Dr理恵のブログ

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    トリミングポントカード始めました。

    2015.10.01

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    ペットライフチャンネル始めました。

    待合室と玄関待合にTVを設置しました。

     

    ご迷惑をおかけしている診察の待ち時間を少しでも有意義なお時間に変えていけるように、多種多様な内容をお届けしております。
    オリジナルコンテンツも現在作成中なので、楽しみにお待ちくださいね。

    2015.04.23

  • dr

    母校・名東高校 30周年記念誌への寄稿文

    母校 名東高校の30周年記念誌への執筆の機会を頂きました。
    私事ですが、目を通していただければ嬉しいです。

    『人生二度なし!好きな道へ邁進の勧め』
      
    【鯉沼先生とポワロちゃん】      【高校時代 愛犬あいちゃんと】

    とにかく私は幼い頃から動物が大好き!
    近所のワンちゃんに咬まれても、ノラ猫さんに引っ掻かれても、ただ動物を触りたかった幼い頃の気持ちそのままで今動物病院の院長として日々動物さんと接しています。

     そんな私は名東の3回生、私の代で3学年が漸く揃う年に入学しました。
    当然、歴史はなく学校としての様々なレベルや大学の進学率も定かでない高校でしたが、そんな事よりも校舎は新しい、制服はかわいい(当時、セーラー服や蝶ネクタイと紺ブレザーというノーマルな制服が高校生らしい制服と思われていた時代。そんな時代にネクタイ!しかもスカートはチェック)

    お洒落さんだった私には名東を選ばない理由はありませんでした。
    そんな不純(?)な理由から選んだ高校ですが、自由な校風は私の性格にぴったりで『お洒落(遊び)』と『勉強』のメリハリをはっきりと付け、今思い返してもやり残したことはない楽しい高校生活を送りました。
    こう書くと遊んでばかりに思われそうですが勉強も頑張りました。
    私は理系、今流行の『リケジョ』で、好きな科目は数学、物理、化学、生物、嫌いな科目は社会。高校を制服で選んだ経緯からお分かりのように、あまり『まじめ』な性格でないため、好きなことはとことんやりますが嫌いなことは一切しません。当然成績も理数系は高得点、社会はトホホな状態でした。特に数学が大好きで、雑誌や問題集で途轍もなく難しい問題を探してきては、当時数学の先生だった鯉沼先生に解答を見てもらったり、解き方を教えてもらったり・・・。
    日々の成績には関係なくてもそれがとても楽しかった事を覚えています。

     そんな高校生活を経て、大好きな動物と関わる仕事として獣医師を目指し岐阜大学獣医学科に入学しました。
    就職の際には(月給20万以上の安定している公務員や会社員と比べ)当時月給13万という不安定な臨床医を選び、さらに女一人で開業するなどという危ない橋を渡り、今現在に至っています。

     好きな事にはどんな犠牲を払っても全力を注げる私の性格には、開業獣医師という仕事は最適な仕事です。そんな道を開けてくれたのは名東高校の自由な校風だったのではないかと感謝しています。

     まじめに苦手な事をコツコツ成し遂げる努力は当然必要なことですが、理屈や打算なしにひたすら好きな事に邁進する勢いは、若い頃しかないものです。

     後輩の皆様。進路に迷ったり、先が見えなくて苦しんだり、信じた道が間違っているように思えたり、今後様々な事が待ち構えていると思いますが、悩んだ時には一度すべてを無にして命の洗濯をし、自分が一番したい事、好きな事は何か、そのためには何をすべきか等を見つめ直してみる事が暗闇から脱する一番なのではないかしらと思います。私なんて洗濯し過ぎて色褪せていますが(笑い)私にしか出せない、良い色を醸し出せているのではないかとも思います。
    また私事ですが、前述の鯉沼先生(現北高校長先生)が3年前に愛犬ポワロちゃんの主治医として私を選んでくださり、遠くから(当院は尾張旭、先生のご自宅は豊田)来院して下さっています。本当に嬉しくて、頑張って仕事をしていて良かったと心から思う出来事のひとつです。

    人生や進路には『これが正解』という答えはありませんし、いつ軌道修正しても遅過ぎることはありません。自分に嘘をつかずに信じる道を進み、好きな事に力を注げる生き方をして下さい。また、何をするにも健康でないと出来ません。食事、日々の生活等にも気を配り、皆様の人生が輝かしいものになりますよう、陰ながら応援させていただきます。(2014年2月)

    2015.04.21

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    ノミ・ダニのお話【これが現実です】

    【ノミ】

    ノミは不潔にしているから付いてしまうと思っていませんか?
    coldsweats02『うちの子はトリミングにも行っているし、きれいだから全然問題ないわ~』

    お散歩に行かないから付くわけがないと思っていませんか?
    pout『外に出ないのに付くわけないじゃない・・・』

    気温が高い夏しか付かないと思っていませんか?
    bleah『まだ春だし(もう秋だし)、虫なんていないわよ!』

      

      

    おお間違いです。

    毎月トリミングをし、毎日ブラッシングをして、週に何回かお家でシャンプーをしていても、付くときは付きますし、お散歩に行かなくても、人間や他の動物が媒介したりお庭やベランダから侵入してくることもあります。
    また、夏だけでなく、13度でノミは繁殖を始め、雌の成虫は1日に10〜50個の卵を一生に200〜1000個の卵を産みます。
    卵は1〜2日で孵化し幼虫になり、1週間ほどで脱皮しその後繭を作りサナギになり、5〜10日間程度で成虫になります。そして、条件が良ければ成虫の寿命は3〜4週間で、この成虫→卵→幼虫→サナギ→成虫を繰り返してどんどん増えていきます。

    そしてこのノミは見た目が気持ちが悪いだけでなく、とても重大な弊害があります。

    ノミが寄生すると、かゆみのためにひっかいたりして皮膚炎を起こしたり、大量に寄生すると、吸血されて貧血を起こすこともあります。
    また、ノミの唾液に含まれる物質によってアレルギーを起こすことも多いです。
    皮膚のトラブルだけでなく、条虫という内部寄生虫やその他、多くの病気を媒介します。
    動物さんだけでなく人間を刺すこともあり、激しいかゆみや皮膚炎を起こしたり、ノミが病原体を持っていると、猫引っかき病という猫に引っかかれた人が発熱や疼痛、リンパ節の腫れなどを引き起こしてしまう病気に感染してしまうこともあります。

    【ダニ】

    ダニも同様で草むらなどに潜み、わんちゃんの気配を感じるとすごい跳躍力で動物さんの体にくっついて皮膚を噛みつき、血を吸い始めます。
    マダニはわずか1mm程度の大きさですが、血を吸って体積が200倍以上にもなり、体がぱんぱんにふくらんで黒いイボのように皮膚に噛みついています。口でがっちりと皮膚をとらえているので、無理に引きちぎると口の部分が皮膚に残って化膿してしまうこともあります。

    体に寄生すると激しいかゆみを伴なったり、ノミ同様に大量に寄生すると、吸血から貧血を起こすこともあります。
    さらにやっかいなのは、マダニが「バベジア」という寄生虫(原虫)や細菌などを媒介することです。
    特にバベジア症候群は犬の赤血球を破壊し、生命に危険を及ぼす危険性もあります。

    また、最近媒介が確認されて話題になったSFTSウイルスを持っているダニに人間が咬まれると、重症熱性血小板減少症候群という病気に罹ることもあり、嘔吐、下痢、頭痛などの症状を引き起こし、最悪の場合死に至ることもあります。人が感染する病気として他にもライム病、日本紅斑熱日本紅斑熱、 Q熱などがあり治療が遅れると死の転帰をとることがあります

    ノミと同様、ダニもしっかりと駆除・予防対策を行う必要があります。

      

    flair大切な動物さんと飼い主様の健康や病気予防の観点からも、ノミ、ダニは徹底的に駆除しましょう。
    noteまた、ノミダニががいない場合でも寄生を避けるために予防対策を行ってください。

    【ノミ・ダニの駆除・予防方法】

    ノミ・ダニの駆除で一つ気をつけなければならないのは、ノミやマダニを見つけてもつぶさないということです。
    メスの成虫は体内に卵をもっていますので、つぶすと卵が飛び散ってしまいます。
    また、卵やサナギが落ちている可能性もあるので、部屋や動物さんの寝床(一緒に寝ている場合はお布団なども)は念入りに掃除することも大切です。
    ノミやマダニの駆除・予防策には、効果的な方法がいくつかあります。
    駆除剤のタイプによって効果に違いがありますので、私たちと相談をして、その子に適した方法を選んでいきましょう。

    http://peterrace.jp/sick/thema2/cat02/sick_72.html

    2015.03.05

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    動物救急24時

    一昔前では考えられませんでしたが、今や『動物病院24時hospital』的なTV番組やニュースが週一ぐらいで放映される時代になりました。
    それだけ動物さんが大事にされているという事なので、獣医師としても、動物好きな一個人としても、いい時代だな~と嬉しく思っています。
    また、今では人間の夜間救急病院24hoursと同様、しっかりと対応してくれる夜間病院(夜間動物救急診療所:名古屋市獣医師会http://www.nagoyavet.jp/hospital_yakan.htmlなど)もあり、個人動物病院としてはとてもありがたく思っています。

    というのも、一昔前までは私たちのような個人病院が夜間救急の対応をしなくてはその子を救えないという状況に陥ることも多々あり、私も夜中に奮闘することもありましたtyphoon

    でも、どう考えても、スタッフもいない、検査もままならないような状況で、本当の救急であればあるほど、救命率は格段下がります。

    たまに『先生にちょっと診てもらえれば安心だからweep・・・』とおっしゃる方もいらっしゃいますが、それは大・大・大間違い!獣医師たった一人で何でもできるわけではありません。確実な検査による確定診断と病状の判断、的確な治療、サブをしてくれるスタッフがいてこその救命です。(それは人間の病院でも同じことですが・・・。)
     

    飼い主様の安心だけのためであれば、いくらだって夜起きて診察しますclock

    でも、現実は違いますよ~。
    本当に朝(通常診察)まで待てないほどの救急であれば、確実な治療をせねば救命できません。
    獣医師一人では、できる事の限界がほんのちょっとそこまでです。
    手術にしても、一人より二人、三人と人が増えればより確実、安全にできます。

    ですから、私は時間外救急の場合、飼い主様から症状をよ~く聞き、今の状態が

     『本当の救急』か、
     『ちょっと心配だから私が診よう』か、
     『今でなくてもまず大丈夫』か

    の判断をするようにしています。

    そして、夜間動物救急なるものが存在している今、そのこにとってベストな判断をしているつもりですpaper

    でも、TVで未だにたま~に、動物版赤ひげ先生shadowみたいな人が出てきますね。
    くどいですが、夜間に誰も診る人がいない場合は、たかが一個人獣医師でも、獣医師でない方よりはましです。

    先日、夜間救急でも他の24時間救急でも断られてしまったウサギさんの診察を早朝にしましたが、何時間かは延命でき、飼い主様にはありがとうと言って頂けましたcrying
    でも、それでも、時間外でなければ!人手がもっとあれば!もっと何とかなったのではないか!と未だに悔やまれます。

    そうなのですbearing
     

    私は100%の力を出せない治療をすることが途轍もなく許せないのですthink

    赤ひげ先生たちはそういう感情は持たない方なのか、それよりもなによりもおそらく自分が助けなくては!という自己犠牲的な気持ちが強い方なんだろうなと私は思います。

    私はその真逆で自信のない治療はせず、私より格段治療技術が高い病院、先生を紹介します。
    ・・・そうだな~(*´ω`)、前にも書きましたが、自分にも人にも厳しい私はそもそもいろんなことにあまり自信がない。
    普通の獣医さんができる治療、手術はできる自信はあるけれど、特別の人しかできないことは出来ない。

    そんな中で、私が唯一自信のある事は、その子と飼い主様に対する気持ちheart02と決して諦めない気持ちheart02
    最新の高度医療で、どうすることもできない所からが本領発揮です。
    たまに私の方が飼い主さまより気持ちが先に行ってしまって、空回りしてしまったり悲しい思いをすることもあるのですけれど・・・。

    2015.02.20

  • dr

    メルモの三回忌法要

    2015年1月18日。
    メルモの三回忌法要 を終えました。

    メルモが亡くなり、初七日、ニ七、三七、四・・・、四十九日、百か日、月命日と少しでもあちらでメルモが気持ちよく過ごせるようにしてきた供養。
    それもこれで一区切りつけ、後は命日だけの供養にしようと思っています。
    メルモがいなくなったら生きていけないと思っていましたが、生きてしまっている私・・・。
    こっちでの修業を終えたら真っ先にメルモに会いたいな

    2015.01.18

  • dr

    増築、そして今思う事。

    病院の増築工事houseが始まりました。

    2002年に開院してから今年で12年。
    今回で5度目の増築、ついに最終形(の予定)です。

    当初、金銭的問題から(設計料までお金が回らない)設計の知識も何もない私が、設計の勉強も全くせず設計した病院ですが『何とかなるさ』的な感じで、あーしたいなwink、こーしたいなwink、をひとつずつ作り上げてきました。
    こうしようという最終目標は全く持っていなかったわりにはいい感じにまとまるのではないか(できてみないとわからないけれど)と自負しております。

    また私事ではございますが、四十路過ぎに授かった娘presentがこの11月に3歳になります。

    それまでの40年、自分だけの為に好き放題生きてきた(旦那は当然ずーっとそっちのけです)私にとって、子育ては試練以外の何ものでもなく、この3年でこんなにも人間考え方が変わるのかと自分でも驚くほどの変化を遂げました。
    と同時に、それまでの行動、言動を後悔することも多く、
    『あのとき、どうしてあんなひどいことを言ってしまったのだろうdown』や
    『相手の気持ちをくんであげればよかったdown』など、
    それまでの人生、どれほど人に対する思いやりや自身の心の余裕がなかったのかを悔やむことが多々あります。

    自分に厳しく、人にも厳しかった私が、子育てを通じて、世の中には道理に合わないことや、流れに流されていい場合もあることなど『だって仕方ないでしょnotes』ということがたくさんあり、それも認めて人と関わっていくんだという事を学ばせてもらいました。(もらっていますと現在進行形ですねapple

    獣医師になり、臨床の仕事を選び20年、よく言う『がむしゃらにcoldsweats02』とか『突っ走ってきたdash』とかではなく、ただひたすら好きな事を日々してきた20年ですが、この3年でその感覚がなんとなく変化し(『自分が好きな事をしている』と言う感覚から『好きな事をさせてもらっている』という感覚に変化)、日々の何気ない診察も全く変わって(患者さんから見れば全く変わってないかもしれませんが)来ている今日この頃です。

    日々出来上がってくる建物hospitalを前に、あと何年この好きな仕事を続けていけるかわかりませんが(あと20年はしていきたい願望はあるのですが・・・heart02)、これからも今まで通り、動物さんのため、飼い主様のため、ほんの少しでもお役に立てるように、日々勉強、努力をしていきたいと今更ながら決意を固めています。

    まだしばらくの間、工事でご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたしますpaper

    2014.10.27

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    免疫ミルク『ペットアイジージー』

    免疫ミルク『ペットアイジージー』新発売のご案内

    『母乳にどんな働きがあるか、皆さんはご存知ですか?』

    お母さんのおなかから無防備のまま生まれた赤ちゃん。
    赤ちゃんは生まれてから半年程(人間)は感染症にかかりにくいと言われています。
    それは出産直後の母乳(初乳)には、栄養成分のほかにIgAやIgGなどの抗体成分やラクトフェリンやリゾチームなどの生理活性物質が含まれていて、赤ちゃんを病原菌から守ることができるようになっているのです。

    人用『免疫ミルク』は、そんな母乳の働きに着目したアメリカのスターリ研究所が長年にわたり研究を進め、乳のみにより、母牛の免疫力を伝達するという特質を活かし、牛乳をもとに、できる限り母乳を再現させたミルクとして、開発されました。

    免疫ミルクには、カルシウム、タンパク質などのほかラクトフェリンやIgG抗体が含有されています。
    免疫ミルクの効果は、このラクトフェリンの持っている免疫機能を高めることで知られていますが、IgG抗体は細菌侵入を防止する力を持っています。
    身体を細菌から守ってくれるものは、皮膚や粘膜、マクロファージやリンパ細胞などです。特に食物と一緒に入ってくる細菌が腸壁から侵入しないようにするため、腸壁免疫力を高めることが重要だといわれています。
    IgG抗体は、体内に侵入する悪玉菌と結合し、体外に排出してくれる効果を持っているため、腸内環境が改善され、便秘が解消されるといった効果もあります。
    最近、高齢者の生体防御機能を高め、慢性関節リウマチの症状改善に効果があるといわれています。
    アレルギーも免疫力の異常により引き起こされるものです。
    アレルギー抗原が体内に侵入すると、タンパク質と結合します。それを異物と間違って判断してしまい、アレルギー抗原に対する抗体(IgE)を過剰に生産し、防衛する際に起こる反応がアレルギー反応です。

    免疫ミルクの成分には免疫力を調整する作用もあるので、過剰化した免疫を正常化し、アレルギー症状を緩和します。さらにコレステロール値を下げたり(悪玉コレステロールのみ低下)、血圧を正常化する効果も報告されています。免疫ミルクに含有される抗体は26種類で、大腸菌や食中毒や敗血症を引き起こすブドウ球菌、サルモネラ菌などのほかに膀胱炎や肺炎、腎盂炎を起こす菌などが抗原として接種され、免疫ミルクのなかで抗体となって効果を発揮します。

    そして、このたび、動物専用の免疫ミルクが開発されました。
    獣医師 宮野のり子先生、橋本雄一郎先生監修)
    人同様、皮膚病、下痢や便秘(消化機能)、仔犬の発育改善、老齢性疾患一般、関節の改善などに効果が認められています。(例:食欲が増えた、元気になった、発育・成長が良い、毛艶が良い、便通が改善、便秘が改善、便の匂いが減った、口腔内の匂いが減った、かゆみが改善など)

    また、何よりも嗜好性抜群。食べ終わってもお皿をぺろぺろするぐらい、喜びます。
    ぜひ、一度お試しください。(乳製品に対するアレルギーを持っている動物さんには使えません)

    詳しくはhttp://www.s-milk.com/shop/contents?contents_id=258951

    2014.03.03

  • dr

    『癌(病気)と闘おうシリーズ2 リンパ球(免疫細胞療法)』  No.35 2014.1

    前回のDr理恵(癌と闘おうシリーズ1・乳酸菌)の重複となりますので、しっかり理解された方はくどいな~と思われるかもしれませんが、しばし我慢してください”(-“”-)”。
    また、今回のお話はそのリンパ球をどのような治療に使っていくかのお話なので、理解していただけると嬉しいです。

    前回、ガンの始まりは正常細胞の変異で、体の中の異常細胞処理システムが正常に働いてくれれば異常細胞を見つけて排除してくれ、癌を抑えることができるという話をしました。そしてそのシステムで重要な役割をするのが白血球で、リンパ球はその白血球の一つですという説明をしました。

    リンパ球は免疫機能を持ち、自身が出す抗体(免疫グロブリン)などを使ってあらゆる異物に対して攻撃をします。同じリンパ球でも役割・機能が異なるナチュラルキラー(NK)細胞、B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)と3種類あります。ある種のT細胞はヘルパーT細胞として機能し、体液性免疫や抗体産生に携わっています。ガンと闘う「キラー細胞」には、主に「細胞傷害性Tリンパ球(CTL)」と「NK細胞」があります。キラー細胞は、普段はウイルス感染細胞や傷ついた細胞を殺し、クリーンアップする役割を担っていますが、このCTLとNKでは役割分担が異なります。
    これらのリンパ球の力を利用して、ガン細胞をやっつけていこうとする治療が免疫細胞療法といい、様々な方法があり、それぞれに長所・短所があります。

    動物病院での免疫療法では主に活性化リンパ球(CAT)療法樹状細胞+CAT療法が行われています。

    CAT療法は動物さんから採血し、血液からリンパ球を回収し、特別な方法でリンパ球の活性化・増殖を行い、再度動物さんの体内(血液)に戻す方法で、後者はそれに加え、ガン細胞の情報を与え、ガンを特異的に攻撃させるための目印を持つ細胞とともに体内へ戻す方法です。
    専用の装置・器具・技術が必要なため、どこの動物病院でもできる治療ではありません(当院は今後導入予定)し、1回治療して癌が消えるなどという魔法でもありませんので、何度か繰り返し治療が必要となります。(通常、2週ごとの治療を6回行うことを1クールとし、その後は臨機応変に決めていきます。)

    治療効果としては、(進行ガンの例として乳腺癌についてのデータ)QOLの向上に関しては『効いた』が4割程度、『長期不変』(進行ガンが不変ということは悪くなっていないということなので効いていると考える)を加えると7割弱に効果が認められています。

    また、今現在効果が認められているガンの種類は限られていますが、今後研究が進み、もっと様々なガンに効果が発見される可能性も大ですし、今でもガンのみならず、慢性中耳炎、アトピー性皮膚炎にも効果が認められているので、ガンに限らず様々な病気に効果が期待される治療だと思っています。

    そこそこの血液を採血し、それを再び血管から体内に戻すことを繰り返しする治療のため、個体によっては物理的に不可能な場合もありますし、時間的、金銭的、動物さんの精神的にも難しい問題も数多くあると思いますが、選択肢の一つとして、飼い主様、特に今現在動物さんと一緒にガンと闘っている飼い主様には理解してもらって害はない話だと思います。

    人間だって、動物さんだって、いつかは亡くなってしまいます。でもその生きている間は、ガンやほかの病気で闘病中でも、できる限り元気に、おいしくご飯が食べたい(食べさせてあげたい)し、その時間が治療しないよりも、ほんの少しでも伸びてくれるといいなと思いますよね(^_-)-☆。
    免疫細胞療法はそんな治療ではないかと私は思っています。自分の体において、こんなに(どんなに?)治療嫌いな私でも、この療法ならしてもいいなと感じているぐらいですから・・・(#^.^#)
    前回のDr理恵(癌と闘おうシリーズ1・乳酸菌)の重複となりますので、しっかり理解された方はくどいな~と思われるかもしれませんが、しばし我慢してください”(-“”-)”。

    また、今回のお話はそのリンパ球をどのような治療に使っていくかのお話なので、理解していただけると嬉しいです。

    前回、ガンの始まりは正常細胞の変異で、体の中の異常細胞処理システムが正常に働いてくれれば異常細胞を見つけて排除してくれ、癌を抑えることができるという話をしました。そしてそのシステムで重要な役割をするのが白血球で、リンパ球はその白血球の一つですという説明をしました。

    リンパ球は免疫機能を持ち、自身が出す抗体(免疫グロブリン)などを使ってあらゆる異物に対して攻撃をします。同じリンパ球でも役割・機能が異なるナチュラルキラー(NK)細胞、B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)と3種類あります。ある種のT細胞はヘルパーT細胞として機能し、体液性免疫や抗体産生に携わっています。ガンと闘う「キラー細胞」には、主に「細胞傷害性Tリンパ球(CTL)」と「NK細胞」があります。キラー細胞は、普段はウイルス感染細胞や傷ついた細胞を殺し、クリーンアップする役割を担っていますが、このCTLとNKでは役割分担が異なります。

    これらのリンパ球の力を利用して、ガン細胞をやっつけていこうとする治療が免疫細胞療法といい、様々な方法があり、それぞれに長所・短所があります。

    動物病院での免疫療法では主に活性化リンパ球(CAT)療法樹状細胞+CAT療法が行われています。

    CAT療法は動物さんから採血し、血液からリンパ球を回収し、特別な方法でリンパ球の活性化・増殖を行い、再度動物さんの体内(血液)に戻す方法で、後者はそれに加え、ガン細胞の情報を与え、ガンを特異的に攻撃させるための目印を持つ細胞とともに体内へ戻す方法です。

    専用の装置・器具・技術が必要なため、どこの動物病院でもできる治療ではありません(当院は今後導入予定)し、1回治療して癌が消えるなどという魔法でもありませんので、何度か繰り返し治療が必要となります。(通常、2週ごとの治療を6回行うことを1クールとし、その後は臨機応変に決めていきます。)

    治療効果としては、(進行ガンの例として乳腺癌についてのデータ)QOLの向上に関しては『効いた』が4割程度、『長期不変』(進行ガンが不変ということは悪くなっていないということなので効いていると考える)を加えると7割弱に効果が認められています。

    また、今現在効果が認められているガンの種類は限られていますが、今後研究が進み、もっと様々なガンに効果が発見される可能性も大ですし、今でもガンのみならず、慢性中耳炎、アトピー性皮膚炎にも効果が認められているので、ガンに限らず様々な病気に効果が期待される治療だと思っています。

    そこそこの血液を採血し、それを再び血管から体内に戻すことを繰り返しする治療のため、個体によっては物理的に不可能な場合もありますし、時間的、金銭的、動物さんの精神的にも難しい問題も数多くあると思いますが、選択肢の一つとして、飼い主様、特に今現在動物さんと一緒にガンと闘っている飼い主様には理解してもらって害はない話だと思います。

    人間だって、動物さんだって、いつかは亡くなってしまいます。でもその生きている間は、ガンやほかの病気で闘病中でも、できる限り元気に、おいしくご飯が食べたい(食べさせてあげたい)し、その時間が治療しないよりも、ほんの少しでも伸びてくれるといいなと思いますよね(^_-)-☆。免疫細胞療法はそんな治療ではないかと私は思っています。自分の体において、こんなに(どんなに?)治療嫌いな私でも、この療法ならしてもいいなと感じているぐらいですから・・・(#^.^#)

    2014.01.21

  • dr

    『癌(病気)と戦おうシリーズ1・乳酸菌』  No.34 2013.7

     『乳酸菌は良い』と言うことは、ほとんどの方が知っていることだと思いますが、どうして良いのか?と聞かれるとどうですか?

    『便秘や下痢を治してくれる』『腸の動きを良くする』・・・ふむふむ・・・そうですね。腸の動き(消化・吸収)がスムーズに行われないと、いくら口から栄養分を入れても活用されずに排泄されてしまいますよね。(栄養素を体が取り入れることが出来るような形に分解することを「消化」といい、消化器官から体へ取り込まれることを「吸収」と言います。)消化は腸内常在菌が体内の消化酵素と協力して行います。その常在菌には善玉菌(ビフィズス菌などの乳酸桿菌や球菌等)、悪玉菌(バクテロイデス、ユウバクテリウム、嫌気性連鎖球菌などの腐敗菌、病原性のあるウェルッシュ菌等)、日和見菌がいるのですが、悪玉菌が優位の環境では消化吸収はスムーズに行われません。
    で、他の理由は・・・?

    今日はその乳酸菌について、病気・・・その中でも、大事なメルモの命を奪った『ガン』に関連づけてお話していきたいと思います。

    『ペットのがん、アトピー、難病は腸から治す!』

    この一文に目が釘付けになりました。というのも、20年近くこの仕事をしてきて、病気の動物さんを診たり、うちの動物達で感じたり、自分自身の体調から『健康の基本は腸である。』と感じていました。外来でも、私が『基本は腸ですからね』と言っているのを聞かれたこともあるかと思います。腸が丈夫な子は大丈夫(腸が弱い子がすべて弱いというわけではありませんが)。うちの18歳まで生きたあいちゃん(シェルティ)なんて、小さい頃から何を食べても下痢も嘔吐もしない、とても腸の丈夫な子でした。
    腸とガン(病気)の関係を科学的にはっきり理解したい(?_?)。そんな理由から、乳酸菌の勉強を始めました。

    まず、言葉の説明から。

    腸内フローラとは腸内常在菌の繁殖状態を意味します。その腸内フローラが良好(善玉菌優位)であれば、発育、栄養素合成、感染防御、免疫活性、ガン抑制、老化抑制、薬物・毒物代謝促進、生理活性向上など、健康状態を改善する方向に整い、逆に悪玉の勢力が高まると不健康・発病の方向に傾く事が研究されています。

    次に加齢と腸内フローラとの関係を見てみると(人間での話になりますが)、誕生からしばらくの間、善玉菌優位の状態ですが、その後悪玉菌が優位になってきます。とは言っても、離乳期以降、成年期の前期頃までは、ビフィズス菌などの善玉菌もまだまだ元気に繁殖してくれています。しかし成年期後半からは善玉菌数が激減するのです。それと反比例してウェルッシュ菌のように病原性のある悪玉菌が急増します。

    さらに老年期に入ると悪玉菌ばかりはびこるようになります。これらの事実から、腸内フローラに注目する限りでは、老化とは悪玉菌が増えることであり、善玉菌を優位に保ち続けることができれば、老化を遅らせることができるのです。また、老化とは外見が年寄りになることだけでなく、免疫力が低下することでもあります。

    年をとると病気になりやすくなるのは、免疫力が落ちるからなのです。こうした点に注目するならば、腸内フローラの状態をできる限り良好に保つことができれば、病気や免疫力の低下予防になるのです。ちなみに免疫とは『疫(はやり病=病原菌)を免ずる作用』イコール『感染病を免れる作用』ですが、感染症だけでなく、体を病にさせない力、病から回復させる力すべてを免疫と考えるべきです。ガンの発症の引き金を引くのも『免疫力の低下』です。

     

    ガンの始まりは正常細胞の変異です。正常な細胞が、発ガン物質の影響や突然変異などで変異し、変異した細胞が生き延び、細胞分裂を繰り返していくとガン組織へと成長するのです。一説によれば、私たちの体の中にはどんなに健康でも常に千単位のガン細胞が存在しているそうです。全身の細胞は60兆個もあるので、何千個ガン細胞があったとしても、そのまま増えずに細胞が死んでいってくれれば何の問題もありません。体の中にはそのような異常細胞を処理する免疫システムがあり、その免疫システムを統括している自律神経が働いています。それらが正常に働いていればたとえ異常な細胞が出現したとしても、修復・排除してくれるのです。

    その修復・排除に重要な役割を担っているのが血液中の細胞、白血球です。白血球は多くの種類に分化していますが、大きく分けると『リンパ球』『マクロファージ(単球)』『顆粒球』に分かれます。

    リンパ球は、ウィルスなどのような小さな異物とガン細胞を攻撃する主役ですが死んでいった細胞を片づけることはできません。これに対して、マクロファージと顆粒球は細菌や細胞の死骸や死にかけている細胞(ガン細胞含む)を片づけてくれます。要は、皮膚の表面の細胞が死んだら垢となって脱落していきますが、体内の垢を処理してくれるのです。その中でもマクロファージは処理した異物に対してサイトカインという物質を放出します(リンパ球もサイトカインを放出します、リンパ球の詳しい話は次項で((+_+)))。簡単に言うと、敵の情報分析をし、みんなに知らせ、臨戦態勢を整えさせるのです。よって、白血球が絶えず元気に働いていてくれればガンを抑えることができるのです。

    そこで前述の乳酸菌との関係ですが、乳酸菌(どの乳酸菌でも良いというわけではないですが)の中に白血球を活性化し、サイトカインの一部、腫瘍壊死因子を産生する強い力があることがわかりました。また、腸(小腸)には免疫システムのスイッチ(免疫の司令塔)があるのですが、そのスイッチをオンにすることもできるので、免疫力がさらに高まります。そして一番最初にお話ししたように、腸の動き(消化・吸収)がスムーズに行われてこそ初めて、栄養分やサプリメントが体内に吸収されるため、乳酸菌を摂取することによって、サプリメント等のさらなる効果が出てくるのです。

     

    難しいことを書き連ねてまいりましたが、ガンと闘うためにはまず体=腸内環境を整えることが必要なことはわかっていただけましたか?

    また、今回ガンに的を絞ったようなお話の仕方をしてしまいましたが、そうではなく、すべて病気に話を置き換えることができます。例えば動脈硬化に置き換えてみると、過剰な脂質の蓄積が要因とされる病気ですが、過剰な脂質を片づける過程に白血球が元気に働いてくれれば、有害な脂質の代謝が速やかに行われ、病気の予防になります。こんな感じで、すべての病気において乳酸菌は有効なのです。

    また、ちょっと意外ですが・・・お野菜、果物の中には、今まで述べてきた乳酸菌がたくさん含まれているのです。免疫落ちてきてるな~と感じたら、キャベツ、お茄子、大根、バナナ、スイカ、パイナップルなどをせっせと食べてみてください。白血球クンがしっかりと働いて、元気にしてくれるはずです(*^_^*)

    ガンと闘おうシリーズ、第一弾として、乳酸菌についてお話ししました。

    次は リンパ球についてお話したいと思います。ちょっと難しい話になりますが、ついて来てくださいね(*^_^*)。

     

    2013.07.01

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