Dr理恵のブログ

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    『最新医療機器』          NO.18  2009.10月

     磁気共鳴画像装置( MRI) 、コンピューター断層撮影装置( CT )、放射線治療装置・・・・・。 

     現在、これらの最新医療設備は人間の大学病院では普通に備わっていますが、最近では動物さん、すなわち獣医大学でも人間と同様の上記の装置を使用する高度検査・治療を受けることができるようになって来ていますし、大学病院以外でも、獣医さんが何人もいて専門的な検査・治療をされている病院もあります。

       動物さんだって人間と同じ生き物ですから、人間と同じ病気にかかります。   

     治療も、人間でできることは動物さんでもできます。

     脳の手術だってできるし、心臓の手術だってできます。。

     一昔前はどうだったのでしょうね(+o+)。私は獣医師になって14~15年ですが、たった(?)この年月でもかなり変わってきています。

     例えば、癌の場合の放射線治療は、かなり昔から行われている治療法ですが、かつては癌以外の正常組織へのダメージも強く、副作用がかなり出ました。しかし現在の(私のメルモが当てている)放射線は腫瘍にかなりピンポイントで当てることができるため、当時の放射線と比べると腫瘍以外の組織への副作用が最小限で済みます。メルモなんて、今日までに3クール(回数にして15回)の放射線治療を行っていますが、1クール終わるとちょっとだけお鼻の上の毛が抜けて、黒くなるだけで、ただれたり、痛みが出たりなんて全くありません。

     また、我々のような一般開業医でも、おそらく1病院につき1~3台はICU(温度・酸素濃度などを一定にできる集中治療室(ゲージ))を持ち、一昔前は助けてあげられなかった動物さんを助けることが出来るようになっています。
    また、命を助けるものではないけれど、低出力レーザー治療(当院使用レーザーはHe‐Neコールドレーザー)や鍼治療(鍼には詳しくないですm(__)m)は、1度で劇的な効果はないけれど、鎮痛効果があり、当てると気持ちがいいのか、レーザーを当てるのを楽しみに来るワンちゃんもいます(^-^)。
     椎間板ヘルニアや靭帯などの整形外科手術後の運動療法にしても、人間同様、専門の方がリハビリテーション・プログラムを組み、マットやボールを使うリハビリや、水中トレッドミルなども使用します。人間と全く同じですね(^_-)-☆。

     また、わんちゃん用の体脂肪計(計りたい方はお申し出くださいね(^-^))もあり、体脂肪と病気との関係性についても研究されています。体脂肪率35%以上を肥満と定義し、30%未満と比べると外耳炎に罹る率は2.4倍、膿皮症が1.8倍、歩行障害が2.5倍だそうです。

     そんなこんなで、一昔前のように動物さんが調子を壊しても「所詮、犬猫だからね~!」なんてことなく、人間同様の治療・検査ができる今の時代に獣医師になって良かったと、この仕事にとてもやりがいを感じている毎日ですが、人間とのギャプを感じることもあります。

     ではもし、ご自分の体に”しこり”を発見したらどうされますか?しこり=癌と思いあせりますよネ。
     そんな場合、罹りつけの内科に行きますか?それとも罹りつけの外科?
     いいえ。
     自分の体の事をよく知っていてくれて、相当信頼をしている病院や先生がいらっしゃる場合以外は、おそらく初めから大きな病院ないし、大学病院に行かれますよね。
     では子供さんならどうされますか?突然大きな病院に行かれますか?おそらく大多数の方は、まずは罹りつけの小児科で診察をうけ、その先生の指示に従うと思います。

     動物さんはどちらに入りますか?

     突然、全く知らない大きな病院に罹られますか?

     人間の大人同様にそう考えられる方もいらっしゃると思います。けれど、うちに来ていただいている方がその選択をされたら、とても悲しいですね(-.-)。Ah~信頼されてないんだな~((+_+))と。
     大きな病院がすべてにおいて優れているとは限りませんし、大学病院がすべてにおいて優れているとも限りません。「これこれの病気なら、どこどこの先生。癌ならどこそこの大学病院。」など、内部事情を一番知っているのは、実は我々獣医師なのです。また、飼い主の方が思っているほど難しい病気でなく、一般の開業医でも普通に治療を行う病気であったり、手術であったり、または、検査は大きな病院で行って(CT検査やMR検査など)、診断・治療は個々の動物病院で行う場合も少なくありません。

     どうぞ飼い主の方は、罹りつけの獣医師を信用して下さい。けどその前に、我々獣医師が飼い主様に信頼していただけるような人格(?)にならなくてはいけないのですけどね(-_-メ)。
     なかなか人格形成は難しいですが、今私が出来ることは、最新医療の知識を蓄えるため、日々、勉強です。また、セミナーに出席する度に、新たな治療法、検査法を学べるため、できるだけセミナーも出席したいので、臨時休診にさせていただく場合があるかもしれません。
     せっかくこの良き?時代を生きているので、動物さんにも最善の治療を行い、家族みんなで仲良く長生きしましょう(^-^)(^-^)。少しでもそのお手伝いができれば私は幸せです☆(^-^)☆。

    P.S 
    今年もおかげさまで、うちのメルモがお誕生日を迎えることができました。
    癌の放射線治療をはじめてから2年。メルモは頑張ってくれています。
    気にしていただいている方々、本当にありがとうございます。
    メルモはまだまだ頑張ります。『まだおいしい物をいっぱい食べたいからね(^^♪』

    2009.09.01

  • dr

    『定期健康診断』            No.17 2009.7月

     皆さん、ご自分の健康診断を受けられていますか?

     お勤めの方は、会社で年齢によって簡単な検査から細かい検査まで、オプションで検査を受けることができたり、そうでない方も市からある年齢になると簡単な検査の補助が出たりする ため、検査の機会があったり、又お若い方は全くなかったりするかもしれません。
     何を隠そう、私は全く検査を行っていません。けれど、悲しいかな((+_+)??)市から補助が出る年になってきたので、もうそろそろ検査してみようかしらと思っています。

     人間ドッグを受けられたことがある方や、受けようかなとお手元に資料がある方は、目を通しながら読んで頂くとわかりやすいのですが、だいたいミニ健診として、問診・身体計測・血圧・視力・聴力・尿検査・糞便検査・血液検査(生化学・一般)・心電図・胸部レントゲンなどの項目が入り、ここからオプションとして・・・まぁ(+o+)あるわ!あるわ!。 いろんな検査項目があります。

     どこまでの検査を、どのくらいの間隔で行っているかは、年齢や体調などによって違うと思います。

     では、おうちの動物さんはどうされていますか?(ワンちゃん、猫さんに的を絞らせていただきます。)

      「うちの子は定期的に検査をしているわ(*^。^*)」という方はどのくらいいらっしゃるでしょう。
    定期的と言う所があやふやですが、人間の1年で動物さんたちはどのくらい年をとるのかというと、ほぼ4年です。(※年齢換算表参照)

     年1回検査ということは、人間では4年に1度の検査に当たります。

     うちに来ていただいている動物さんたちは、約6割の子が年1回は定期血液検査を行っており、そのうちのほぼ8割がフィラリア検査の採血のついでに行い、猫さんは秋季腎臓キャンペーンで行っています。飼い主さんたちの意識の高さに、感謝(^O^) 感激(^<^)ですが、欲を言えば8歳以上(人での50歳以上)の子たちは、年2回(人での2年に1度)は検査を受けていただきたいです。

     では、検査と一言で言っても、どんな検査をされていますか?

     先ほどの人間ドッグのような検査(色々ありすぎますが)をすべてされていますか?
     ここからが難しいところなのですが・・・・。
     動物さんたちは大事な家族です。では、できるだけの検査をするべきでしょうか?
     ここで、人間との違いが出てきます。と、いうのは、人間と違って動物さんたちはじっとしていることができません。超音波検査では長時間じっとする必要があります。
     肝臓などを見るためには、ちょっと腹部を圧迫することもあり、場合によっては痛みを感じるかもしれません。採血ひとつでも、体重比で相当量血液を取らなくては多くのオプションの検査はできません。CT検査、内視鏡検査などでは、麻酔までかけなくてないけません。
     ですので、動物さんの性格、年齢、状態を考慮し、その子にあった検査を行うと良いです。

       理想モデルとして、7,8歳以下の子は年1回の血液検査(一般検査、生化学検査)、それ以上では血液検査に内分泌検査をオプションで入れて年2回、さらに心電図など循環器もチェックできるような検査や、腹腔臓器の確認もしていけると安心です。
    ちなみにうちのメルモは癌なので(Drりえのお話 No.3 うちの子が癌になりました 参照)、3カ月に1度、血液検査のみならずCT検査も行っています。あとの子たちは元気なため、若者たち(7歳以下)は1年に1回の血液検査、長老たちは3カ月に一度の血液検査を、状態によって心電図、超音波、レントゲン検査などを行っています。
      では、「こんなに元気なのに、検査なんて必要なの〜(-.-)?」とお考えの方々!。
    そうですね(+_+)。実際必要かどうかなんてわかりません。私たちも健診をするときに、何かあるかどうかわからないから検査をしますよね。結果、何も悪いところがなかったら、「良かった」と思うのか、「検査代がもったいなかった」と思うのか・・・。
    さらに動物さんはお話ができません。
     常々、外来診察でかなり進行してしまっている病状でも、飼い主さんは「これでも昨日までご飯を食べていたんです。」という場合があります。大好きな飼い主さんの前では頑張ってしまい、元気に見せようとしたり、猫さんは調子の悪さを隠そうとする習性もあるのです。
    また、犬種、猫種別の特異性や、個体差があるため(人でもしかり)、調子が悪くなった時点で検査を行っても、はたしてその値が(明らかな異常がない場合)病状と関係する値なのか?、元々の値なのか?、はたまたいつからその値なのか?、などが全くわかりません。

     例えば、1歳の明らかに元気な頃から血液検査をしっかりと行っていて、その頃から赤血球数が少なめで、2歳、3歳とずっと少なめな場合、その子は赤血球数が少ない子だということがわかっているため、いざ調子が悪く血液検査をした場合でも、赤血球数が少ないことは無視し治療が出来ます。また、4月にフィラリア検査と同時に血液検査をしている場合で、その時に全く問題がなく、6月頃調子を壊して検査をしてみたら肝酵素が高かった、となると、4月以降6月までに何かがあったということも分かり、治療に非常に役に立ちます。
     そんなこんなで、小さい頃から定期的に検査をするということは、非常に有意義なことなのです。

     お金もかかることなので、私たちは日々、必要以上にお勧めすることはありません。
      「先生からそんなこと勧められたこともない(;一_一)」とおしかりを受けるかもしれませんが、ぜひ今回のDrりえを読まれた飼い主さんで、動物さんの定期健診をされていない方、検査をしてみてください。
     大事な動物さんが1日でも元気で、長生きできるように、お手伝いができればと願っています(*^^)v

     検査とは話がそれますが、動物さんは生後3カ月ぐらいで人間でいう5歳ほどになります。ということはペットショップやブリーダーさんから新しいおうちに来る頃は、人での 「ピッカピッカの1年生(*^^)v」の頃に当たります。それさえ知っていれば、3、4ヶ月の ワンちゃんに赤ちゃん用の粉ミルクなんて与えないですよね〜(-_-メ)。

     

    2009.07.01

  • dr

    『動物さんも風邪ひくの?』 No. 15 2009.3月

    なんとなく春めいてきました。花粉症の方々はマスクが必須な季節となってきましたね。

    私は・・・というと、原始的な体質のためか、ありがたいことに花粉症などのアレルギーは全く ありません。が、最近外来に来られた方は 『あれ?先生ひどい鼻声で、なんか鼻ぐちゃぐちゃしてたじゃん』 と、思われると思います。
    風邪です・・・(*_*)
    実はこう見えて(見てくれ、病気なんてしそうもないでしょ(^^♪。)免疫力がとても弱く,また欲張りなので(?)、感染性の風邪は必ずといっていいほど罹ります。そして扁桃腺肥大 のため、熱がドッカーンと出て、喉が痛くなり声がガラガラになるため、皆様に聞き苦しい声を お聞かせしていることと申し訳なく思っています。

    では、この「風邪」とは一体どのような症状を言うのでしょうか?

    フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」によると、「医学的に風邪とは単一の疾患で はなく、かぜ症候群とされる。急性鼻咽頭炎(普通感冒)から急性侯頭炎、咽頭結膜熱、インフルエンザ(流行性感冒)、マイコプラズマ肺炎等までの総称である。ただし、多くの場合単に風邪と言えば普通感冒を指し、それ以外を風邪と呼ぶ事は少ない。」とあります。では、普通感冒とは?・・・「かぜ症候群と呼ばれるウイルス・細菌等の感染病の代表のひとつである」
    ややこしいですが、要は細菌等に感染して、鼻や喉が痛くなる病気のこと、みたいです。では 胃腸風邪や勝手に一人でひく(寒かったりしてひく)風邪(※)などは、なんなのでしょうね(*_*;

    話は反れていますが、では動物さんは風邪をひくのでしょうか?動物さんといっても、ライオンさんやキリンさんなどのことはわかりませんので、犬猫さんのみの話をさせて頂きます。

    人間でいうインフルエンザを風邪というのであれば、犬猫さんも風邪をひきます。皆さん、犬猫さんに混合ワクチンを接種していますよね(^_-)-☆、生後2ヶ月過ぎごろに、2~3回接種し、(もしくはペットショップで接種)その後1年に1回接種している(はずの)注射です。今、 お手元にワクチンの説明文があればわかりやすいのですが、ワンちゃんなら5~9種の病気、猫さんなら3~6種の病気の予防ができるのですが、その中でいわゆる人間でいう”風邪”と 似た症状になる病気があります。

    ワンちゃんでいうと、ジステンパーの初期症状は高熱、くしゃみ、咳き込み、鼻水だらりですし、アデノウィルス2型感染症も同様に熱が出て、くしゃみ、鼻水、咳が続き、喉が痛~くなります。
    犬パラインフルエンザは名前の通り人間のインフルエンザと全く同じ症状になります。そしてそれらのウィルスと細菌との混合感染、二次感染などによって”ケンネルコッフ=犬の咳”と 呼ばれる、完治に時間がかかる、命の危険もある怖い病気を引き起こすこともあります。

    人間だって、たかが風邪から肺炎を起こしてしまって亡くなってしまう方もいらっしゃるし (中学生の頃、風邪による肺炎で同級生が亡くなりました。)、風邪のウィルスが脳に入り込んで 髄膜炎をおこしてしまう方だっていらっしゃる(大学の後輩が幼い頃罹ったそうです。)から、人間の風邪の方がワンちゃんより軽いとは言えないけれど、相対的に見て、ワンちゃんの方が 症状は重く、治るにも時間がかかります。

    ネコさんも同様にカリシウィルス感染症、ヘルペスウィルスによるウイルス性鼻気管炎などは、くしゃみや鼻水、扁桃炎などで”THE 風邪”のような状態になります。そして、弱っているこは 治るまで何ヶ月もかかったり、慢性感染になってしまったり、命を落としてしまったりします。

    でも、猫さんはあまり見かけないけど、たしかにワンちゃんにはいわゆる人間でいう(前述※) “勝手に一人でひく風邪”があるような気がします。うちのメイ(黒ラブの知能障害犬、享年7歳) は幼い頃から体が弱く、ちょっとでも寒い思いをさせるとお熱が出て、「ク、ク、クショ~ン(>_<)」  と鼻水を超飛ばしてくしゃみを連発していましたし(早めのパブロンならぬ、早めに抗生を 使うと治りも早かったのですが、ちょっと治療が遅れると点滴が必要でした。)、メルモも 先日の定期CT検査の後、お熱が出て、食欲がなくなり、下痢が続きました。いわゆる”胃腸 風邪”ですね(;_:)。おそらくCT検査の際に、寒い所で体が冷え、体調を崩してしまったのだと思っています。理屈では、そのような病気は動物さんにはないのですけどね(^_-)-☆

    理屈はどうであれ、動物さんだって私たちと同じ生き物なんですから、同じ病気はあるはずです。うちのメルモなんてわがまま病ですし、茶々(ササ)なんて、パニクリ症候群(私も罹っている病気ですが、何か事が起こると慌ててしまい、はちゃめちゃになり、さらに事が悪化して しまう状態になる病気(?)。慌てず落ち着いて対処すればよいのですが・・・)で、おしりに ウンチがつくとどうして良いかわからなくなり、部屋中を走り回り、あちこちぶつけまくり、最終的にはウンチは取れずに、体中怪我だらけになっています。・・・お馬鹿病とも・・・。

    人間も動物さんも病気をすると健康の幸せを痛感しますが、元気な時には 「健康であることはすばらしいヽ(^o^)丿」 ということを忘れがちです。私なんて、劇症肝炎で命をおとしかけたことまであるのに、そんなことすっかり忘れ、健康なのが当然だと思ってしまいます。

    うちはメルモにカウントダウンがかかっていますので、メルモが毎日元気でいてくれることが何よりの幸せだと思っていますが、たまに『あ~宝くじ当たったら、幸せになれるのに~』 などと考えてしまうこともあります。
    駄目ですね(^_-)-☆。
    健康一番、お金は二番、三、四がなくて五に愛ですかね(*^_^*)。

    2009.03.01

  • dr

    『あなたの夢は何ですか?』   No. 14 2009.1

        さんま玉緒の『あんたの夢をかなえたろか 』という番組をご存知ですか?   
                       
     このお正月にもお年玉スペシャルが放送されていました。街中で、「あなたの夢は何ですか?」  と尋ねていき、その中のどなたかがその夢をかなえてもらえるという番組です。                      
     今まであまり見たことがありませんし、今回もノリノリで見ていたわけでなく、ただなんとなく TVが付いていて他事をしながら見ていた(聞いていた)のですが、そんな私の耳に 「余命宣告をされたうちの犬に・・・・・」とかなんとかとの言葉が聞こえてきました。    
                      
     TVを見るとへらへら笑いながら何か話している、ほろ酔い気分のサラリーマン風のおとうさんが映っていました。                      
                           
     ワンちゃんの余命宣告なんて、私にとっては自分の余命宣告よりも一大事(>_<)!!。                      
                           
     「へらへら笑いながらする話しではないでしょ<(`^´)>」と私が言葉に出した瞬間、そのお父さんは突然嗚咽!お話を続けられなくなり周りの人に頑張れ、頑張れと応援され次に出てきた言葉。                      
                           
     「好きなものを、おなかいっぱい食べさせてあげたい。」                      
                           
     もう私は号泣です。(人とちょっと泣くタイミングがずれているかも?話はずれますが、先日 緒方拳さんの遺作ドラマ”風のガーデン”で、初回飼っていたゴールデンレトリバーが死んでしまう 場面で号泣(;_:)。以後一度も泣きませんでした。おそらくそこは泣くところではない。)    
                      
     余命どのくらいと言われているかは忘れてしまいましたが、おそらく食いしん坊だったそのワンちゃんは、ご飯が食べられなくなってきているのでしょう。病名などは全くわかりませんが、家族の一員として大事に育てられてきたワンちゃんだと思います。私も何頭も飼い犬を看取って 来ましたが、最後にご飯が食べられなくなってくると心の底から願うことは(当然、元気になって 欲しいのが一番ですが、その夢が絶対に叶わないとわかってから願うこと)、そのお父さんの言葉そのまま・・・「好きなものを、おなかいっぱい食べさせてあげたい」の一言です。                      
                           
     元気な時は、当然メタボになってしまうと様々な病気を引き起こしてしまうので、食事を制限させますよね(^_^;)。うちのダックスの茶々(ささ)なんてちょっと多めに食べさせるとすぐ太ってしまい ベットにも飛び乗れなくなりますのでかなり制限しているので、エブリデイ、エブリタイム空腹状態です。                      
     でも最後ご飯が食べれなくなる頃には、その時が懐かしく、また余ったフード(うちの動物は皆かわいそうに病院で余ったフードを食べさせられている)なんかでなく、もっとおいしいフードを あげればよかったなどと、後悔をするのでしょう。 メルモは少しだけ先が見えているため(Dr.りえのお話 No.3  うちの子が癌になりました参照)、「少しぐらい太ってもおいしいもの食べさせてあげたい」という気持ちで生活をしているため、彼女は癌になってからかなり太りました(^_-)-☆。                      
                           
     「あなたの夢は何ですか?」と取材が来た時(来ない(^o^)丿”来ない(^o^)丿”)のために、私考えておくことにしました。      
                    
     まずは(Dr理恵を読んで頂いている方には言わずとも知れた)私の命よりも大事な  
                        
     ①「メルモの癌が治ること」 これを取材で使っていただくことは皆無ですね(>_<)。                      
     次は私の人生かけてしていきたいことですが、                      
     ②「どんな病気の動物さんも助けたい」 これも夢物語なので、絶対に使ってもらえそうもない。                                      

     ではそういうことでないことでの夢は?
       中学ぐらいの頃の夢は「コアラを抱
    くこと」。これは大学 の時の実習で東山動物園に行かせて頂いた際に、当時の園長さんが叶えてくださいました。                      
     ついでにペンギンさんとキリンさんの頭なでなでとか、子供のオランウータンとお手々つないでのお散歩や、生まれてすぐの子ザルさんも抱かせていただきました(新聞に載りました~(^^♪)。   
                       
     次に大学の頃の夢、「イルカと泳ぐこと」。これも6年ぐらい前に主人とグアムに旅行に行ったときに叶えて貰いました。主人は泳ぎが苦手のようで躊躇していましたが、泳ぎの得意な私は とても気持ちよく泳ぐことが出来ました。あと小学生の頃からの一番大きな夢、「動物関係の 仕事に就きたい」という夢も皆様のおかげで叶えさせて頂いているし、取材が来なくても夢を 叶えさせて頂いている私は、本当に幸せ者かもしれません。

       これ以上贅沢を言うと、神様に 怒られるかもしれないので大きな声では言いませんが、TVが取材に来た時用に・・・。  
                        
     「ホノルルマラソン完走」・・・・全く運動はしていませんが、常々良い診察を行うには体と精神が 丈夫であることが必須だと感じているので、体&精神作りの為走りたいとは思っているのですが、目標がないと挫折してしまう性格のため、大きな目標を立てたいと思います。でも、ホノルル  なんて1泊で行けないし(1泊以上は休めない)、1キロ歩くことさえ今は出来ない。もう少し現実 味のある目標、「名古屋マラソン完走」ぐらいにしておきます。                      
     もう一つ、これは死ぬまでに絶対叶えよう(引退した後)と思っていますが「オーロラを見る」。 寒いところが何よりも苦手な私が、そんな寒いところに行けるのか疑問ですが、必ず叶えます。     
                     
     最後に。
      私は子供がいないので、叶えてくれる人がいないかもしれませんが、     
                     
    「私のお葬式には動物さんたちと列席して欲しい」。以上です。                      
     皆様の夢は何ですか?。叶えられるといいですね(^_-)-☆                      
                           

    2009.01.01

  • dr

    『食の安全。~2008年を振り返って。』    No.13 2008.12月

     2008年は、人(生き物)が生活していく上で必要な、衣・食・住の『食』について考えさせられる 1年でしたね。                      
                           
     『食の安全』  
                        
                           
        私たちは毎日数え切れないほどの物を口にしますが、それが『安全ではない』なんて想像すら していませんでしたよね。餃子事件、メタミドホス、シアン化合物など・・・。                      
     子供のいない私は、まず一番にうちの子達(動物です)、特に人間の食べ物をちょこちょこっと あげてしまっている(え~っ\(-o-)/。獣医師なのに?)犬たちのことが心配になります。                      
     餃子事件の際も、(”りえちゃん3分クッキング?”で冷凍餃子には大変お世話になっている) 自分はさておき(主人も?)「メルモとササには餃子なんてあげてないよね~(・・;) 」と、とても心配でした。    
                      
                           
       『食の安全』の基準とは何なのでしょうか?中国産だから心配で、日本産だから安心?では ないですよね!。高級なウーロン茶は中国産を選びますし、日本で作っているからと何の疑い もせず買っていたウインナーには毒物(薬物)が混入されていました。事故米を流通させたの だって日本人です。                      
      では、値段が高ければ安心?。・・・安いものよりは安全である可能性は高いけれど、高級料亭『船場吉兆』の例もあります。(薬物ではないけれど・・・(-_-;)。)                      
      もうこうなってきたら、何を?誰を?信じればよいのでしょう!。                                
                            
      うちはメルモが癌になってから 『少しでも良いものをメルモに食べさせたい(^。^)。』と願う 気持ちから(プラス、自分はどうでも良いのですが主人にも長生きしてもらいたいので)、 無農薬野菜を取り寄せています。この”無農薬”も本当に”無農薬”かどうかは、自分で作って いるわけではないので”100%”という保障はありませんが(生協しかり)、私的にはネームバリュー ないし値段その他でその会社を信じ、『とても良い(^^♪。』と思っているお野菜をメルモだけで なく、ササ(ダックス)やスーリ(ウサギ)、鳥さんたちに与え自己満足?!しています。 
                          
     信じる理由は人それぞれ異なると思います。私のようにネームバリューだったり値段だったり(私は若干、高いもの良かれ主義)、はたまた確実な証拠だったり・・・。                      
                           
     では、これからが本題なのですが・・・、私たち人間にとってのお米に匹敵する、動物さんに一番影響を与える”フード”の安全性は?。                      
                           
     ”フード”と一言で言っても、量販店(スーパーなど)で売っているフード、量販店では扱ってないけれどペットショップでは売っているフード、前両者では扱っていない動物病院取扱フード、通販でしか取り扱っていないフードなど、様々です。                      
     それぞれに利点、欠点はあります。                      
                           
      話は少しずれますが、以前1歳の猫さんの避妊手術前検査にて肝酵素の上昇(何らかの 肝障害をうけている)が認められました。食事について訊ねたところ、「とても良いフードを 通販で取り寄せている。」ということでフードを変えることはできずに投薬治療を行っていたのですが、いまいち改善しない(>_<)。ためしに!ということで動物病院取扱フード(療法食でなく、一般食)に変えてみたところ、あれよあれよという間に正常値に戻りました。それがフードの 内容成分(蛋白などの組成分)のせいなのか、その他の要因(添加物など)のせいなのかはわかりませんが、もしそれが後者のせいであった場合、知らずに食べ続けていれば命に関わる不可逆的な肝機能不全に陥っていたことでしょう。ではそうなってしまった時、誰が責任を とってくれるのでしょうか?誰も命の責任なんて取れません。                      
                           
     では、私たちはどのようにフードを選べば良いのでしょう?  
                         
     私たち一般ピーポがフードについてわかることは原材料名ぐらいです。   
             
              
     ここでワンポイント(^^)/です。フードの裏側の原材料は内容物が多いものから書かれています。ライフステージや健康状態によって、栄養バランスのとれたその子に合うフードを選んで いただきたいのですが、実はワンちゃんは先祖が肉食の雑食動物、猫さんは真性肉食動物 なのです。そのことを念頭に置き、表のイラストや言葉などで選ばずに裏の原材料をしっかり                      
    見て、おうちの動物さんの年齢などを考慮しながら選んでいただきたいです(^。^)。
                         
     それ以外のことはわかりません。となると、”フード”の安全性に関して私たちが得られる情報は あるのでしょうか?
                          
     フードは ①製造者→②卸業者→③販売者→私たち消費者の手に渡ります。                      
     何か問題があった場合、この逆の流れを確実にたどる必要があります。そして責任の所在を はっきりさせます。逆に①の方々は、逆の流れがはっきりしている場合には何かあったら 責任を取らなくてはいけないことがわかっています。ということは、(私の仕事もそうですが) 責任を取らなくてはいけない=責任を持つ=商品(行動・治療)に自信がある、ということに つながるのではないでしょうか。うちで扱っている動物病院取扱フードの目で見える確実な安全性の確認は出来ないけれど、製造ラインまでわかっているフードです。それほどにまで 責任を持ってくれているフードなら信じてもいいのではないのでしょうか?。                      
     食事は体を作る源です。アクセサリーよりも、お洋服よりも、なによりもこだわりを持って 選びましょう。そのこだわりは、裏切ることはないはずですよ(^_-)-☆。                      

    2008.12.01

  • dr

    『日本全国 動物園 水族館めぐり』 No. 12 2008.10月

     皆さん 動物園、水族館はお好きですか?私は・・・ご想像どおり、だ~い好きです(^_^)/。  
                       
     幼い頃は、名古屋っ子はみんな(?)大好きな 【東山動物園】 に入りびたり(だったはず)です。というのは、3、4年前に久しぶりに東山動物園に行ったのですが、何でこんなに園内のことがわかるのか!と自分でもびっくりするぐらい、『あ~ライオンはこっちだよ。じゃあまずお猿さんの方見てからペンギンさんの方行く?』などと、動物園内の地図が完璧に頭に入っていました。 ということは、どれだけ幼い頃に行っていたか!ということと、三十ウン年間、園内の動物さんの場所換えをしていない(?)ということですよね~(^_^;)。  
                       
     なんやかんやで、いい年のおばさんが『きゃーきゃー』騒ぎながら楽しい時間を過ごしました。                     
                          
     そして大学時代。旅行のメインイベントは、観光でもグルメでもなく、その土地の動物園や水族館を見ることでした(^・^)。・・・全く・・・。                     
     獣医の友達(”じゅういーず”といいます)以外からすると、最も連れて行きたくなかった 人物だったと思います。                     
                          
     色々なところに行きましたよ~(^^♪。                     
                          
     北海道の 【のぼりべつ熊牧場】 は熊さんが二本足で立っちして、お菓子を 「欲しい欲しい」 する姿がかわいくて、皆に『もういい加減に帰るよ~(-“-)』と怒られるほど見てました。【キタキツネ 牧場】ではついきつねさんに触りたくなって、手を出そうとしてしまい、友達に『何やってんのよ~ (ー_ー)!!』と怒られ、はっと我に返りました。                     
     また、和歌山の 【アドベンチャーワールド】 は最高でした。ここったら、普通の動物園にいる動物さんだけでなく、パンダさんもいますし、サファリパークだってありますし、またまた海獣系 もいて、イルカさんなどのショーもあるんです。もう 最高! 最高! 最高! !(^^)! !(^^)! !(^^)!。 
                        
     最高と言えば、横浜【八景島シーパラダイス】 も最高でした。話はずれますが、私たちの大学では、大学4年後期から講座に入り、約2年半卒論研究をして、大学6年の1月に卒論発表会が あり、その発表が卒論としての単位となり、卒業が可能となります。(他に単位を落としていたら、卒業できないですが・・・。)   
                      
     そんな感じで、6年生の12月から1月にかけて卒論提出やら、発表の準備やらで非常に忙しい のですが、3月初旬に獣医師国家試験を控えているため、1月に発表が終わるや否や休むことなく、国試の勉強に入ります。それも、6年間勉強してきたすべてのところから、試験は出るわけで、やまもはれず、とにかく1日24時間のうち、いつ寝て、いつ勉強して、いつご飯食べてるかわからないような生活を1ヶ月します。もうふらふらです。そして普通の精神、健康状態で ないような状態で国試を受けます。当日なんて、吐血する者や、下血する者続出です。
                         
     その国家試験会場が東京だったので、試験後に卒業旅行かねて仲間で【シーパラダイス】に 行ったのですが、先ほどお話しましたように、普通の精神状態でないのに加え、”じゅういーず”は 私も含め、もともとちょっと頭がおかしいのか、「海獣ショー」であまりにもイルカさんや、鯨さんが 上手にショーをするのに感極まりすぎて、7,8人いた”じゅういーず”全員大泣き(;O;)をしました。  周りの方々がにこやかに、楽しそうに観覧している横で大泣きなんて怪しすぎますね~(^^ゞ。 
                        
     ともあれ、すばらしいショーでした。(さらに話は飛びますが、私は以前犬のサーカスショーを見て、みんなあまりにも上手にショーが出来ているのに感激し、周りの子供たちや親御さんが笑顔で  観覧している中、一人で『なんて上手なの』と感極まりすぎて、えんえんと泣いた覚えがあります。 それも怪しすぎますね・・・。)                     
                          
     非常に話は飛びましたが、他にも、この地域の方は動物好きでなくてもおそらく行ったことが あるであろう【富士サファリパーク】、【鳥羽水族館】、【南知多ビーチランド】、【竹島水族館】、【モンキー センター】などなど・・・のほかに、和歌山の方の【鯨の博物館】、【串本海中公園】や大阪【海遊館】、 あげればきりがないくらい、色々なところに行きました。                     
                          
     そして、そして、この9月23日、24日(23日祝日休診火曜日、24日定期休診水曜日の2連休)と  念願の 【美ら海水族館】 へ行って来ました(^^♪。想い起こせば、旅行は4、5年ぶりです。                     
     急患や、どうしても置いていけない子が来院されたらキャンセル覚悟でいたのですが、受け入れて くださる病院に1日だけお願いができ、決行できました。   
                      
     よかったですよ~。ジンベイザメ!(^^)!。大阪海遊館よりもいっぱいいました(^・^)。
    大好きな 海獣ショーもありましたし、満足しました。1泊2日の強行旅行のため、他の場所にはほとんど 行けませんでしたが、南のジンベイザメたちに会えただけで、良かったです。
                         
     本当は、ここ4、5年の夢は北海道 【旭山動物園】 なのですが、1泊2日では難しい~(>_<)。 いつか、皆様から必用とされなくなった時か、はたまた私の今のポリシー(院長である私が、患者さんすべての診察をしたい)に反して代診(勤務獣医師)を雇うようになったときか、はたまた命の洗濯が必要になるほど精神を病んだときか(?!)、また学会が北海道で行われる時か・・・。  いつかいつか許されるときがあれば、行ってみたいです(^・^)。でもうちの子達を置いていくのも、2日が限度だし、当分は無理そうです。夢を抱きつつ、日々の診察に励んでいきます。   
                      
     【旭山動物園】へ行かれたことのある方、土産話だけでも嬉しくなるので、ぜひお聞かせ下さい。  写真があればもっとサイコ~(#^.^#)ですね~。                     
                          
                          
                          
                          
                          

    2008.10.01

  • dr

    『器物損壊ってどうなの?』      No. 11 2008.8月

      皆さんご存知のことと思いますが、先月チワワを蹴り殺した男が「器物損壊罪」および 「動物愛護法」により逮捕されました。
                          
     そのニュースは夕方の外来時に超リアルタイムに患者さんから教えていただき、「名古屋だよ、犯人はチワワが怖くて蹴ったらしい。」と・・・・。      
                    
     「ど~いうことだ(ー_ー)!!。」  
                         
     ちなみに人間を殺すと 「刑法199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の 懲役に処する。」ですよ。                      
     なんということなんだろう。チワワを蹴り殺した刑が、家の壁を叩き壊した刑と同等か軽いなんて・・・。                       
     また、隣人とのペットのトラブルで、ペット不可のマンションでワンちゃんを飼っていた人が 再三隣人よりとがめられ、隣人への嫌がらせとして自分のワンちゃんをその人の前で包丁で刺し殺して、「お前の子供もこうなるぞ!」みたいな事を言った事件もありました。  
                        
     おそらく脅迫罪のみですよね。2年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。                      
     愛護法とかぶせてもそんな罪にはなりません。  
                        
     重症の動物さんがいれば夜眠らずに看病したり、何とか命を守るために日々奮闘している私には、本当に信じられない。この国は法律で守られているのか、縛られているのか・・・。                      
     私はとりわけ人間に厳しい。別に人間嫌いなわけではないけど、自分にも他人にも厳しい。   
                        
     三十うん年、この年まで生きてきて、様々な努力をして事を成してきたけれど、自分が設定した点数にたどり着いたことはないし(実は自意識過剰で目標点数が高すぎるのか、採点方法が厳しすぎるのか、本当に何もできない奴なのかは定かではないけれど・・・)、結構厄介なのは、他人にも それを求めてしまったりして、よく後悔をします
    。                      
     話は反れましたが、そんなかんなで人間に厳しい私でありますが、うって変わって動物には 恐ろしいほど優しい。スウィートチョコレートにメープルシロップをかけたぐらい甘々(*^_^*)。                      
     夜中の回診(夜間の入院動物さんの見回りを私はこう呼んでいる。)の際には、死ぬほど眠くても、動物さんには笑顔が作れる。「大丈夫なの~(^・^)」とか言っちゃって・・・。                      
    全然眠くない昼間でも、ちょっと疲れてるだけで人間に対してはなかなか笑顔を作れずに 「ムスッ~(-_-)」としているのに・・・。まぁ、これは厳しいということとはちょっと違いますけどね
    。                      
     主人や母から言わせれば 「あんたは変わっている」 らしいけど、人間のために自分の命は           なかなか捧げる事は難しくても、動物のためなら捧げることは惜しくない。                      
     そこまで命を捧げている動物さんの命が、家の壁よりも下だなんて可笑しすぎますよね(>_<)。                       
     動物さんの命の重さを、しっかり量れる法律の改正を切に願っています。                       
    また、虐待などで悲しく、辛い想いをして亡くなっていく動物さんが、少しでも少なくなってくれることを願います。      
                          
                           
    P.S 先日うちのメルモが9歳のお誕生日を迎えることが出来ました。   鼻腔腺癌の放射線治療から丸1年。メルモは頑張ってくれています。 信じられないぐらい元気で、毎日生きてくれています。気にかけてくださる皆様、 ありがとうございます。メルモはまだまだ頑張ります(*^^)v。                      

    2008.08.01

  • dr

    『痒い!』           No. 10 2008.7月

    梅雨真っ只中!不快指数が高くなり、じめじめ、べとべと、かゆかゆ・・・。
    その『かゆかゆ』ですが、『痒み』は奥が深くて、ちょっとだけ蚊に刺されたりしてすぐ治まる痒みから、人間の子供や動物さんのアトピーなどの目も覆いたくなるような激しい痒みから・・・。

    皆さん、痒みの辛さを知っていますか?

    ご自分がアトピー、ご家族がアトピーなどで身近に痒みに接していられる方は、十二分に痒みの辛さをご存知だと思いますが、あまり痒みに接していられない方はおそらく、『痛いのは辛いけど、痒いのは我慢できるでしょ(*_*)』と思われていると思います。

    じ・つ・は・・・。この私もそうでした。臨床の仕事(獣医師)を始めて 13、4年になりますが、痒みの本当の辛さを知ったのはメルモに出会ってからです。

    話が少し反れますが・・・、メルモが私の子になって3日目、当時私は動物病院の勤務医 をしていたのですが、仕事後、帰宅しメルモの耳の中を見ると・・・。

    『超~汚い!(>_<)』。

    ペットロスから立ち直っていない頃に来たメルモは、通常の『新しく仔犬を迎えたらする検査= 検便&耳ダニの検査』をしてあげていませんでした。
    『この汚れ方からして、ほぼ100%耳ダニが付いてる(>_<)。』
    そう思うと無性に耳掃除がしたくてたまらなくなりました。
    けど、自宅には耳掃除&検査セットも、耳ダニのお薬もない。で、あきらめて次の朝、病院に 連れて行き、お耳の処置ををすれば良かったのですが、性格的に思い立ったら即行動をしなく ては我慢ならないタイプで、家にあるず太い綿棒で、たった400gしかないメルモの耳の中を 探り始めてしまったのです。

    かわいそうなメルモは、ちょっとだけ痒かったお耳に太い綿棒をグリグリと入れられ、元々 耳ダニで弱っていたお耳の中が暴れだしました。メルモは『痒い、痒い!』と足で耳の中を 掻き始め、掻くとよけい痒くなるから、また掻き始めます。それを抑えるために、掻き始めたら メルモの足を抑えて、又掻き始めたら足を抑えてと・・・メルモと私は、痒いね!痒いね! ごめんね!と、夜を明かしました。そして早朝出勤をしてメルモのお耳の処置をしました。

    本当にメルモには悪いことをしましたが、私にはとてもいい経験で、『痒み』は『痛み』と同様に 辛い。ということが身に沁みてわかりました。

    非常に話が反れましたが、たかが『痒み』と考えないで下さい。痒みは動物さんの生活の質、いわゆる クオリティ オブ ライフ を悪くします。食欲だって落ちますし、苛々して噛み付いたり、引っかいてくるかもしれません。治してあげれるものなら、当然治してあげたいですよね(^^♪。

    ただ、痒みをすべてなくしてあげること、つまり皮膚病を治してあげることが難しい場合もあります。
    アトピーです。(短期間だけ痒みを抑えたり、痒みをコントロールをすることは可能です。)

    でもこのアトピーの定義は難しく、もしかしてアトピーだと思ってあきらめている動物さん(飼い 主さん)が治る皮膚病だったり、治そう!治そう!と頑張っている動物さん(飼い主さん)が、アトピーだったり・・・。
    皮膚病は奥が深いです。治療が適切であれば、簡単に結果が出る(治る)皮膚病もありますし、治療も検査方法も適切であるけれど、結果に時間がかかる皮膚病もありますし、治療方法が間違っているがために、結果が出なかったりさらに悪化したりする皮膚病もあります。

    先日、土曜日の午後から『皮膚病』のセミナーに行ってきました。2つのセミナーの掛け持ち だったため結構疲れました(T_T)が、とてもためになりました。いつもセミナーに出かける際には、欲張らずに、『何かひとつでも、これからの診療に役立つことを習得して来よう(^・^)』という気持ちでいるのですが、今回の2つのセミナーでは、2つどころか4つも5つも習得することがありました。

    というか、今までの知識の生理整頓が、頭の中できっちりとできました。この知識を使って、治せない痒みの子、治せる痒みの子、その他の痒みの子などなどを治療していきたいです。

    『飼い主さんが動物さんの痒みの原因を理解をし(理解には私たち獣医師のしっかりとした説明が必須)、獣医師は選択した治療に責任を持ち、さらに両者で経過を監視していく。』

    治療(あるいは検査)には飼い主さんの協力が不可欠です。協力していただくためには、 信頼関係が必要ですよね(*^_^*)。信頼関係を築いていただけるように、日々精進していきたいと思いますので、よろしくお願い致します(^_-)-☆。

    2008.07.01

  • dr

    『核酸との出会い』         No.9 2008.5月

    昨年、うちのメルモが癌とわかり(No.3  『うちの子が癌になりました』参照)、泣き暮らして いた頃、主人が買ってきてくれた本『ペットがガンに負けないために』で 核酸 と出会いました。
    皆さんも 核酸 と言う言葉は聞いたことがあると思いますが、さてナンだっけ(‘_’)?という 感じですよね。
    核酸の詳しい説明は後回しにさせていただいて、この本のちょうど真ん中あたりの一文に  私の目は釘付けになってしまいました。

    『生まれたときから当院にかかっている子たちで現在ガンになっている子は1匹もいません。』                  

    この本の著者は、宮野のり子先生、花田道子先生という開業獣医師さんで、生きる物には  栄養療法がいかに大切で効果的か、生活習慣・環境が生命力にどれほど影響を与えるか、などを一般の方にもわかりやすく教えてくれています。

    さっそくメルモの放射線治療の日にちを決定するのと同時に、栄養療法を始めました。
    メルモの飼い主としての藁をもつかみたい期待と、獣医師としての興味津々な状態からです。
    ただ、栄養療法といっても本に書かれていることを全部そっくりそのまま実践はできません。
    そこは獣医師として省く部分や、時間の制約などもありますので、核酸服用をメインに行って みることにしました。

    後回しになっていた 核酸 の説明をさせていただきます。 (詳しい説明をしていくと 何10ページにもなってしまいますので簡単な説明をさせていただきます。)

    核酸 にはDNAとRNAの2種類があり、細胞内の核内にあります。核内には核小体と染色体 が入っており、たんぱく質の一種にDNAが巻きついたものが染色体で、そのDNAから情報を 受け取りコピーしたり、核の外に情報を運んだり、たんぱく質合成を助けたりするのが核小体に存在するRNAの役割です。よって体を作り、維持するためのたんぱく質を作る情報が 記録されている遺伝子の元となっているものが核酸なのです。また、核酸は体内でも合成 出来ます。体内での合成方法は2通りあり、まず一つは食事から取り入れたアミノ酸や アンモニア、炭酸ガスなどを材料として肝臓で合成する『デノボ合成』、もう一つは食品中に  含まれている核酸やその分解物を利用して各細胞で行われる『サルベージ合成』です。
    前者は小さな分子にするまで、何度も分解工程を経る必要があり体に負担がかかるのに比べ、
    後者はすばやく分解され、すぐ体内に吸収され、各細胞を作る元となります。また、核酸は 体内に一定量貯蔵されます。サルベージ合成で作られる核酸が多ければ、デノボ合成で 作られる核酸は減り、又その逆も起こります。また、両者には利用のされ方に決定的な違いがあります。デノボ合成で作られた核酸は、正常細胞のDNA複製に利用される一方で、 ガン細胞のDNA複製にも利用されてしまいます。それに対してサルベージ合成で作られた 核酸は、ガンの栄養となることなく、正常細胞のみに利用されるのです。

    まとめますと、核酸サプリメントを摂る理由は①効率よく体内で利用されるためと、 ②ガンの栄養にもなってしまうデノボ合成量を減らすためです。

    では、核酸が体内に存在していると具体的にはどんなメリットがあるのか?
    それを全部書いていくと、これまた大変なことになってしまうので、一言ずつあげていきます。
    遺伝子の保護と細胞の正常化、がん細胞の兵糧攻め、免疫力の増強と副作用の軽減、抗酸化作用、腸内環境の整備、血行促進、アレルギーの予防、ダイエット効果、ボケ防止など・・・・。

    核酸を服用しはじめてからのうちの子達の様子ですが・・・メルモはとても元気になりました。

    と言うのも、メルモ以外は元々健康優良児ですので体調の変化はあり
    ません。メルモは No.3  『うちの子が癌になりました』でもお話しましたが、放射線療法中、何のトラブルもなく、また、副作用もこんなに出ない子は珍しいと言っていただきました。それが核酸のおかげか、メルモの力か、それはわかりませんが(‘_’)・・・・。ただ、核酸を1年近く使ってみて、悪いものではないことだけは確実なので、うちの子たちには続けて行きたいと思っています。

    また注意ですが、市販されているサプリメント、核酸の中には、成分量の少ないものや内容 表示のないものなどの粗悪品も出回っています。サプリメントであれば何でも良いというわけでなく、厳選された原料から作られた、良質なもの物を選ぶ必要があります。ただ、私たちには どれが良いもので、どれが悪いものかわかりませんので、信用できるところから手に入れる べきだと思います。

    あとはお値段ですが、核酸代は私のスキンケア代よりもかかっています(+o+)。とくに メルモは他にもサプリメントを使っているので、あのちっちゃな体に恐ろしいほどのサプリメント代をかけています。高ければ良いというわけではありませが・・・。
    現在、核酸だけでなく、動物さん専用に様々なサプリメントが出ています。
    サプリメントだけでなく漢方薬だってあります。効能もいろいろです。

    悪いところがある動物さんは、そのようなお薬を使ってみる価値はありますし、元気な子はずっと元気でいれるように使ってみる価値があると思います。お薬との組み合わせや、費用、薬形などから使用が難しい場合もありますが、もし興味がおありでしたらご相談下さい。

    とにかく、私は大切なメルモを元気にしてくれている核酸に、感謝(^_^♪、感謝(^_^☆です。
    (ちなみに私自身はサプリメントやお薬を全く服用してませんので、人間での核酸の効果は わかりません。疲れて死にそうなときなど、飲むと良さげだな~(^^)!とは思いますが、至って  自分にはケチで、一度も核酸も飲んだことがありません。もし御自分で使われている方、効果を教えてください。)

    2008.05.01

  • dr

    『 開院7年目(^^♪ 』      No.8 2008.3月

     おかげさまで、今年の3月20日でマリア動物病院は開院7年目となります。                      
     この「7」という数字を私は特別な数字だと感じています。                      
     私が7月生まれということもありますし、ラッキーセブンの「7」でもあります。                      
     また(当たり前ですが)、「6」の次の数でもあります。6年一区切りというか、7年目は 小学校に入学した子が中学校の入る年でもありますし、中学校に入学した子は高校を卒業し、社会に出て働いたり、親元を離れ大学に入る年でもあり、何かしら次のステップに入る年(数)のような気がしています。                      
                          
     想い起こせば当初、スタッフは獣医師の私と受付&補助&よろず相談の母と二人だけで、アットホームに細々と、大好きな動物さんと触れ合っていたいな~(*^。^*)なんて気持ちで この病院を作ったのですが、良い縁で看護師さんが一人、また一人と・・・、トリマーさんも  同じように来てくださるようになり、いつの間にやらスタッフが7名(あら!ここでも「7」!) にもなりました。     
                     
     アットホームな雰囲気は当初と全く変わっていませんが、しいていえば当初の二人(私&母) は老けたかな~(>_<)なんて!。また、「獣医師は私ひとり」というポリシーもいまだ  変わりませんが、この6年で基礎(土台)を固めてこれたので(2007年1月トリミング室増設。 2008年2月ペットホテル室増設。)この7年目からスタッフ7名で、新たなステップを踏めるよう、日々さらなる勉強をし、大切な動物さんたちを守っていきたいと思っています。                      
                          
     さて、芽吹きの春です。 
                         
     今年も蘭が咲きました。開院以来、毎年蘭がつぼみを付けてくれます。                      
     肥料もあげず、冬の寒い日にも夏の暑い日にも、ほかりっぱなしにしているのに、 お花屋さんが手入れをしたように、きれいにお花を咲かせてくれています。(まめにお花を 送ってくださる方もいらっしゃるので、手入れの行き届いたお花にも囲まれています。)  
                        
     お花は、生き生きとした綺麗なオーラが出ているところにしか咲かない(?)といいますが、 そのオーラを出し続けていけるよう、また、皆様との縁をより大切にし、マリア動物病院のオーラがより一層美しくなるように努力をして参ります。                      
                          
     動物さんや飼い主さんの笑顔が私たちスタッフの力の源です。                      
     みんながずっと笑顔でいられるように(^_-)-☆                      

    2008.03.01

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