いこと、悔しいこと等いろいろあった方もなかった方も、今年は健康に、楽しく、幸せに過ごすことが出来ることを心よりお祈りいたします。
私も秋口より抱えていた大きな深~い悩みも解決し、心機一転(^-^)さっぱりと、今年も仕事に!勉強に!(子育てにも!)全力投球していきたいと思っております。さて、11月からご迷惑をおかけしていた病院外観の改修工事がようやく終わりました。玄関正面に、帰ってきましたよ~メルモちゃん(#^.^#)。1年ぶりに(1月18日が命日)硝子アートになって帰ってきました。
虹の橋(http://www5.ocn.ne.jp/~select/Rainbow.html)を無事わたり、幸せそうなメルモがこれからずっと私やスタッフ、来院される動物さんと飼主さんを幸せに導いてくれると思います。来院された際にはぜひ正面のメルモちゃん、2階の茶々(ササ)ちゃん、猫さん、鳥さん、ハムスターさん、うさぎさんを見て下さい。特に、ライトアップ後が自慢です(#^.^#)。(ステンド硝子アート 岩田知子さま作 http://stg-art.com/)
硝子アートだけでなく、絵画など美術品一般はすべてそうだと思いますが、作品は人の心を移すというか、内面から訴えてくるものがあります。
心底、心のきれいな方でないとこんなに心に響く作品は作れません。もしかして私たちの仕事も同じなのではないかと思います。
表面を取り繕っても、内面は出てくる。私も10ヵ月間の(永遠に続くのではないかと錯覚をしてしまうほどの)辛く苦しいつわりを経て、子供を産み1年2ヶ月間育ててきて、ほんの少~しは人間的に成長したのではないか?(まさかの自画自賛(+_+)??)と自負しておりますが、色々な方のすばらしい人間性に触れたり、また逆にあってはならない人の行動、言動を垣間見たりし(情けなくて、泣けてきてしまうほど悲しい言葉を人に浴びせる人や信じている者を容赦なく切り捨てる人もいます)、内面からも動物さん、飼主さんを助けることが出来るような人間になっていきたいです。そんな立派な事を言う前に、後悔しない生き方はしていきたい。私の今までの人生、『あの時こうしていればよかった』的な後悔が非常に多く、治療においてもたまにあります。特に後者のような後悔は絶対にしてはいけないと思っています。そのために、日々勉強です。知識的に未熟な部分は本、セミナー、雑誌等をみかたにつけ、技術的に未熟な部分は、最新の手術機器、優秀な助手が手助けしてくれます。(最新の高周波手術装置を導入しました。ホームページ、設備案内の医療機器紹介を参照してください。http://www.mariaーah.com/guide/index.html)。あと残すは人格です。
硝子アートになったメルモに日々見守られながら、いつか本当のメルモに会えるその日まで、こっちの世界でメルモに恥じることのない、診療、生活、生き方をしていこうと誓っています。そのためには皆様のシビアなご意見、ご忠告も時として必要です。何よりも大切な動物さん達のよりよい明日のためには、どんな努力もしますので、どうぞお力添えをm(__)m。 人間、注意されなくなったら終わりですからね(*_*)。2013.01.01
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『七夕様へのお願い』 No.32 2012.7
私事ですが、早いもので娘は7月1日で8カ月となりました。獣医師と言う仕事は「生」と「死」が隣り合わせの仕事ですが、子供が生まれるまでの私の生活(=仕事)は(メルモの癌がわかってからは特に)、程度の差はありますが「死」をより身近に感じ、恐れる生活オンリーでした。
私生活ではメルモがちょっとご飯を食べないだけでも死んでしまうのではないかと不安になったり、仕事では元気な子にワクチン一つ打つ場合でも何か起こる事もありますし、元気な子の不妊手術でも何か起こる事もあります。
病気の場合は特に、死んでしまうような状態ではないけれど急変する事だってありますし、重症な場合は今ここで命尽きてしまう!なんて切羽詰まる状況も多々遭遇します。もっと言ってしまえば、生まれて初めてのワクチンにきた仔も絶対(?、おそらく?)私よりは早く亡くなってしまうので、ピチピチの仔犬、仔猫を前に私の意識は10数年後にワープしその仔たちが年をとった姿が目に浮かび、「ずっとこの仔がうちの病院に来てくださるなら、私が看取ることになるんだ(>_<)」と気持ちを引き締めているのです。
そんな生活だった私に「死」を全く感じさせず生き生きとした輝きを放っている娘は、私の世界観を180度変えるくらい新鮮で、仕事と生活のメリハリがつくようになり、今まで以上に仕事に対する意気込みが湧いてきます。また、この8カ月で娘はただ泣いているか寝ているかミルクを飲んでいるかだけの赤ちゃんだったのが、ひとりでおすわりをし、自分の意思も伝えることのできる一人の人間に成長してきました。昨日出来なかったことが今日は出来ていたり、眼を見張る成長です。私はと言うと、この8カ月でどれだけの成長があったのだろう(*_*)?とちょっと情けなくなります。
そこでと言うわけではないけれど、メルモが癌に罹ってから私には目指していることがあるのですが、片手間でできる事でないため、メルモを虹の橋に無事(?)送り届けてから考えようと思っていました。
メルモの初盆を前に、もうそろそろ活動を始めていきたいと思っています。そのことでご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、その御恩返しは必ずできると思います。ただ、私のこの頭のエンジンを全開にしないと難しい事のため、少しずつならし運転をしながら、5年計画で頑張っていこうと思います。7月7日は七夕です。皆さんは短冊に何を書きましたか?
この5年間、私は「メルモの癌が悪化しませんように!」と書き続けてきましたが私が今望むことはただ一つ(#^.^#)。
「老若男女、人間動物ともに、みんな元気で健やかに(*^_^*)」PS.メルモが水晶になって帰ってきました。右が癌になる前(2004年)のメルモ、左が闘病中(2011年)のメルモです。どちらも可愛いです。
2012.07.01
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『血液検査の重要性』 No.31 2012.5.
フィラリアの季節になりました。
昨年しっかりと服用された方、ちょっと忘れてしまった方、忘れてはいないと思うけど~・・・(-.-)と定かでない方、ともにフィラリア予防薬を与える前にフィラリア感染の検査が必要です。(感染している場合、予防薬を与えると体内にいるフィラリアが一気に死滅して強いアレルギーショックを起こし、最悪の場合にはワンちゃんが死んでしまうこともあるのです。)
フィラリア感染検査は血液で調べるのですが、その採血のついでに当院では1歳過ぎたら健康診断を受けられることをお勧めしています。(6歳ぐらいまでは年1回、それ以後は年2回をお勧め)
健康診断と言ってもいろいろな検査があります。
問診、視診、触診、聴診や、尿検査、検便、レントゲン撮影やエコー検査などもあります。(そのような検査をすべて受けられる場合は、ペットドッグがお勧めです。詳しくは院内掲示やリーフレット、またはスタッフまで)フィラリア検査と同時にする検査は、そのような検査の中の血液生化学検査と血液一般検査です(その他オプションもつけれます)。
血液生化学検査では血液中の蛋白、ブドウ糖をはじめ様々な酵素を科学的に分析し、栄養状態、内臓疾患、糖尿病、代謝異常、肝臓や腎臓の働きなどがチェックできます。血液一般検査では、血液の代表的な成分である赤血球、白血球、血小板などの形や量を調べることにより、貧血や白血病、感染症などの診断ができます。
外見からは健康に見えても、何らかの内臓疾患や血液疾患を持っていたり、今はやり(?)の成人病だったり予備軍だったりすることもあります。
うちでは300ちょっとのワンちゃんが春に検査をしますが、全く言うことない素晴らしい検査結果のワンちゃんは全体の2~3割弱(>_<)!!!、同数ぐらいがちょこちょこ正常値からはみ出る値はあるけど今の生活で問題ない子、また、同数ぐらいが同様にはみ出る値があり生活を改めなくてはいけない子(ちょっと改めればよい場合から、かなり改めなくては大変なことになる場合の子までバリエーションは様々)、その残り1割ぐらいの子が早急に治療を開始せねば大変!!という子です。そしてうちでは後者2パターンの場合は「呼び出し」といって、私が直接電話でお知らせをします。
そしてこの時期、病院内ではその検査の整理が恐ろしいほど大変(>_<)なのです。外注検査機関から結果が帰ってくるのですが、何せ1ヵ月強の間にそれだけの数の検査をするため、一気に検査結果が帰ってきます。
そしてうちでは過去の検査値がすぐにわかるようにそのワンちゃん専用の検査値控えを作っており、どのような時にどこで行った検査でも、私達が知る限りすべての値を日にち順に控えています。
流れとしては、帰ってきた検査結果をまず私がチェックし、一人ひとりワンちゃんと飼い主さんを思い浮かべながら、年齢、食生活、今までの値との比較等から、「呼び出し」グループを選出します。(その他、ちょっと早めに連絡組と言うのもあります。)そのあと、スタッフがもう一度値のチェック、控えの記入等を行います。その際にその他の情報の確認も行っているつもりですが、これがなかなかチェックしきれない!!。値は私達専門家はどのくらいが問題かわかっているので見ればわかりますが、数字に夢中になってしまうので、その他の情報が抜ける可能性があります。動物さん名、飼い主様名、性別、年齢のミス等ご連絡いただければすぐに訂正させて頂きますねm(__)m。また検査結果についてですが、せっかくフィラリア検査より血をたくさん採りお金もかけて検査をしたのに、その検査結果を活かしきれない方もまれにいます。私に信用がないのか(;O;)、私の話を信じてもらえない場合があります。専門家の私が大丈夫と言ったら大丈夫ですし、ダメだと言ったらダメ!(>_<)!。そのくらいは信じていただきたい!!。(調子が悪くなった際の治療に関しては一概には言えないので今回は春の健診に限ります。)
再検査が必要だと提案したらやはり再検査は必要ですし、食べ物の管理が必要だと言ったら管理をして下さい。食事の話をすると、「フードはこれこれしか絶対食べてません!」とちょっと不機嫌におっしゃる方がまれにいらっしゃるのですが、受付でスタッフと話をしているうちに、「おやつはこれこれを食べているのよ~」というショッキングな出来事があります。食事の事を私がお話しする場合は、食べている物すべての事ですよ~。
あと、「どうしてこの子だけ、こうなのかしら?」「全く今までと生活は変えてないのだけれど・・・」などおっしゃられる場合もありますが人間同様個体差、年齢による変化がありますので、同じ生活をしていても問題が出る場合はあります。その子その子の特性なのでその子の今の状態に合った管理をしてあげる事をお勧めします。
どうしてこんなになったのかしらと嘆くよりは、どうしたら改善できるかしらと考え方を改め、ワンちゃん、猫さんが快適に生活していけるような管理をしてあげて下さい。好き放題させてあげるのもいいけど、命あっての物種ですよ(*_*)/~~~
♡メルモのお礼♡
生前病態を気にかけて下さった方々、亡くなった際お悔やみを下さった方々、その節は本当にありがとうございました。体の小さなメルモが虹の橋への階段をたった一人で登って行くために、最後の最後に私がメルモにしてあげれる事はお坊さんにお経をあげて頂く事だけなので、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、四十九日の供養を行い、先日(4月26日)ようやく百ヶ日のお経を終えました。あとは毎月、月命日(18日)の供養だけになってしまいますが、メルモも永い旅を終え、あちらで落ち着いた生活を始めていることと思います。メルモのいない毎日は酸素が無くなってしまったぐらい辛く苦しいですが、メルモは痛みも苦しみもない世界で楽しく暮らしてくれているはずなので、メルモと再び逢えるその日まで、メルモに恥じる事のない生き方をしていこうと思います。
気にかけて下さった皆さん、今まで本当にありがとうございました。
2012.05.01
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『2012年、始まりました。』 No.30 2012.1
明けまして、おめでとうございます。
2012年、年が明けましたね(#^.^#)。
昨年は、世の中的には東日本大震災で悲しい年になりましたが、皆さんはいかがでしたか?
私的には、癌持ちメルモも年齢的に急激にヨボついてきましたがなんとか年を越せましたし、梅村家としては結婚十年目、40ウン歳、5度目の妊娠で11月1日(ワンワンワンの犬の日)に無事に女の子を出産し、世の流れに反してとても良い1年でした。また出産に関しては、私が1週間入院したため、皆様にご迷惑をかけてしまったにも関わらず、嫌な顔一つせず、心から喜んでくださる方ばかりで、今まで見えなかった人の優しさを心から感じる事ができる年でもありました。この場を借りて、皆さんに心からお礼を申し上げたいと思います。
『本当に、本当にありがとうございました。m(#^.^#)m』
今年はその皆様の優しさを受けて、私がこれまで全く持ち合わせていなかった「人を思いやる」という感情を身につけ、日々の診療でお返ししていかねば(+_+)!と心に誓っております。
また、世の中的には不景気であるため、今まで動物さんにかけていた生活費(治療費、フード代、予防料等)の余裕がなくなった方も多いかと思います。そのような場合は自分で判断せずにご相談いただければ、どれが重要で、どこを削減できるかのアドバイスをさせていただきます。昨年は全体的な流れとして、重要な予防等を削られた方が多いかと思いますが、削減する部分を間違えてしまうと、あと後に後悔することになりますので、ぜひ年の初めに、考えを改めていきましょう。
マリア動物病院全体としましては、2002年に開院したので昨年で10年まるっと終わり、今年から11年目になります。また、今年から私自身の運勢が良くなりますので、飛躍の年となれば良いなと思っています。具体的な目標としては、まずは内視鏡の導入です。昨年、入れるつもりだったのですが予定外に((*_*)!)私が妊娠してしまい、つわりがひどくて診察以外の思考回路がストップしてしまったため、持ち越しとなってしまいました。また、鳥さんの診察にも力を入れようと思っています。昨年3月私の妊娠判明と時を同じく、うちの子桜インコ夫婦が卵を産み、抱卵を拒否したため保温庫で卵を温め、雛が孵りました。名前はトーリー、当院のアイドルです(*^_^*)。あの子のためにも鳥さんの診察に力を入れ、他の鳥さん達も助けていければいいな~(^-^)と思っています。
日本全国、人にも動物にとっても、今年は(または、今年も)良い年になりますように(#^.^#)
2012.01.01
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『奇跡の子、メルモ』 No.29 2011.10
ウィキペディアによると、奇跡とは「人間の力や自然現象を超えたできごと」とあります。まさしく私の大切なメルモは何度もその奇跡を起こしてくれています。
メルモは2007年から鼻腔腺癌という癌と戦っています。(Drりえのお話 No.3 うちの子が癌になりました。参照)
対戦方法は放射線治療と民間療法(サプリメント中心)です。メルモの癌の進行状況からみると、癌細胞をすべてやっつけることはできないため、3カ月~2年ぐらい癌の進行を抑える事を目標に放射線治療を開始しました。
放射線治療は(ご存知の方もいらっしゃると思いますが)限度なく照射できるものではありません。そもそも放射線とは癌細胞をやっつける治療ですが、その周辺の正常な細胞にもダメージが生じます。臓器ごとにある決められた量以上の放射線を当てると、正常組織も弱り放射線による害が出ます。また、正常細胞が受けた放射線の影響は何年経っても多少残りますので、同じ場所に再度放射線を照射することが出来ないことが多いのです。メルモの照射部位は鼻です。小さなメルモは鼻の長さが1cmぐらいしかありません。そしてその上には脳があり、眼があり、下には口があり、舌がありと、生きていくのに大切な正常組織がわんさかあります。当初の説明では、おそらく治療中に口腔内がただれ食事が取れなくなり、また、眼は見えなくなるのではないかという説明でしたが、最大照射量と言われている44Gry照射中は全く副作用が出ず、麻酔の影響も出ませんでした。
以後3カ月毎にCT検査を行って、癌の進行状況を観察していました。
そして1年と少し経った頃から、少しずつ癌細胞が活動し始めました。南動物病院の先生になんとか手はないのか相談しましたが、手は無いの一点張り・・・。
そんな時、麻布大学の腫瘍科を紹介していただき、そこで放射線治療の圓尾先生に出会いました。 圓尾先生は、私が獣医師であり、麻酔、放射線の副作用等に関しての理解があることなどの理由から、放射線量越えての照射をしてみましょうということになりました。以後、メルモの鼻つまりの症状から約1~3カ月毎の照射をしています。計算上メルモの放射線総量は120Gryになっており、麻布大学では「奇跡の子」と言われているそうです。(奇跡の症例として、雑誌で紹介される予定です。)
さらにメルモの奇跡は続きます。
実は7月中旬、アクシデントでメルモが心肺停止に陥りました。(ベットからの落下)すぐに1階の病院で蘇生処置を始めました。3分、4分・・・。時間だけが過ぎ、メルモは一向に戻ってきてくれない!!。メルモ、メルモ。私は叫び続けましたが戻ってきてくれない。
6、7分ぐらいたった頃でしょうか。瞳孔も開き、もうメルモをこの世に戻すことは無理だと2階の自宅にメルモを連れていき、主人に電話をしようとしていた時、「キュー」とメルモののどの音が・・・。えっ!。すぐ1階にメルモを連れていき、再度蘇生処置をすると、なんと、なんと、ずっと止まっていたメルモの呼吸が戻ってきたのです。その後、意識も戻り、冷たくなっていた体も温かくなり、外来始まる頃までには私を目で追うまでに回復してくれました。・・・奇跡・・・。12歳という年齢から、長期間の酸欠の後遺症は重いものであろうと覚悟はしていたのですが、2週間ぐらいでふらつきながらも立てるようになりました。ただ、落下の際舌を噛み切ってしまったようで、あのメルモの可愛い舌が半分以上無くなってしまいました。そのため、かたいフードやお水を飲んだりができなくなってしまったのですが、それも自分で克服し、お誕生日(8/2)までにはケーキも食べれるようになり、さらにお口の中にフードを入れてあげれば一生懸命にカリカリと食べたり、顔を半分以上つけてお水も飲めるようになりました(*^^)v。
ただ、そんなかんなしている間に鼻が詰まりはじめ、恒例の放射線照射が必要な時期になってきました。いままでの体の状態とは違うメルモに麻酔&放射線照射というリスクは大丈夫であろうか?。不安と闘いながらも癌の増殖も怖いため、8月24日に放射線治療を受ける事に決めました。
その選択が良かったのか、悪かったのか(>_<)・・・。
当日の放射線が非常に込み合っていた(水曜日が放射線照射日なのですが、前週がお盆休みだったため)ので少し粗雑に扱われてしまったことや、毎回メルモに麻酔をかけて下さる方がいらっしゃらなかったことなど、悪い条件が重なってしまったためか偶然か。麻酔からは無事覚醒したのですが麻酔後のメルモの状態は非常に悪く、さらに毎回持参している緊急治療セットを持参するのを忘れてしまっていたため、獣医師であるにもかかわらず、私はメルモに何もしてあげる事が出来ないまま、可哀想にメルモは 大学からの帰路5~6時間、ずっ~~~と咳込み、最悪の呼吸状態のまま頑張ってくれました。
帰宅し、酸素吸入などの治療後少し容体は落ち着いたものの、次の日の午後まで咳は続き、小さな体に多大なストレスがかかっていました。
また、家の修繕工事なども重なり、メルモには耐え難いストレスだったのか、放射線の脳への影響なのか。(放射線総量を考えると、脳への影響が今まで出ていない方がおかしい)メルモの脳に異常を来してしまったのです。手、足、首は硬直状態、40度以上の発熱、異常な興奮状態・・・。いつもはおとなしいメルモが「ギャー、ギャー、ギャー、ギャー」と泣き続けます。昼も、夜もかまわず、無意識に眼をひんむいてひたすら泣き続ける・・・。抗てんかん薬を使おうが、何を使おうが、一向に治まらない・・・。本当はこんな時、麻酔をかけて眠らせるのですが、放射線治療の際に血管確保にミスがあったため、取れる血管がない・・・。私は獣医師なのに、どうしてもあげる事も出来ない・・・。
ずっ~と、ずっ~とメルモを抱き「頑張って、頑張って」からしだいに「苦しかったら楽になってもいいんだよ」と・・・。
そんな興奮状態が2日続きメルモとの徹夜が2日目になったころから、硬直は変わらないものの、少しだけ眠ることが出来るようになってきました。眠ってるときのメルモは穏やかで、次に目が覚めたら普通に戻ってくれているのではないかと期待をするのですが、起きると興奮状態・・・。私の寝不足もピークにさしかかってきた4日目頃から、寝る時間が増えいつしか昏迷状態(昏迷とは、繰り返し強く呼びかけると一瞬だけ反応がある意識障害で、一方昏睡はどんなに強い呼びかけを繰り返しても反応できない意識障害)に。興奮が始まった当初は、意思の疎通(感情表現の豊富なメルモの笑った顔や喜んだ表情を見る事が出来ない事)が出来ない事が悲しくてつらかったのですが、この頃になると、ぬいぐるみさんのように横たわっているだけでも、メルモが苦しくなければ肉体だけでもあってくれればいい、という感情に変わってきていました。
そして奇跡が。
あれから1ヵ月。今、メルモは目が合えば笑うし(^O^)、ふら付きながらも自力で立ったり歩くことだって出来ます。食欲も旺盛です(*^。^*)。
高齢だし、癌持ちさんなので、メルモの人生は確かに最終章には入ってきていると思います。でも、そんな中メルモが毎日楽しく暮らしてくれて、もうこの世で思い残すことはない!と思った時、私の元から旅立っていくでしょう。
人生にはどう考えても神の力が加わったとしか思えない出来事など、何度か奇跡があります。メルモの事に関しては、私を助けてくれているのか、メルモを助けてくれているのかわかりませんが、すべての出来事、周りの人々に感謝しつつ日々生きていきたいと思っています。メルモの事を気にかけて下さっている皆さん、本当にありがとうございます(^_-)。
「みんなありがとう(*^_^*)。わたしこっちでもう少しおいしい物食べようと思ってま~す(#^.^#)。 byメルモ」
2011.10.01
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『家族(ペット)を守るのはあなたです。』 No.28.6月
今回の東日本大震災だけでなく、アメリカの竜巻などの際でも(当然人命が一番なんですが)私は動物さん達の安否が気になってたまりません。
外につながれてるワンちゃんは大丈夫だろうか?
外猫さん達はどうしたんだろう?などなど・・・。
また、人命救助が始まり始めたら、これまた動物さんもちゃんと助けてくれるのだろうか?
パニックを起こしてしまったワンちゃんは捕まえることができるかしら?怖くて隅に隠れてしまっている子を見つけることが出来るかしら?などなど・・・。
私が心配しても何の解決にもならないのですが、心配でたまらなくなります。そして、TVで動物さんが人間と一緒に救助されていたりする映像を見ると、感動で胸がいっぱいになります。今回の震災でも、3週間ぶりに屋根の上で発見されたワンちゃんがいましたよね!あの一報の時には本当に泣けました。助かった感動という簡単な感情ではなく、それまでのその子の状態がどんなに過酷だったかを思うと『辛かったね~(>_<)、でもよく頑張ったね~(;_:)』という気持ちで、胸が張り裂けそうになりました。
けれど、そんな出来事はTVの向こうの出来事ではなく、東海圏に暮らしている私たちには近い将来必ずわが身にふりかかってくる出来事です。
もしものその時、あの子たち(動物たち)を守るのは飼い主さん自身です。
ただ、守ると言ってもどう守るのか?
実際、津波や竜巻、地震から守ることは難しいですよね(-.-)。それら自然の脅威に対して身を挺したとしても、一緒に死んでしまうか、自分だけ死んでしまうか、どちらにしても動物さんにとっては飼い主さんがいなくなってしまったら、他に守ってくれる人はいなくなるので死に値します。
今回はそれから先の、動物さんを連れての避難についてのお話をしたいと思います。
災害発生時の動物さんの扱いは、各自治体によって全く異なりますので、まずはご自身の暮らしている自治体のHPなどで確認しておくべきです。(ちなみに尾張旭市は動物との同行避難が認められています。ほっ(*^^)v。)
ただ、避難所に入居できるにしても、それが難しくどこかに預かってもらう場合にしても、狂犬病予防接種(ワンちゃんの場合)と混合ワクチン接種は絶対条件で、受けていない動物さんは避難所で生活することは難しいです。また、ケージでの生活に慣れさせておくことも重要で、ずっと泣き喚いてしまったり、開けて開けてとケージを爪でひっかいて怪我をしてしまったりすると、ケージでの生活は無理=避難所で一緒に生活することも無理ということになります。また、
Ⅰ.動物同士を喧嘩させない。
Ⅱ.無駄吠え、無駄泣きをさせない。
Ⅲ.第3者でも散歩、世話をさせてくれるか?(ワンちゃんの場合)
Ⅳ.排泄のしつけはできているか?後始末は必ず飼い主さんがすること。(普段よりペットシーツの上で排泄することに慣らしておくことも重要)
Ⅴ.動物をしっかり監視し、第三者に危害を与える可能性をなくすこと。
など。最低でも、上記のような一般的な躾けは必須条件と言うことです。
また、しつけが完璧で無事避難所に家族一緒に入れたとしても、動物さんには物資がなかなか届かないことも予想されます。よって、動物さん用のフード、お水は必ず用意しておくことです。今回の震災では、4日後にペット関連物資が届いた所が多かったようですので、最低でも4日分のフードとお水は用意すべきでしょう。同様に排泄の管理として、ペットシーツも用意しておくと良いでしょう。あと、余裕があればケージもあると完璧ですね。(他、常備薬、食器、動物さんの写真など)
次に、残念ながら動物さんと離れ離れになったしまった場合・・・。
まず自治体の動物愛護行政に問い合わせます。動物愛護センターなどです。ただ、震災直後は初動態勢にバラツキがあり、対応が遅れた自治体などでは自主的に愛護団体などが勝手に救護活動を行った例もあるため、情報の集約の一つとして、「Google」、「MSN」などがペットを見つけられるサービスの提供を開始しました。「Googleアニマルファインダー」、「MSNペットサーチ」など一度のぞいてみて下さい。獣医師会も「緊急災害時動物救援本部」を立ち上げ、政府や行政機関と連携し、被災動物の救援活動を行っています。こちらもご覧下さい。
しかし、それよりも離れ離れになった動物さんを見つけるのに一番の方法は、あらかじめ動物さんに印をつけておくこと=「マイクロチップ」を装填することです。
マイクロチップには、「国」、「個体番号」などが組み合わされた個体識別番号が組み込まれています。この番号を日本獣医師会が管理するデータベースと照合することで、飼い主さんに連絡を取ることが出来ますし、飼い主さんが問い合わせることも出来ます。うちの病院でも、待合室にポスターなどを貼り普及活動はしているのですが、残念ながら装填率は全犬猫さんの2%ととても低いです。震災以降、全体的な装填頭数は伸びを見せているそうですが、一時的なはやりでなく、継続的に普及すると良いな~と願っています。
マイクロチップは首輪などと違って外れることがないため、離れ離れになった言葉の話せない家族(動物さんたち)と再び会えるための最後の、最後の命綱になります。万が一のため、マイクロチップを装填し、寿命を全うして天に召されるまで一緒に暮らせるよう、備えたいものですね(^-^)。
2011.06.01
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『人間関係・動物関係』 No.27 2011.3月
人間関係とは不思議なもので、なぜか性格も何もかも違うのに仲良くなったり、反対に理由もなくいけ好かなかったり・・・。動物同士も、親子兄弟で流血喧嘩をする子もいれば、ある日突然やってきた子と仲良くなったりします。目に見えない『何か』があるのでしょうね。
それと同様に、お店や美容院、病院などでも合う、合わないがありますね。例えば「すごく良いよ」と紹介されて行った美容院が最悪だったり、患者さんでごった返しているけど(おそらく私以外は良い病院だと思っている)二度と行きたくない病院もあります。動物病院もおそらく同様で、こちら側にいるとわからないけれど患者さんには感じる何かがあるのでしょう(>_<)。
でもそこで病気を治すという最重要課題は絶対的条件で、それが出来なかったら来院して頂く価値もありません。ただ、メルモの癌のように(Drりえのお話 No.3参照)治すことが出来ない病気もありますし、治癒するまでに時間が掛かる病気もあります。また、治す前に診断に時間を要する場合だってありますし、費用がかかる場合もあります。そんな時、信頼関係が必要になります。動物さんが小さい時からや昔から来院していただいており、私たちを信頼して下さっている方の場合は、診察・検査等もスムーズに行き、確定診断までの時間が最短になり、結果治癒までの経過が短く、治って良かったと思って下さるのですが、少しでも不信感をもたれている方の場合は、まず検査で一悶着あり、すったもんだしている期間が時間のロスとなり確定診断が遅れ、治療方針でさらに二悶着も三悶着もあり治療が遅れたり、『マリアはダメだ!』と転院されてまた始めから検査等を行うことになり、もっともっと治療が遅れ、結局あの病院がいけなかった!と、濡れ衣を着せられる事になります。
なので、『マリアと肌が合わない!』と感じられる方は、動物さんの事を一番に考えるのであれば(悲しい話ですが(>_<)・・・)転院していただいた方が良いと思います。肌が合わない云々はどうしようもないですから・・・。でもそうでなくて『ちょっと不信感(-“-)』ぐらいの場合は、その気持ちを私にぶつけてみてはいかがでしょう。それでも納得がいかなければ早めに転院されることをお勧めします。(人間の都合で、動物さんたちを巻き添えにすることは避けて下さい。)人間関係、ぶつかり合って親密になることだってあるのですからね・・・(#^.^#)。
ホテルのお預かりもしかりで、うちは病院でありホテル屋さんでないため、だれでもかれでも預かるということはしていません。と言うのも、動物さんは『モノ』ではないため、どんなに大切に丁寧に扱っても『何か』があることはあります。精神的な食欲不振、下痢などの他、突発的な出来事もあるかもしれません。そんな時、いつも診察にも来ていただいている方は、私の診察方針・診察方法、スタッフ皆の動物さんの扱い方、病院全体としての動物さんへの思いやり方、などなどをよぉ~~く♥分かって下さっているので、こちらとしては『私たちが世話を怠ったと思われてしまうのではないか』などの変な気使い?もなく『治ってね(*_*)』と心からの治療が出来ますが、そうでない方の場合は、非常に難しい事になります。・・・本当に悲しいです。入院は当然ですが、お預かりの子たちもこんなに大事にしているのに・・・(:_;)。
リアルタイムに今、東日本大震災で避難所での生活を余儀なくされている方がたくさんいらっしゃいます。その中には、動物が嫌いな方もいらっしゃるでしょうし、病気で動物と接触できない方だっていらっしゃると思います。なので、避難所の中に動物さんを入れることは難しい状態になっているはずです。
間違いなく、いつか起こるであろう東海地震の際でもその状況は変わらないはずです。
うちの病院はぶっとい柱で建ててあるため、ちょっとやそっとの揺れでは倒れる心配はありませんが、何があるかわかりません。なので、いつかくるその際には、私は避難所には行かずに預かりの動物さんたちと一緒にいる覚悟でいます。守れるものなら身を挺してでも守ります。でもどうしようもない場合、死ぬ時は一緒です。それほどの覚悟を持って、大事な動物さんたちをお預かりしています。ただ、私も神ではないため、信頼して下さる方には命をささげれますが、そうでない方にはできません。そんな理由で、信頼関係がない方のホテルのお預かりは勘弁願いたいです。
人間関係から始まり話はかなりそれましたが、人間関係の始まりと言えば学校の先生ですよね。なんとなく合わない先生、合う先生っていますよね。私はまめなタイプではないため、ずっと連絡を取り合っている恩師はおりませんが、忘れられない先生はいます。高校時代、数学が大好きだった私はどこからともなく難しい問題を集めてきては説き、その説き方に問題はないかと先生に見てもらっていました。担任でもなんでもなかったのに、先生は毎日丁寧に教えて下さいました。その先生がなんと!!、病院に来て下さったのです(^O^)。ワンちゃんを飼われて患者さんとして。何十年(?)ぶりでしたが全く先生は変わられておらず、ワンちゃんはとても可愛らしく、私は本当にうれしかったです。この仕事をしていて、嬉しいことは日々たくさんありますが、違った意味で嬉しい出来事でした。
『マリアが良い♥』と思って来院して下さる方々に決して、決して恥じることのないように、日々勉強をしていこうと心に決めた開院記念日(3月20日)でした(*^_^*)(*^。^*)。
2011.03.01
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『2011、にゃおワンワン年だけど兎年』 No.26 2011.1月
本年はうちの電話番号の年、2011、にゃおワンワン年です。ちなみにうちはファミリー皆の車のナンバーも2011です。
だから何だってことはありませんが、ゴロ合わせが好きな私としては、今年はいつもの年よりも、更なる飛躍が出来ればと切に願っています。
ただ私自身の年まわりが今年まであまり良くないため、今年いっぱいはスタッフの運を頼りに私は地道に勉学に励み、来年につないで来年芽吹きの年となるように頑張りたいと思っています。さて本題に入ります。
今年は兎年。うさぎ大好きな私としては、ペットとしてのうさぎさんの認知度UP➚がとても嬉しいです。お正月TVも可愛いうさぎさんがいっぱい出ていました♡。
有名どころとしては、ピーターラビットのモデルになった小さなお耳のネザーランドドワーフ、お耳が垂れ下がったホーランドロップ、短いお耳とお顔の周りに飾り毛がほわほわしているライオンラビット、ビロード(ベルベット)のような毛質を持つレッキスなど、また珍しい種類としては、体重が7~8kgにもなる巨体の世界最大のうさぎ、フレミッシュ・ジャイアントなんてのもいます。それらは(ワンちゃん猫ちゃんしかりですが)血統がしっかりしているためお値段も2、3万円から10万円ぐらいと、こちらの方もしっかり(>_<)しています。よくペットショップで2、3千円で売っているうさぎさん、あのこたちも小さくて可愛いですよね~(#^.^#)、でもあのうさぎさんは前述のうさぎさんといわゆる小学校とかで飼われている普通のうさぎさんとのMIXで、ミニウサギと呼ばれています。でもミニと言っても小さいのは赤ちゃんの頃だけで、大人になると2kgちょっとと大きくなり、短かったお耳も伸びてきます。
ちなみに本物のネザーランドドワーフは大人になっても体重は1kg満たないぐらいですし、お耳も伸びてきません。
また、うさぎさんは皆さんが思っているよりも知能が高いのです。いたる所でおしっこうんちして、自由気ままに生きていると思われていませんか?いいえ、うさぎさんは躾ければちゃんとトイレでうんちおしっこできますし、人(個人)にもちゃんと慣れます。(うちのスウリは、私たち夫婦には二本足で立ってお菓子を頂戴頂戴しますが、知らない方にはしません。)種の特異性があるので一概には比べることが難しいですが、猫さんと同じぐらいの知能を持っていると思います。
さぁ(*^_^*)飼いたくなってきましたか~?では次は飼ってからの注意点をお話します。
1匹飼うとその可愛さに惹かれてもう1匹飼ってしまう方も多いですが、うさぎさんは小さい時には雌雄の判別が難しいので、同性を飼ったつもりでも異性だったなんてことも少なくありません。そんな場合、気づいたら出産してた~(>_<)なんて事がよくあります。というのも、うさぎさんは4~5ヵ月ぐらいで出産可能になってしまうのと、交尾排卵のため交尾をしたら妊娠してしまう確率が非常な高いからです。また、妊娠期間が1ヵ月と短いため、飼い主さんが妊娠に気付かないうちに出産なんて事になるのです。また、通常一度に5匹以上の子供を産むため貰い手などの確保も難しくなります。最悪、貰い手が見つからないままダラダラしていたらまた出産なんてことも・・・・。
あと、多い疾患が誤食ですね(>_<)。誤食と言うべきか・・・、うさぎさんに食べさせて良い物悪い物など、うさぎに関する知識を全く持っていないまま飼育されている方もいらっしゃいます。うさぎさん用に売っているものがすべて良い物ではありません。良かれと思ってせっせと与えていたお菓子のせいで膀胱結石となり手術が必要になる子、喜ぶからと言ってお菓子や高カロリーフードばかり与え、正常な胃腸の動きが出来なくなって亡くなってしまう子、柔らかい物しか与えず、歯が伸びてしまって麻酔処置が必要になる子・・・、飼い主さんが作り出してしまった病気のために苦しんでいるうさぎさんがとても多いのも現状です。
また、例のあののりピーの【碧いうさぎ】でもあるように、よく『うさぎはさみしいと死ぬ』と言われます。『そんなの迷信だよ~(*_*;』と?!、あながちそうでもないかもしれません。当然さみしいだけでは死にませんが、元々自然界で弱肉強食の底辺にいるうさぎさんたちは、『どんなことがあろうと生き抜いてやるぞ~』的なガッツな部分がなく、痛みにも弱いし、肉体的・精神的なショックにもとても弱いし、わんこたちのように調子の悪さを前面に押し立ててきたりしない楚々とした生き物なのです。(わんこたちはこれ見よがしに、私は調子が悪いのよ~と言ってきますけれどね(~_~;))よって、そんなうさぎさんをペットにする場合には、飼い主さんが十分に様子を観察し、ほんのちょっとの異変にも気づいてあげなければならないのです。
さぁどうです?ちょっと飼うのが面倒になってきましたか?
今年、ペットショップにはうさぎが増えることでしょう。可愛いしお値打ちだと、つい飼ってしまいそうになります。けれど、今お話したことをしっかりと理解し、幸せにしてあげれる自身をつけてから飼って下さいね(*^_^*)、決して衝動買いはしないようにして下さいね。また、最近私の気になることは、学校で飼われているうさぎさんたちの存在です。私は幼い時学校で動物を飼った経験がないため、学校動物の現実を知りません。ちゃんと可愛がってもらっているのでしょうか?、適切なフードが与えられているのでしょうか?、繁殖などもしっかりと管理しているのでしょうか、暑い日、寒い日の温度管理などもちゃんとしてあげているのでしょうか?
皆さんの子供さんの学校はどうですか?
指導する先生方はちゃんとうさぎの知識はお持ちでしょうか?
お家の動物さんと同じように管理してあげているのでしょうか?どんな命でも、大切なひとつの命です。生まれたての子うさぎだろうとなんだろうと、幸せに生きる権利があります。その権利を踏みにじることなど許されません。
兎年の今年、今一度周りを見まわしてみて下さい。可哀想な思いをしているうさぎさんはいませんか?(ちなみにうちのスウリは元々は野良ウサギでした・・・。)P.S 昨年末、少し体調を壊していたうちのメルモ(Drりえ No.3「うちの子が癌になりました」参照)も、おかげさまで無事年を越すことが出来ました。毎日の点滴、投薬にも頑張って耐え、鼻血は随時出ていますし、鼻で呼吸もできませんが、本人はけろっと楽しそうに生きてくれています。毎月放射線を当てて下さっている大学の先生、いつもメルモの状態を気にかけて下さっている方々、本当にありがとうございます。メルモはまだ頑張れそうです。今年もメルモの元気な顔を見てやって下さいね(*^_^*)。
2011.01.01