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    『獣医はビジネス?』        No.25  2010.11月

     やっと、獣医師もドラマになる時代になりました(^-^)。日曜9時、ゴールデンタイムですよ。しかも主演が小栗旬。皆さん観ていますか?

                                                                                           

      『獣医ドリトル』。
     今までも主人公が獣医師である単発ドラマは多々ありましたが、獣医師の仕事をおもしろおかしく?追及してくれるドラマは初めてです(*^_^*)。

                                                                                                    

     そしてこれまた獣医師がかっこいい(*^^)。ここで美人開業獣医師として、高島礼子なんぞが出てきてくれたら言うことない!!なんて言ってる場合ではなく、小栗旬が必ず一度は言うセリフ『獣医はビジネスだ。』を追求したいと思います。
     確かに私も、おそらく他の獣医師の方も、遊びとしてでなく仕事として獣医師をしています。また、私のようにスポンサーがついていない開業獣医師の場合は、そこには借金も存在しているし、仕入れ代だって馬鹿になりません。特定の動物さんのために仕入れた1錠原価800円以上、100錠入りのお薬が、その動物さんが来院されなくなったらただの薬局のゴミになってしまったり、もしもの時のためだけに常備している人工血液なんて、100mlそこそこで3万もしますが、期限切れで処分することなんてまれではありません。それらをひっくるめて、私たち獣医師はやはり治療に対する報酬を頂かなくてはならないのです。また、開業前の私の夢は宝くじに当たってボランティアで獣医師業をすることでしたが、動物の命をこの手一つ(スタッフ一同)で責任もって守る日々を何年も過ごしていると、報酬を頂かないで、夜中に何度も起きたり、ほとんど徹夜が何日も続いたり、休日返上で予定も全却下で治療を行ったり、場合によっては講習会を中抜けして治療を行い、再び講習会に戻ったり・・・、そこまでの事ができるのであろうかと真剣に悩むことがあります。おそらく今現在の私では、そこまで悟りは開けていません。

     

     状態の悪い動物さんを診ると、まず心の底からふつふつと『この子を治したい!』という気持ちが湧き上がってきます。
     

     その次に、『飼い主様から大事な子を任されるのだ!』という責任感がど~んと圧し掛かってきます。この2つの感情でもって自分のことなんかよりも『大事なこの子を助ける』ということが最優先順位の出来事となるのです。ということは「報酬を頂く=お金を頂くのだから責任がある」という図式であって、ドラマのドリトルのように、報酬を沢山頂くということは非常に責任があるということになり、私のような凡人はドラマを見ているだけでプレッシャーで胃が痛くなります(-“-)。 

                                                                                                     

     では『ノラ猫さん、捨て猫さんなど飼い主さんのいない動物さんたちはどうなの?適当に治療するの?』と思われてしまいますよね(-“-)。ノラさんなどを連れて来院される方のほとんどが、拾ってしまった時点でもう飼い主さんで『見つけちゃったから・・・(*_*;。』と治療費はしっかり払われます。とは言っても、やはり見ず知らずのノラさんに膨大な治療費をかける余裕(金銭面&メンタル面)のある方は少ないため、そこからは連れてきた方と私の間の信頼関係やら、その他もろもろの要素も加味し、どんな治療を行うか決めていきます。
        私だって動物が好きでやってるこの仕事☆(*^_^*)、ドリトル先生みたいに『治療費は100万だ!』何て言わず、助けて下さった方の思いと、これから先のその子の人生が良きものになるようにとの思いを込めて、その子にとっての最適の治療を行います(*^^)v。でも・・・たま~に、『私は見つけて連れてきただけなのよ~。だってほっておくと可哀想じゃない(+_+)。』と、微多一文治療費を払おうとされない方もいます。そんな場合は、とっとと帰りやがれ~と塩を撒きます・・・・とは出来ないため、『あなたは偽善者ですよ~』的なことをオブラートに包んで言うのですが、そのような方には全く響かない(-“-)!!。結局、動物さんには罪はないため責任感のない治療が始まるのですが、一つだけはっきりさせておきたいことは、治療費を払わないつもりで動物病院に動物を連れていくということは、どんな状況だろうと良い事でなく、無銭飲食と同じことです。夜寝る前に、『私は今日良い事をしたわ~。』などといい気分で寝ることは決してできないということです。逆に『私は今日、無銭飲食をしてしまったわ。』ぐらいの懺悔の気分で眠りについていただきたいです。

                                                                                                       

     また話はそれますが、先ほど『この子を治したい!』という気持ちの後に『大事な子を任される』責任が圧し掛かかるというお話をしましたが、たまに私の気持ちだけが一方通行になる場合もあります。
     

     飼い主様が治療を希望しない場合と、私には治療を任せてくれない場合の2パターンがあるのですが、前者の場合が歯がゆくて、治療しなければ必ず亡くなってしまうことが分かっている場合は、いっその事所有権放棄(その子を手放して私に譲る)をしてくれないかしらと心から願うこともあります。そうなると責任感のない治療が始まりますが、治るという可能性は残ります。後者の場合は、恋愛と同じで仕方がないですよね(-.-)。
     

     ある病院の基本方針は「当院に来られた患者さんは、必ず当院で診断を下し治療をする」らしいのですが、うちは全くその考えに共感できず、もしうちで確定診断が難しい病気であれば、その分野が得意な先生に協力をお願いしますし、治療に関しても同様にします。また、重篤な状態であればあるほど自分の時間を無にして治療に専念するわけですので、飼い主様と信頼関係の築けていない場合(簡単に言うと、『あなたたちには治せないでしょと』思われている方ということです。)はどうぞ信頼している病院へ転院して下さい、という方針でやっています。逆に、信頼して来院して下さる場合はスタッフ一同で『何が何でも治そう!』と感情移入して治療を行います。この感情移入が厄介で、元気になってくれれば飼い主さんと嬉しさを共有でき本当に嬉しいのですが、最悪の事態になってしまった場合も気持ちを共有してしまうので、うちのスタッフは日常生活で普通の方々よりも、嬉しさも悲しさも多く味わってしまっています。そんな所がうちの病院がいまいち大きくなれない所以なのでしょうけれど、アットホームな感じが私たちらしいかなと満足していますし、変えようとも思っていません。

       『獣医はビジネスだ。』からかなり話はそれてしまいましたが、獣医ドリトル、これからどういう話が出てくるか楽しみです。日曜日はちびまるこちゃんに始まり、サザエさん、そして食事の支度、食事、片づけをして、獣医ドリトル、お風呂入ってPSかな(*^_^*)。皆さんも幸せな日曜日を過ごしましょうね

    2010.10.01

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    『最後をみとる責任』         No.24 2010.8月

     約四半世紀ぶりに、動物さんの映画(TV版、ハリウッド映画)『HACHI』を見てしまいました。

     小学生の頃『南極物語』を見て以来、何があっても動物主役の映画・ドラマは見るものか!と心に決め『今日のワンコ』以外は見ていなかった私が、つい可愛い仔犬がTVに映っているのを見て、流れで見続けてしまいました。(当然ハチが死んでしまうところは見ていません・・・(;_:)。)

     ご存知の方も多いとは思いますが『HACHI』は昔の日本映画『ハチ公物語』のハリウッドリメイク版で、 死んでしまった飼い主さん(お父さん)を駅で待ち続ける話です。ハチは毎日出勤するお父さんを 駅まで見送り、帰宅するお父さんを迎えに行っていました。ある日、お父さんは普段どおり出勤時にハチと一緒に駅まで行きます。しかし、職場でお父さんは突然死してしまいます。そんなことを知ってか、知らずかハチはいつものお父さんの帰宅時間に、いつもの駅までお父さんを迎えにいきますが当然お父さんは帰ってきません。その日から、ハチは毎日駅でお父さんを待ち続け、月日と共に老い、駅で亡くなってしまうと言う話です。

     私はそこで重大な事実を知りました。

     ハチの身近な人間は誰一人「お父さんは死んでしまったから、もう帰ってこないんだよ」と、言葉でハチに教えてあげていないではないですか(ー_ー)!!。「もう帰ってこないのよ~!」とは 皆言いますが、何で帰って来ないのかは教えてあげていない(>_<)。それはいかんですよ!

     おそらくハチはお父さんが死んでしまった事は知っています。でも、人間の口からその事実を聞きたかったのではないでしょうか。
       そして家族みんなで、お父さんが死んでしまった悲しみを共有したかったのではないでしょうか。
       お父さんの亡骸にサヨナラが言いたかっただろうし、お葬式には出席できないにしろ、心の中で魂にもサヨナラが言いたかったに違いありません。

     その儀式たるものに全く関与させてもらえず、ハチは駅でお父さんの魂を待ち続けることしか出来なかったのでしょうね。

     日本版の元祖『ハチ公物語』はどうなのかわかりませんが、犬猫目線の私としては、ちょっと納得のいかない話でした。

     我が家の子供たち(犬と猫)にも、私が死んでしまったら同じように私を待ち続けるであろうと思われる子がいます。 犬は2頭とも胃に穴が開くでしょうし、猫のクララは引きこもりに逆戻りで、最終的には胃に穴が開くでしょう。
       そんなことにならないように、動物を一旦飼ったのであれば責任を持って人が最期を看取る責任があります。そうしたくても出来ない場合も少なからずあるとは思いますが、私は人生であと何頭動物が飼えるかな(?_?)なんて真剣に数えたりします。

     また、今では人間の子供も平気で育児放棄する世の中ですが、動物を家族にすると決めたのであれば、何があっても放棄はしないで頂きたい(`´)。人間の事情で致し方ない 場合もあるでしょうが、これまた犬猫目線の私からすれば、どんな理由であろうと勝手な言い分です。「衝動買いしちゃった」なんて方もいらっしゃいますが、衝動買いだろうとなんだろうと、もし若夫婦だったら「子供が出来たらどうするか」「子供が動物アレルギーだったら どうするか」「子供が大きくなって学費がかさむ様になったらどうするか」、独身の方は「結婚後はどうするか」、転勤のある方なら「転勤の時はどうするか」、ご年配でお一人暮らしの方は 「入院などする場合はどうするか」などなど、また動物が病気になった時には、治療費はどのように工面するか、など様々なことをしっかりと考えて飼って頂きたい。 

       人間の子供は出来てしまったら仕方ないけれど、動物さんは出来てしまうことはありません。 理由(拾ったにしろ、もらったにしろ)はどうであろうと、飼おうと思って飼うわけですからね。
     私の一番嫌いな言葉『飼えなくなったからあげちゃいました~』なんて言葉、絶対に耳にしたくありません(-_-;)
     

     動物に対する目に見える虐待だけでなく、ネグレクトまでもしっかりと取り締まれる法律の改正を待ち望む今日この頃です。
    大切な動物さんを残して死んでしまったら逮捕?されるかも 知れませんから、飼い主さんは日々健康に注意して長生きしてくださいね(^_-)-☆。
     どなたか『動物幸福党』なる政党を立ち上げてください(^。^)。ウグイス嬢しますよ~(?_?)。

    2010.08.01

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    『ウィルス病って何?』         No.23 2010.6月

     今、宮崎では牛の口蹄疫騒動で大変なことになっています。

     この口蹄疫。いったい何者なのか、ご存じですか?
     『ウィルスでしょ(^^)/』と、ご存知の方も多いと思いますが、ではウィルスって何?『菌でしょ(^^)/』 では、菌(細菌)とウィルスの違いは?(;_:)・・・・。

     詳しい説明は、おそらく読んでいただけないでしょうから省きますが、ウィルスは細菌よりも ずっとずっと小さく(50から100nm程度)、やっと電子顕微鏡で見える大きさです。また、 ウィルスは単独では生きていけず、絶えず生物の細胞内で増殖し、その後宿(生物)を替えて また増殖をします。生物からすれば、ウィルスに細胞を貸してやったのに病気を引き起こす という、ほんとにフトドキ物なのです。

     治療は細菌には抗生剤を使いますが、ウィルスによるものはほとんど根本的な治療がないため、 まずは罹らないようにワクチンを接種することが一番です。でも、もし罹ってしまったら 対症療法といって、ウィルスによって起きている症状を和らげ、細菌による二次感染を防ぎ、 ウィルスの力が弱まってくるまで、体が負けないような治療をします。

     話は口蹄疫に戻りますが、口蹄疫の原因ウィルスはピコルナウィルス科の仲間で、親戚にA型 肝炎ウィルスやポリオウィルスなどがあります。また、ニュースなどでノロウィルスや新型インフルエンザ、 口蹄疫は特別な病気で、そら恐ろしい病気のように流されますが、ワンちゃん、猫さんにも 日常的に移る、怖いウィルス疾患は非常にたくさんあります。

     ワンちゃんのパルボウィルス感染症や、ジステンパー、レプトスピラなどは、もし人間の病気であれば 発症者が出たら、即隔離、毎日トップニュースになるぐらいの大事件(死亡率高!)ですし、猫さんの 汎白血球減少症なんて、ウィルスの力が信じられないほど強く、お家の中にしかいない猫さんが 飼い主さんの靴裏にくっついてきたウィルスに感染して、発症して亡くなってしまうこともあるほどの 驚異的な強さなのです。人間だったら、えらいこっちゃ(>_<)です。

     何気なく接種されている混合ワクチンですが、これがあの子たちを守っているのです。

     『でもそんな病気、あんまりないんでしょう?』と、お考えの方、甘いですよ~<(`^´)>・・・。
     ワクチンを接種さえしていれば、防いであげられる病気で動物さんを亡くすことは、私たち病院側の 人間としては、非常に悔しいし、怒りさえ覚えてしまうこともあります。
     狂犬病の予防接種は、公園などで集合接種を行い、法的規制もあるため、『接種しなくては!』 という意識が強いですが、混合ワクチンにはそのような意識をお持ちでない方が一部いらっしゃる ことは、非常に残念です。

     また、トリミングやホテル、ドッグランなどを利用される場合、狂犬病やワクチン接種の証明書の提出が 必要不可欠ですが、もしなくしてしまった場合『いつ接種したか?』と根掘り葉掘り尋ねたり、 『接種されてないので利用出来ない』の一点張りの施設は、一見冷たく感じ悪~いようですが、 裏を返せば、接種していない子を受け入れないわけですので、施設内の子たちはみんな接種済み の子たちなので、絶対に伝染病ではないため安心です。反対に『接種証明書がなくても 大丈夫ですよ~』なんてところは、とても良心的な感じですが、どんな子でも受け入れている ということなので、伝染病を持っている子でも誰でも施設内に入れてしまうということなので、 非常に恐ろしいです。
     日常生活でも、うざったらしいことを言ってくれる人の方が、自分のためを思って言ってくれている のですから、ありがたく思うべきですよね(*_*)。

     ウィルス病だけでなく、今のこのご時世で、防いであげることができる病気・・・フィラリアだとか、 子宮蓄膿症や乳腺腫瘍や前立腺疾患(Drりえのお話 No.4参照)、ノミダニ媒介性疾患・・・など で動物さんを亡くすことは非常に残念です。また、話はそれますが、早期発見によって 完治できたり、寿命をかなり延ばせるような疾患を見過ごしてしまう場合も非常に残念です。

     うちの病院は常日頃、フィラリア予防をしっかりしろだとか、ノミダニ予防をちゃんとしろだとか、 健康診断をしっかりしてだとか、とにかくうざったらしい(+_+)。でも、最後に苦しむ姿を診る私たちは、 『私たちがしっかり話していれば防げたのではないか』という後悔に苛まれるのです。

     伝染病にしても、フィラリアにしても特別な病気ではありません。
     病気の予防と早期発見で、いつか大事な動物さんが亡くなる時、『ごめんねm(__)m』ではなくて、 『ありがとう(^。^)』と、お別れが出来るような関係を築けるお手伝いをしたいと思っています。
     これからも、う・ざ・い・(>_<)マリア動物病院でいきますよ~(^_-)-☆。付いて来てね(^。^)。

    2010.06.01

  • dr

    『多頭飼育について』         No.22 2010.3月

     最近、動物さんたちを多頭飼育される飼い主さんが増えています。
     

     うちも、ワンちゃん2頭、猫さん4頭、うさぎさん、オカメインコさん1羽ずつ、人間2人で毎日ワイワイと楽しく生活をしておりますが、たくさんいると当然楽しいことも多いですが、争いも増えます。 うちの動物どもは、基本的には仲良しで、傷が出来るほどの喧嘩はしたことがありませんが、あっちで猫たちがパンパンと叩き合いをしていると思ったら、こっちで猫鍋になっていたり、フーフーと威嚇し合っていると思ったら、お互い舐め舐めしながらうっとり、まったりしていたり・・・。また、多動物間の交わりも、これまたおかしく、うちでは、猫がせっせと犬の顔や耳を舐めてあげて犬がうっとりしていたり、猫たちがうさぎの水を飲むと(うさぎも放し飼いです)うさぎがブチ切れて、猫に反撃に行きますが、猫たちは高い所に逃げ、上から目線で『ねぇ怒らないで〜(^O^)』てな調子で、うさぎをチョンと触り、さらにうさぎを怒らせたりしています。

     そんなかんなで、見ていて微笑ましいです。・・・ただ一つの組み合わせを除いては…((+_+))。

     ただ一つ、ダックスの茶々とうさぎのスーリ、この2頭は決して一緒にできません。
     茶々はスーリの事が大好きで、好きすぎてどうしたら良いかわからず、舐め舐めしすぎて収拾がつかなくなり、噛み始め、振り回します。そうなるとスーリは死にます。(死の直前まで行ったことあり(*_*)) 以来、茶々がスーリの所に行くためには、高い塀を2回越えなくては行けないように場所分けをしました。
     だって、いくら茶々を怒っても、ダックスにとってうさぎは本能的に獲物としてインプットされていますよね。その本能に火がつかないように人間が、気をつけるしかありません。

     人が人を殺める時、それは敵意を持って行いますが、動物が動物を殺める時、それは本能に素直に行動しています。自分を守るためだったり、捕食のためだったり・・・。

                                                                                      

     しかし、最近の動物さんは噛む力の手加減を幼い時分に、母犬や兄弟犬から学んでいないため、力加減が全く分からず、自分を育ててくれている飼い主さんに噛みつき、骨折させてしまったり、遊びがエスカレートして、血みどろの戦いとなってしまったり、本能から外れてしまった部分での殺し合いも増えてきています。

     
     ただ、本能だろうが、力の入れ具合の無知だろうが、同じ場所で、一緒に生活をするためには、殺し合いはあってはならないことですし、いつも大丈夫だからということも決してありません。
     私たち人間の都合で、新しい仲間を増やし、『仲良くするのよ〜(^O^)』なんて言われても、動物さんたちからすれば『知ったことかよ〜(`´)』と思っているかもしれませんよね。

     動物の多頭飼育は、動物にとっても人間にとっても、楽しいことが多いですが、それなりのルールだけはしっかりと作ってください。ちょっとした喧嘩でも注意を払い、以後どうしたら防ぐ事が出来るか、考慮することも必要ですし、いつも大丈夫だからとほっておくことは絶対にしてはいけないことですし、争いを無にすることが出来ないのであれば、どうするべきなのかと、考えることも必要です。

     そして、もし、最悪の事態が起こってしまったら、その責任は人間(自分?)にあるということを、しかと!認識して下さい。様々な他(人や事柄や動物)のせいにせず、事実をしっかりと受け止め、墓場までその思いを持って行って下さい。そして、あの世で亡くなってしまった子に謝りましょう。いくら悔やんでも、亡くなってしまった子はもどってきてくれないのですからね。

     こんな偉そうなことを言っている私ですが、私も墓場まで持って行く事があります。私のミスで文鳥さんを亡くしました。犬も猫もいる家なので、もっと注意をしなければいけなかったのに・・・。
     許してくれるか、くれないかは、これからの生活によると思います。私はなんとか許してもらえるよう、日々気をつけて生活をしているつもりです。
     皆さんも、十分、いいえ十二分に気をつけて、楽しく、たくさんの動物さんとワイワイと生活をしていきましょう。

     多頭飼育は、1頭飼育の何十倍も楽しいことがあるのですから(^−^)。

     
     

    2010.03.01

  • dr

    『2010年、誓いの言葉』      No.21 2010.1月

       2010年、今年も始まりましたね~。 
                          
     私ごとですが、年末にメルモが鼻血を出しまして、獣医師であることも忘れ(良く忘れる)私ったら泣くは、喚くは、パニックを起こしてしまいました。可哀想に、メルモは自分がお姉ちゃんを泣かしてしまったことが分かるので、『私は大丈夫』とばかりに一生懸命に私をなぐさめに来てくれました。年が明けてからはメルモの鼻血は落ち着いてくれていますが、戦う相手は「癌」なので油断はできません。今年もメルモと二人三脚で戦っていきたいと思います。                       
    Drりえ 『うちの子が癌になりました』参照)   
                        
     皆さんも昨年はいろいろあったと思いますが、新しい年が良い年になるように、元気に頑張って生きていきましょう。                       
                            
       さて、2010年。1970年生まれの私は、今年大台に乗ります。若かりし頃描いていた人生設計(30歳で結婚、結婚後も雇われ獣医を続け、35歳で女の子を出産。)は全くを持って実現していませんが、思い返してみると、自然の流れでいけば描いていた通りの人生を歩めたはずが、わざと設計通りにならないように!とでも言うように、自ら壊して今の人生を選んでしまったような気がしています。 
                          
     若かりし頃に描いていた設計は35歳まででしたので、大台からの人生は壊すものもなく、ゼロから出発出来そうなので、とても楽しみです。   
                        
                            
     病院を建てて8年。開業当初は『こんな若造が言うことを、聞いてもらえるだろうか』  『治療には時間がかかることが分かってもらえるだろうか』などや、もし1日でも病院を休診にしてしまったら、『こんな病院はダメだ。なんて思われてしまうのではないか』などとマイナス思考的 な思い込みが多く、言いたいことをオブラートに包んでしまったがためにうまく伝わらずに 落ち込んだり、体調がかなり悪くて半日でも、数時間でも休めば良いのに、それが出来ずに後に響いてしまったり、今思うと余分な頑張りが多かったと思います。  

                         
     この8年で、そんな偏った考えのために、犠牲にしてきた事がたくさんありますが、その余分な頑張りのおかげで今の私、今の病院があることは間違いないですし、おひとりでも「マリアで診てもらって良かった」と思ってくださる方がいらっしゃれば、私のしてきた事の意味があったと信じています。
                           
     最近では(年をとり度胸が据わってきた)『わかってもらえるはずだ』を前提に、真摯に診察、 治療に打ち込めるようになってきたため、30代とは違う、病院づくりがしていけるのではないかと 胸躍らせています。                       
     余分な頑張りは捨て、的を絞った頑張りで動物さんと飼い主さんの手助けをしていけたら 嬉しい限りです。     
                      
     『今年も休まずに、みんなを助けるために頑張りますよ~(^-^)。』                       

    2010.01.01

  • dr

    『歯が痛いのはつらいですよね』   No.20 2009.12月

     私、十何年ぶりに歯医者さんに通いはじめました。ここ何年も冷たい物は食べられず、熱い物も気をつけながら食べるほど悪かったので、恥ずかしくて、歯医者さんに通う勇気が出なかったのですが、そんなこと言っていられないほどの痛みに襲われ、通い始めました。

     歯が痛いと当然、生活の質も悪くなりますね。というか、生活できないですよね。

      現代の生活の中で、歯医者さんがもしなかったら生きていけないんだな〜((+_+))と、痛感しました。
      動物さんはどうでしょうか?

     うさぎさん、ハムスターさん、モルモットさんでは不正咬合で、おかしく歯が伸びていってしまう病気の子たちがいます。そのような場合は、定期的に切歯処置を行います。切歯しないと、ご飯が食べられなくなったり、歯が頭の方に突き抜けてしまったりして死んでしまうため、あの子たちが生きていくためには、我々獣医師は必須な存在ですね。

     ワンちゃん、猫ちゃんはどうでしょうか?
     ワンちゃんたちは、うさぎさんたちと異なり、我々と同様に不正咬合があっても歯は伸びてきません。

      では一番の心配は人間同様 「虫歯」でしょうか?。
      『何言ってんだよ!。犬は虫歯にならないよ〜(^・^)』などと、自信満々におっしゃっている方〜・・・。

      間違っていますよ(^^♪。たしかにワンちゃんのお口の中は、人間と比べて虫歯菌が繁殖しにくいため、人間のようには虫歯になりません。でも今どきのワンちゃんの、お口の病気の約1割ぐらいは、虫歯が原因であると考えられているのですよ(>_<)。
     では、一番の心配は?・・・・答えは「歯周病」です。

     歯周病とは、歯垢中の細菌が原因で、歯の周囲に炎症が生じる病気で、歯肉のみに炎症が生じている状態は「歯肉炎」、さらに状態が進み、もっと根が深くまで炎症が生じている状態を「歯周炎」と言います。人間と同様です。さすがに痛みが出てくるため人間はこれ以上ほっとく人はいないでしょうが、ワンちゃんたちは我慢強い((*_*)?)ため、そのような状態でも飼い主さんに軽いアピールしかせず、注意深い飼い主さん以外はその状態も見逃し、しだいに歯が抜け落ち、菌がさらに悪さをし、炎症が鼻まで進み顔から血膿が出てきたり、眼の下に膿がたまったり、顎の骨が折れたり、本当に可哀想なことになってから受診される場合も少なくありません。

      また、お口の周りの問題だけでなく、お口の中で増殖した菌が血液の中に入り込んでしまうと、心臓、肝臓、腎臓、骨、関節などで悪さをし、細菌性の心臓病、肝炎、腎炎、骨髄炎、関節炎などを引き起こし命を落としたり、食べ物とともに消化管に入り込むと、慢性的な下痢、嘔吐などを起こします。
     そのように進んでしまった歯周病まで行ってしまうと、完治は難しくなるため、その前の歯肉炎の状態で、できれば受診していただきたいです。

     では、治療法にはどのような方法があるのかご存じですか?

      歯周病発生の始まりは(上記でも述べていますが)、まず歯垢がつきます。その段階で歯垢を取る=歯磨きなどをすれば良いのですが、歯垢に唾液中のカルシウムやリンが付着し、石灰化すると歯石となり、さらに歯石表面はザラザラのため、さらにその上にすぐ歯垢が付着します。

      さらにワンちゃんは口腔内がアルカリ性なので、歯垢から歯石になるまでわずか3〜5日です。
      一度歯石が付いてしまったら、通常の歯磨きでは落とすことができません。
      よって、歯石が付いていない歯の場合は、ブラッシングと歯肉のマッサージなどで改善されますが、ついてしまっている場合の治療法は、何はともあれ、歯石を取ることとなります。

      これが簡単なことでなく、ワンちゃんたちは人間のようにじっとしていることができません。さらに歯の状態が人間どころではないので、処置の際は、かなりの痛みを伴います。ということは、処置を行ったり、完全なお口の検査をする場合には、麻酔をかけなくてはいけないのです。

      人間と比べてかなり大仰なことになりますが、日帰り手術ですので夕方には帰れます

      処置は全身麻酔下で、まず超音波スケーラーで歯垢と歯石を除去していきます。その際、歯冠部(歯の真ん中の部分)のみでなく歯間部(歯と歯の間)、歯肉縁下(歯茎の中の方)、また歯の裏側も同様に、丁寧に取り去っていきます。
      スケーリング後は歯の表面がざらざらなため、すぐに歯石が付いてしまいます。よって、その後ポリッシングといって、歯の表面がツルツルになるように、磨き上げていきます。最後にお口の中を洗浄して、抗生剤を全身投与したり、歯茎の中に軟膏を塗りこんでいきます。

      なんだか難しい説明になってしまいましたが、そんなかんなで、やはりワンちゃんたちにとっても、我々獣医師は必須な存在ですね(^−^)。
      また麻酔までかけて処置をしても、前みたいにほかっておくと元通りです(+_+)。よって、そこからが勝負!(^O^)!。今では色々な種類のデンタルケア製品が出ていますので、その子にあう製品を一緒に選んで、頑張っていきましょう。(待合に展示してあります。)
     余談ですが、野生動物さんには歯周病の発生は少ないそうです。たまには人知れず痛みと戦い、亡くなっていく野生動物さんもいるでしょうけど、歯周病発症の背景には、免疫状態、食餌内容、ストレス、加齢などが関係しているため、まさしく現代病とも言えますね。人間しかりですよね。
      痛いのはどんな場合も嫌です。飼い主さんも、動物さんも、治せる痛みは早めに病院へ行き、治してしまいましょうね(^−^)。

    2009.11.01

  • dr

    『ストレスって・・・』       No.19 2009.10月

       日々外来で、下痢や嘔吐してしまう動物さんを診察する際に、                      
     私 『何か変わったことはありませんでしたか?』                      
     飼い主さん 『う~ん(-.-)・・・ストレスかしら・・・?』                      
    などなど、日常的に「ストレス」という言葉が出てきます。  
                        
     「ストレス」という言葉は、元は物理学の分野で「外から力が加えられた時に物体に生じる歪み」を 意味する言葉でしたが、それがしだいに外部からの負荷(外的要因)に対して、生体にどのような変化が生じるかについて研究がなされ、環境と個人(個動物?)の相互作用全体を「ストレス」と 呼ぶようになりました。                      
     ストレス反応のきっかけや原因(以後、ストレッサーという)には、物理的ストレッサー(寒さ、暑さ、騒音など)、生物的ストレッサー(細菌、花粉など)、心理的ストレッサーなど、日常生活の 様々な事柄があてはまり、それらストレッサーが健康上の変化を来すのです。
                          
     上記、外来での話に戻りますが、飼い主さんが「ストレス」という言葉を使用する場合には、心理的ストレッサーのみを気にしているようですが、上述のように様々な事柄がストレッサーに なるのです。
                          
     人間には「社会再適応評価尺度」なるものが存在し、生活上での「ストレッサーとしての重み」 の数値化がなされています。例えば、離婚は73、解雇が47などで、半年間でいくつぐらいで、健康上の変化を来しますという、指標があるのです。                      
     また、職場ストレッサーには、量的ストレッサー、質的ストレッサーなどの分類もあり、「ストレス」と一言で言っても、非常にややこしいことになっています。                      
                           
     一方、動物さんには今のところ尺度はありませんが、人間ほどはややこしくないと思います。 
                         
     おそらく、暑いや寒いが30ぐらい、いつも放し飼いなのに閉じ込められるが60ぐらい、大好きな お母さんがいないや、大嫌いな人がいるが70ぐらいかな?、赤ちゃん(人間です)が来たが80ぐらい、ペットホテルにとまるは90ぐらいでしょうか?                      
     おそらく、2日で100ぐらいに達すると、健康上の変化を来すことでしょう(+_+)・・・。                      
     でも、これも私たち人間同様、かなり個体差がありますね。ペットホテルが大好きな子も いれば、大好きなお母さんが半日いないだけで、ゲボするは、下痢するは、の子もいますから。                      
                           
     生きていれば、我々人間も、動物さんも必ずストレスがあります。
                          
     何が自分、またはおうちの動物さんにとってストレスなのか、知っておくことと、そのストレスをどのような方法で発散するかが、楽しく生きていくコツですよね(*^_^*)。 
                         
     肉牛用の牛さんたちなんて、いい音楽をバックミュージックに流しリラックスして育てると、おいしいお肉になるそうですし・・・・・((+_+))。   
                       
     例えばうちのメルモは、私命なので、私がいないとおかしくなります。以前、学会出席で 3日ぐらい留守にして実家に預けた際、2日目ごろからイライラし始め、猫が隣を歩くだけでも 「ギャギャ(`´)」と喧嘩をうりまくっていたようです。そしてメルモのストレス解消法は、私の膝や 腕枕で、自分の前肢をなめなめしてビチャビチャにすることと、私の顔をすみずみまで(鼻の穴まで)舐めまわすことと、猫たちを追っかけることですね(*_*)。私の膝の上にいる時のメルモは、 周り半径1mぐらいのリラックスオーラにつつまれ、そのオーラで私自身が癒されます。よって、私のストレス解消法はメルモですね(^-^)。                      
                           
                           
     ぜひ皆さんも、動物さん目線で生活を見直してみてください。人間が出かけるからといって、エアコンを切っていませんか?(ストレッサー30?)、親戚の子供さんが遊びに来て、 騒いだり?(ストレッサー70?)、いつもは自由行動なのにゲージに閉じ込めたり(ストレッサー 60?)していませんか?。ストレスをかけてしまうことは、仕方ない場合もありますので、ストレスをかけてしまった分、上手な解消法を見つけ出し、体に不調が出る前に解消して あげてください。ついでに(ついでとは失礼な(+_+)。飼い主様の健康が一番ですm(__)m.
             &
    nbsp;        
        ご自分のストレス解消法も一度見つけ出してみてください。
        どうせこの世で生きているなら、ストレスを抱え込んで生きているより、発散できるものはさせて、楽しく、明るく生きている方が、得ですもんね(*^_^*)。お互い、色々あると思いますが、頑張りましょう(^-^)。                      
                           

    2009.10.03

  • prevention

    『最新医療機器』          NO.18  2009.10月

     磁気共鳴画像装置( MRI) 、コンピューター断層撮影装置( CT )、放射線治療装置・・・・・。 

     現在、これらの最新医療設備は人間の大学病院では普通に備わっていますが、最近では動物さん、すなわち獣医大学でも人間と同様の上記の装置を使用する高度検査・治療を受けることができるようになって来ていますし、大学病院以外でも、獣医さんが何人もいて専門的な検査・治療をされている病院もあります。

       動物さんだって人間と同じ生き物ですから、人間と同じ病気にかかります。   

     治療も、人間でできることは動物さんでもできます。

     脳の手術だってできるし、心臓の手術だってできます。。

     一昔前はどうだったのでしょうね(+o+)。私は獣医師になって14~15年ですが、たった(?)この年月でもかなり変わってきています。

     例えば、癌の場合の放射線治療は、かなり昔から行われている治療法ですが、かつては癌以外の正常組織へのダメージも強く、副作用がかなり出ました。しかし現在の(私のメルモが当てている)放射線は腫瘍にかなりピンポイントで当てることができるため、当時の放射線と比べると腫瘍以外の組織への副作用が最小限で済みます。メルモなんて、今日までに3クール(回数にして15回)の放射線治療を行っていますが、1クール終わるとちょっとだけお鼻の上の毛が抜けて、黒くなるだけで、ただれたり、痛みが出たりなんて全くありません。

     また、我々のような一般開業医でも、おそらく1病院につき1~3台はICU(温度・酸素濃度などを一定にできる集中治療室(ゲージ))を持ち、一昔前は助けてあげられなかった動物さんを助けることが出来るようになっています。
    また、命を助けるものではないけれど、低出力レーザー治療(当院使用レーザーはHe‐Neコールドレーザー)や鍼治療(鍼には詳しくないですm(__)m)は、1度で劇的な効果はないけれど、鎮痛効果があり、当てると気持ちがいいのか、レーザーを当てるのを楽しみに来るワンちゃんもいます(^-^)。
     椎間板ヘルニアや靭帯などの整形外科手術後の運動療法にしても、人間同様、専門の方がリハビリテーション・プログラムを組み、マットやボールを使うリハビリや、水中トレッドミルなども使用します。人間と全く同じですね(^_-)-☆。

     また、わんちゃん用の体脂肪計(計りたい方はお申し出くださいね(^-^))もあり、体脂肪と病気との関係性についても研究されています。体脂肪率35%以上を肥満と定義し、30%未満と比べると外耳炎に罹る率は2.4倍、膿皮症が1.8倍、歩行障害が2.5倍だそうです。

     そんなこんなで、一昔前のように動物さんが調子を壊しても「所詮、犬猫だからね~!」なんてことなく、人間同様の治療・検査ができる今の時代に獣医師になって良かったと、この仕事にとてもやりがいを感じている毎日ですが、人間とのギャプを感じることもあります。

     ではもし、ご自分の体に”しこり”を発見したらどうされますか?しこり=癌と思いあせりますよネ。
     そんな場合、罹りつけの内科に行きますか?それとも罹りつけの外科?
     いいえ。
     自分の体の事をよく知っていてくれて、相当信頼をしている病院や先生がいらっしゃる場合以外は、おそらく初めから大きな病院ないし、大学病院に行かれますよね。
     では子供さんならどうされますか?突然大きな病院に行かれますか?おそらく大多数の方は、まずは罹りつけの小児科で診察をうけ、その先生の指示に従うと思います。

     動物さんはどちらに入りますか?

     突然、全く知らない大きな病院に罹られますか?

     人間の大人同様にそう考えられる方もいらっしゃると思います。けれど、うちに来ていただいている方がその選択をされたら、とても悲しいですね(-.-)。Ah~信頼されてないんだな~((+_+))と。
     大きな病院がすべてにおいて優れているとは限りませんし、大学病院がすべてにおいて優れているとも限りません。「これこれの病気なら、どこどこの先生。癌ならどこそこの大学病院。」など、内部事情を一番知っているのは、実は我々獣医師なのです。また、飼い主の方が思っているほど難しい病気でなく、一般の開業医でも普通に治療を行う病気であったり、手術であったり、または、検査は大きな病院で行って(CT検査やMR検査など)、診断・治療は個々の動物病院で行う場合も少なくありません。

     どうぞ飼い主の方は、罹りつけの獣医師を信用して下さい。けどその前に、我々獣医師が飼い主様に信頼していただけるような人格(?)にならなくてはいけないのですけどね(-_-メ)。
     なかなか人格形成は難しいですが、今私が出来ることは、最新医療の知識を蓄えるため、日々、勉強です。また、セミナーに出席する度に、新たな治療法、検査法を学べるため、できるだけセミナーも出席したいので、臨時休診にさせていただく場合があるかもしれません。
     せっかくこの良き?時代を生きているので、動物さんにも最善の治療を行い、家族みんなで仲良く長生きしましょう(^-^)(^-^)。少しでもそのお手伝いができれば私は幸せです☆(^-^)☆。

    P.S 
    今年もおかげさまで、うちのメルモがお誕生日を迎えることができました。
    癌の放射線治療をはじめてから2年。メルモは頑張ってくれています。
    気にしていただいている方々、本当にありがとうございます。
    メルモはまだまだ頑張ります。『まだおいしい物をいっぱい食べたいからね(^^♪』

    2009.09.01

  • dr

    『最新医療機器』          NO.18  2009.10月

     磁気共鳴画像装置( MRI) 、コンピューター断層撮影装置( CT )、放射線治療装置・・・・・。 

     現在、これらの最新医療設備は人間の大学病院では普通に備わっていますが、最近では動物さん、すなわち獣医大学でも人間と同様の上記の装置を使用する高度検査・治療を受けることができるようになって来ていますし、大学病院以外でも、獣医さんが何人もいて専門的な検査・治療をされている病院もあります。

       動物さんだって人間と同じ生き物ですから、人間と同じ病気にかかります。   

     治療も、人間でできることは動物さんでもできます。

     脳の手術だってできるし、心臓の手術だってできます。。

     一昔前はどうだったのでしょうね(+o+)。私は獣医師になって14~15年ですが、たった(?)この年月でもかなり変わってきています。

     例えば、癌の場合の放射線治療は、かなり昔から行われている治療法ですが、かつては癌以外の正常組織へのダメージも強く、副作用がかなり出ました。しかし現在の(私のメルモが当てている)放射線は腫瘍にかなりピンポイントで当てることができるため、当時の放射線と比べると腫瘍以外の組織への副作用が最小限で済みます。メルモなんて、今日までに3クール(回数にして15回)の放射線治療を行っていますが、1クール終わるとちょっとだけお鼻の上の毛が抜けて、黒くなるだけで、ただれたり、痛みが出たりなんて全くありません。

     また、我々のような一般開業医でも、おそらく1病院につき1~3台はICU(温度・酸素濃度などを一定にできる集中治療室(ゲージ))を持ち、一昔前は助けてあげられなかった動物さんを助けることが出来るようになっています。
    また、命を助けるものではないけれど、低出力レーザー治療(当院使用レーザーはHe‐Neコールドレーザー)や鍼治療(鍼には詳しくないですm(__)m)は、1度で劇的な効果はないけれど、鎮痛効果があり、当てると気持ちがいいのか、レーザーを当てるのを楽しみに来るワンちゃんもいます(^-^)。
     椎間板ヘルニアや靭帯などの整形外科手術後の運動療法にしても、人間同様、専門の方がリハビリテーション・プログラムを組み、マットやボールを使うリハビリや、水中トレッドミルなども使用します。人間と全く同じですね(^_-)-☆。

     また、わんちゃん用の体脂肪計(計りたい方はお申し出くださいね(^-^))もあり、体脂肪と病気との関係性についても研究されています。体脂肪率35%以上を肥満と定義し、30%未満と比べると外耳炎に罹る率は2.4倍、膿皮症が1.8倍、歩行障害が2.5倍だそうです。

     そんなこんなで、一昔前のように動物さんが調子を壊しても「所詮、犬猫だからね~!」なんてことなく、人間同様の治療・検査ができる今の時代に獣医師になって良かったと、この仕事にとてもやりがいを感じている毎日ですが、人間とのギャプを感じることもあります。

     ではもし、ご自分の体に”しこり”を発見したらどうされますか?しこり=癌と思いあせりますよネ。
     そんな場合、罹りつけの内科に行きますか?それとも罹りつけの外科?
     いいえ。
     自分の体の事をよく知っていてくれて、相当信頼をしている病院や先生がいらっしゃる場合以外は、おそらく初めから大きな病院ないし、大学病院に行かれますよね。
     では子供さんならどうされますか?突然大きな病院に行かれますか?おそらく大多数の方は、まずは罹りつけの小児科で診察をうけ、その先生の指示に従うと思います。

     動物さんはどちらに入りますか?

     突然、全く知らない大きな病院に罹られますか?

     人間の大人同様にそう考えられる方もいらっしゃると思います。けれど、うちに来ていただいている方がその選択をされたら、とても悲しいですね(-.-)。Ah~信頼されてないんだな~((+_+))と。
     大きな病院がすべてにおいて優れているとは限りませんし、大学病院がすべてにおいて優れているとも限りません。「これこれの病気なら、どこどこの先生。癌ならどこそこの大学病院。」など、内部事情を一番知っているのは、実は我々獣医師なのです。また、飼い主の方が思っているほど難しい病気でなく、一般の開業医でも普通に治療を行う病気であったり、手術であったり、または、検査は大きな病院で行って(CT検査やMR検査など)、診断・治療は個々の動物病院で行う場合も少なくありません。

     どうぞ飼い主の方は、罹りつけの獣医師を信用して下さい。けどその前に、我々獣医師が飼い主様に信頼していただけるような人格(?)にならなくてはいけないのですけどね(-_-メ)。
     なかなか人格形成は難しいですが、今私が出来ることは、最新医療の知識を蓄えるため、日々、勉強です。また、セミナーに出席する度に、新たな治療法、検査法を学べるため、できるだけセミナーも出席したいので、臨時休診にさせていただく場合があるかもしれません。
     せっかくこの良き?時代を生きているので、動物さんにも最善の治療を行い、家族みんなで仲良く長生きしましょう(^-^)(^-^)。少しでもそのお手伝いができれば私は幸せです☆(^-^)☆。

    P.S 
    今年もおかげさまで、うちのメルモがお誕生日を迎えることができました。
    癌の放射線治療をはじめてから2年。メルモは頑張ってくれています。
    気にしていただいている方々、本当にありがとうございます。
    メルモはまだまだ頑張ります。『まだおいしい物をいっぱい食べたいからね(^^♪』

    2009.09.01

  • dr

    『定期健康診断』            No.17 2009.7月

     皆さん、ご自分の健康診断を受けられていますか?

     お勤めの方は、会社で年齢によって簡単な検査から細かい検査まで、オプションで検査を受けることができたり、そうでない方も市からある年齢になると簡単な検査の補助が出たりする ため、検査の機会があったり、又お若い方は全くなかったりするかもしれません。
     何を隠そう、私は全く検査を行っていません。けれど、悲しいかな((+_+)??)市から補助が出る年になってきたので、もうそろそろ検査してみようかしらと思っています。

     人間ドッグを受けられたことがある方や、受けようかなとお手元に資料がある方は、目を通しながら読んで頂くとわかりやすいのですが、だいたいミニ健診として、問診・身体計測・血圧・視力・聴力・尿検査・糞便検査・血液検査(生化学・一般)・心電図・胸部レントゲンなどの項目が入り、ここからオプションとして・・・まぁ(+o+)あるわ!あるわ!。 いろんな検査項目があります。

     どこまでの検査を、どのくらいの間隔で行っているかは、年齢や体調などによって違うと思います。

     では、おうちの動物さんはどうされていますか?(ワンちゃん、猫さんに的を絞らせていただきます。)

      「うちの子は定期的に検査をしているわ(*^。^*)」という方はどのくらいいらっしゃるでしょう。
    定期的と言う所があやふやですが、人間の1年で動物さんたちはどのくらい年をとるのかというと、ほぼ4年です。(※年齢換算表参照)

     年1回検査ということは、人間では4年に1度の検査に当たります。

     うちに来ていただいている動物さんたちは、約6割の子が年1回は定期血液検査を行っており、そのうちのほぼ8割がフィラリア検査の採血のついでに行い、猫さんは秋季腎臓キャンペーンで行っています。飼い主さんたちの意識の高さに、感謝(^O^) 感激(^<^)ですが、欲を言えば8歳以上(人での50歳以上)の子たちは、年2回(人での2年に1度)は検査を受けていただきたいです。

     では、検査と一言で言っても、どんな検査をされていますか?

     先ほどの人間ドッグのような検査(色々ありすぎますが)をすべてされていますか?
     ここからが難しいところなのですが・・・・。
     動物さんたちは大事な家族です。では、できるだけの検査をするべきでしょうか?
     ここで、人間との違いが出てきます。と、いうのは、人間と違って動物さんたちはじっとしていることができません。超音波検査では長時間じっとする必要があります。
     肝臓などを見るためには、ちょっと腹部を圧迫することもあり、場合によっては痛みを感じるかもしれません。採血ひとつでも、体重比で相当量血液を取らなくては多くのオプションの検査はできません。CT検査、内視鏡検査などでは、麻酔までかけなくてないけません。
     ですので、動物さんの性格、年齢、状態を考慮し、その子にあった検査を行うと良いです。

       理想モデルとして、7,8歳以下の子は年1回の血液検査(一般検査、生化学検査)、それ以上では血液検査に内分泌検査をオプションで入れて年2回、さらに心電図など循環器もチェックできるような検査や、腹腔臓器の確認もしていけると安心です。
    ちなみにうちのメルモは癌なので(Drりえのお話 No.3 うちの子が癌になりました 参照)、3カ月に1度、血液検査のみならずCT検査も行っています。あとの子たちは元気なため、若者たち(7歳以下)は1年に1回の血液検査、長老たちは3カ月に一度の血液検査を、状態によって心電図、超音波、レントゲン検査などを行っています。
      では、「こんなに元気なのに、検査なんて必要なの〜(-.-)?」とお考えの方々!。
    そうですね(+_+)。実際必要かどうかなんてわかりません。私たちも健診をするときに、何かあるかどうかわからないから検査をしますよね。結果、何も悪いところがなかったら、「良かった」と思うのか、「検査代がもったいなかった」と思うのか・・・。
    さらに動物さんはお話ができません。
     常々、外来診察でかなり進行してしまっている病状でも、飼い主さんは「これでも昨日までご飯を食べていたんです。」という場合があります。大好きな飼い主さんの前では頑張ってしまい、元気に見せようとしたり、猫さんは調子の悪さを隠そうとする習性もあるのです。
    また、犬種、猫種別の特異性や、個体差があるため(人でもしかり)、調子が悪くなった時点で検査を行っても、はたしてその値が(明らかな異常がない場合)病状と関係する値なのか?、元々の値なのか?、はたまたいつからその値なのか?、などが全くわかりません。

     例えば、1歳の明らかに元気な頃から血液検査をしっかりと行っていて、その頃から赤血球数が少なめで、2歳、3歳とずっと少なめな場合、その子は赤血球数が少ない子だということがわかっているため、いざ調子が悪く血液検査をした場合でも、赤血球数が少ないことは無視し治療が出来ます。また、4月にフィラリア検査と同時に血液検査をしている場合で、その時に全く問題がなく、6月頃調子を壊して検査をしてみたら肝酵素が高かった、となると、4月以降6月までに何かがあったということも分かり、治療に非常に役に立ちます。
     そんなこんなで、小さい頃から定期的に検査をするということは、非常に有意義なことなのです。

     お金もかかることなので、私たちは日々、必要以上にお勧めすることはありません。
      「先生からそんなこと勧められたこともない(;一_一)」とおしかりを受けるかもしれませんが、ぜひ今回のDrりえを読まれた飼い主さんで、動物さんの定期健診をされていない方、検査をしてみてください。
     大事な動物さんが1日でも元気で、長生きできるように、お手伝いができればと願っています(*^^)v

     検査とは話がそれますが、動物さんは生後3カ月ぐらいで人間でいう5歳ほどになります。ということはペットショップやブリーダーさんから新しいおうちに来る頃は、人での 「ピッカピッカの1年生(*^^)v」の頃に当たります。それさえ知っていれば、3、4ヶ月の ワンちゃんに赤ちゃん用の粉ミルクなんて与えないですよね〜(-_-メ)。

     

    2009.07.01

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